第365回 麻婆豆腐めぐり その2四川飯店系3店について

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  • 2004年7月14日(水)
スタートは、日本に四川料理を広めたといわれている
陳健民氏の子息、
ご存知鉄人・陳健一氏の多店舗展開チェーンからです。
そのなかからまず3店。


- 四川飯店 本店(赤坂)-

本場の味といわれる「陳麻婆豆腐」はなく、
「麻婆豆腐」という1種しかありません。
場所柄接待系が多いようで、
マニア向けの花椒バンバンふりかけの
「陳麻婆豆腐」のリクエストが少ないのでしょうか。
雑誌では辛さをリクエストできるとのことでしたが、
女性スタッフが不慣れのようで、
「辛さは皆同じ」と「辛さの増量」を断られたのは残念でした。
出てきたものは、
普通の店の麻婆豆腐にやや毛を生やした程度のもの。
味噌甘いだけのもので、
昔、健民氏が日本人用に修正した麻婆豆腐のレシピに
一番忠実ではないかと考えます。
同じ四川飯店でも、六本木店より失望しました。
花椒を要求したら、
小皿に少量の粉花椒らしきものが出てきただけです。
香り、痺れともまったく物足りなく、
全部振りかけてもそんなに違いがでませんでした。
接待客をメインにしているようで融通も利きそうになく、
宴会料理目的でないかぎり行く必要はないでしょう。


- 四川飯店 六本木店 -

陳麻婆豆腐と普通の麻婆豆腐があります。
土日はサービスデーとかで、
ランチにも紹興酒などが1杯サービスされますが、
ヘタッているかの代物で期待してはいけない。
集客に苦労しているのでしょうか。
陳麻婆豆腐はなんと最初は花椒がかかっておらず、
別瓶で出されます。しかし粉花椒なのでまったく物足りません。
常連と思われる席には
粒花椒のミルがあることに気がつき要求しました。
いくらか香りや痺れに
陳麻婆豆腐らしき雰囲気を味わうことが出来ました。
唐辛子や豆板醤、肉の味わいを感じて、
マニアでなければ満足するかもしれません。

本場坦坦麺、つまり「汁なし」は
メニューにないが要求すれば造ってくれます。


- スーツァンレストラン 陳 -

セルリアンタワーの2階のダイニング系のお店です。
スタイリッシュな内装で、厨房がガラス張り。
その前にあるカウンターに座ると、
厨房を眺めながら食事が出来ます。
麻婆豆腐は陳タイプのみのようで、
四川飯店系の3店のなかでは一番ではないでしょうか。
適度な麻(マー)、辣(ラー)で、旨み、複雑性を感じました。

花椒は2種。
赤(花椒)は痺れが強く、
青(四川山椒)はマイルドだが香りがあります。
両方ともミルの歯がスカスカで、
大量に振りかけられないのが難点でした。



この3店のなかで再訪したいと思ったのは
セルリアンタワー店のみでした。