第313回 ワインの諸々 その22最近のワインの値付けの傾向は・・・

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  • 2004年5月23日(日)
料理店でのワインの値付けは両極端になっているようです。
接待系の昔の名前ででています状態の店、
3つ星・2つ星提携店、
多店舗展開グループのなかの旗艦店などは、
仕入れ値が3千円前後のノンヴィンのシャンパーニュに
平気で1万円の値付けを未だにしているようです。

反面、中堅どころから5千円以下で料理が食べられる店は、
値付けの安い店が目立ってきました。
最近驚いたのは、高田馬場の「ラミティエ」でしょう。
ゴッセのノンヴィンが5040円です。
一応利益というか掛け率はあるのですが、これは非常に安い。
高いワインショップなどでは、小売価格に匹敵するものです。
料理を安く設定していると、
どうしてもワインで値幅をとりたくなると思うのですが、
この店はまっとうというか、頑張っています。

未だにノンヴィンのシャンパーニュは、
正規ルートだともっと仕入れ値が高いと言う人もいますが、
店がストックしているワインは
正規代理店ですべて仕入れているというものではありません。
ルートのない店は正規代理店だけから、
やや高めの若い、
ありきたりのワインを購入するしかないでしょうが、
ちょっと珍しいワイン、レアなワイン、古酒は
色々なルートで入手しているのです。
つまり、正規代理店のワインだけが状態がよく、
ほかはまがい物、というものではないのです。
逆に正規代理店からは、
何の変哲もないワインしかまわってこないのが現状でしょう。

今はインポーターがかなり乱立しています。
中には仕入ルートや保管方法に問題があるものもあるようですが、
生き残っているインポーターは
品質管理と価格で勝負しているところが多い。
正規のルートと平行物、
もしくはアジアやアメリカ向けのボトルは中身が違う、
などの噂もありますが根拠に乏しいものです。
正規代理店信仰は、今はそんなに重要ではありません。

だいたい、若いワインではなく、
いわゆる古酒は正規代理店からは今は入手できません。
ブルゴーニュやボルドーなどの有名な古酒は、
海外のオークション、
もしくは欧州のマーチャントから入れてくるもので、
正規代理店経由ではないのです。
しっかりしたインポーターなり業者を選べば充分です。

都内の数ある有名店(ワインオタク向けの怪しい店も)でも、
正規代理店以外のそのようなマーチャント系、
もしくは新進の業者を利用している事実を知っていただきたい。

正規代理店以外というと、
すぐ、安売りワイン屋がセラーではなく店先で
常温のままワインを並べている状況を
思い浮かべる方が多いのかもしれませんが、
それはごく一部なのです。