第312回 料理評論家、フード・レストランジャーナリストの習性・実態その28店に値上げをすすめるとは・・・

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  • 2004年5月22日(土)
最近は一時の勢いがなくなってきたかもしれませんが、
高田馬場の「ラミティエ」はまだまだ賑わっているようです。

この店のウリは、しっかりしたビストロ料理がランチで1千円、
ディナーで2千円(消費税不含)で食べられるということです。
よほどの大食漢でなければ充分なボリューム。
大流行だったイタリアン「ベットラ」でも3800円ですから、
この店の値付けは破格でしょう。

こんなCPの良い店は長く続いて欲しいのですが、
なんと、自称料理評論家の山本益博氏は、
「一個人」という雑誌への掲載で、堂々と
店のオーナーシェフに値上げの提案をしたことを
自慢げに書いてありました。

おいおい、
やっぱりスタンスは店側にばっちり置いているではないか、
と突っ込むのは私友里征耶だけでしょうか。

「ランチが1千円でうれしいが、安くやるには素材が限られ、
料理が停滞する。レベルを上げるには価格を上げては」
という意見。
今までの活況は、
価格に見合う、もしくは上回るCPのよさからの人気のはずです。
素材が限られレベルが落ちてきたら、自然と客は離れるでしょう。

離れられるのがいやならば、
店は頑張って料理のレベルを維持するはずです。
この店の雰囲気、コンセプトとは異なるような、
素材のレベルを上げてまで価格をアップすることを
今の客層が望んでいるのでしょうか。
価格がこの店より高くていいならば、
それなりの店は他にもあります。
高田馬場でこの店構え、そしてこの料理の割にこの価格、といった
バランスが人気を呼んでいるはずです。

生業の元である一般読者をないがしろにし、
あたかもご意見番、名伯楽のように
料理店に恩をうるがごとくの、
自意識過剰のアドヴァイスに、私は非常に違和感を覚えました。
店側から便宜をはかってもらっていることはないと信じたい。
しかしソーホーズ ホスピタリティー グループとの
顧問契約問題への明確な弁明は未だでていません。
顧問料を受け取っていたのか、
受け取っていないにしても、
なぜ宣伝にもなってしまう顧問会社のHPに
名前を載せるのを許し、
しかもその関連料理店である「厲家菜」を
巷の評判とかけ離れて必要以上に推奨し続けたのか、
説明がないのが残念です。
デビューしたての初心を思い出していただきたいものです。