第340回 目玉料理人は誰だ、東京ミッドタウンプロジェクト

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  • 2004年6月19日(土)
5月でしたか、週刊新潮の記事に
次の再開発ビルの話が載っていました。
六本木の旧防衛庁跡にできる、
三井不動産を中心にしたコンソシアムがすすめている
超高層ビルをメインにした再開発計画です。

名付けて「東京ミッドタウンプロジェクト」。
今年5月に着工したようですが、
他の再開発プロジェクトの好調さ?に気を良くしたのか、
1年前倒しして2007年春に完成するとのこと。
しかし、ちょっと待ってください。
結構飲食店を含めて売り上げに苦労していると漏れ聞く
「六本木ヒルズ」とは目と鼻の先にあるこの再開発地。
完成の暁には、両再開発地が両立すると
考える人がいるのでしょうか。

一世を風靡した丸ビルも汐留カレッタオープンで少しこなれ、
その汐留も六本木ヒルズオープンの影響を被ったと聞いています。
要は、テナントや観光客の取合いになるのですが、
訪れる観光客、つまりパイの数は限りがあるはずです。
出店する店も、現状で好調な店に依頼することになりますが、
この手のビルは地代も高くCPの良さをなかなか反映できないのは
六本木ヒルズの高額料理店エリア、けやき坂通りの店を見れば
一目瞭然です。

そして先日の多店舗展開会社の典型的な結末になった
ソーホーズの民事再生法申請。
この教訓を生かす、他山の石とするならば、
安易に出店を仕掛けてくる有名店があるのかどうか、
私には疑問です。
六本木ヒルズに出店した店は、
5年で元をとるつもりだったと聞いたことがあります。
わずか1年で失速してしまった店もありますが、
未来永劫ではなく、その場の利益を目当てに出てくるのですから、
CPが良いはずがありません。

この新プロジェクト、
テナントの誘致はこれからだということですが、
腐心しているのは「目玉レストラン」だとか。
有名シェフは、ロブションもデュカスも皆先約済みで
看板を見つけるのが大変だとのことです。
ここは、欧州の看板スターシェフとの提携では勝ち組である
「グラナダ」に期待するしかないのではないでしょうか。
しかし、今のフランスの3つ星、2つ星で
再開発ビルの大箱なレストランに興味をもつシェフがいるかどうか。

「サン パウ」の女性シェフを口説くのに
1ヶ月を要したようですが、
ここは1年ほどかけて
フェラン・アドリア氏を口説いてはどうかと考えます。
「エル ブジ」の支店は出さないとは言うものの、
セビリアのホテルのプロデュースを請け負って、
シェフをも派遣して過去のエル ブジ料理を出し続けていることは
有名です。
支店ではなく、「エル ブジ」プロデュースの店ならば
可能性はあるのではないでしょうか。