第322回 鉄板焼きを数回我慢してでも、あら皮 1

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  • 2004年6月1日(火)
巷では破格の請求額との風評がありますが、
肉自体のうまさも認められているステーキ店です。
新橋駅からは10分以上かかるでしょう。
ぱっとしないビルの地下、しかもその突き当たり。

30名前後のキャパでしょうか、
しかし私は満席になっているところを見たことがありません。
かなりの高額店ですが、接待系のグループ以外に
5~6人の家族連れを見かける事もありますが、
経費で落としている固定客が主体と考えます。
洋食屋っぽいあまり垢抜けない内装に
厨房が覗けるオープンキッチン。
スタッフはなぜか全員コック帽をかぶっています。
この店が天文学的に高いと言われている一つの理由は、
メニューが提示されないことでしょう。

スタッフは前菜としてホタテやスモークサーモン、寒鰤などを
口頭で挙げるだけで価格を言いません。
この店へ来る客は、
支払額を気にする人がいないと思っているのでしょうが、
価格を確認する勇気が初訪問客にあるとは思えません。
肉もロースかヒレで厚さを指定するだけです。
まったく不明朗。
高価格、不明朗という風聞をカリスマ性に結び付けて
店の名を高めようとしているのかもしれませんが、
私は価格をしっかり開示した方が客は増えると考えます。
実際言われているほど高くはありませんし
(一人10万円近いとの口コミもあるが)、
肉など食材で勝負できる店ですから、
情報を開示することによって多くの人たちに
一度はこのステーキを味わっていただきたいと考えます。

寒鰤の価格は1万円くらいと聞いた事があります。
確かに高いが高飛車なグランメゾンとたいして変わりありません。
炭で焼いたその部位の大きさに驚くはずです。
二人分はあるでしょう。
その他、店自慢のスモークサーモンやホタテ(一人分2枚)も
そのポーションはかなり大きい。
肉も100グラム1万円くらいの計算になるはずです。
目安は二人分で4万円くらい。
こう書くとやはり無茶苦茶高いではないか言われそうですが、
これらアラカルトを頼まずコースで頼む方法もあります。
一人4万5千円、月替わりで内容が違いますが、
ホタテや鰤などの魚系が2皿に
蟹やサイマキエビのサラダがついてロース肉となります。
2人からのオーダーですが、肉量の目安は400グラムというので
一人分は200グラム。
今日日のホテルの鉄板焼きでも、
高いコースですと2万円を超えますが、
それでもあの油にまみれた鉄板で
不必要に脂の入りすぎた肉が150グラム前後。
重量を補正して考えると2倍はしない計算ですから、
私は初訪問の方には
いつもの主張とは違いますがコースをお勧めします。
前菜を選べませんが、肉自身に違いはないでしょう。

店は肉の厚さを強調します。
炭焼きですが、厚くなればなるほど肉汁が封じ込められて
より旨みが増すということです。
残念ながらコースでは肉はレギュラーサイズ。
それでも2センチ以上はありますから、
薄っぺらな鉄板ステーキとは違います。
セミキング、キングサイズと厚くしていくと、
その分重量も500、600グラム(二人分として)増えていきますが、
懐に余裕があるなら
100グラム当たり1万円の追加を払えば変更は可能です。