第310回 レストラン サン パウ 2
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- 2004年5月20日(木)
コース主体ですが、ミクロメニュー(付きだし4品)、
前菜4皿、メイン、デザート2皿で18000円です。
現在は、前菜の1つ、ムツがアマダイに変更され、
小さなチーズを5種つけたプレートを加えて
21000円に値上げしています。
しかも表記価格に消費税は不含。
集計では別途加算されていました。
当局からの指導はされないのでしょうか。
それにもまして私が驚いたのは、スペイン本店のコース価格です。
同じような構成で、何と89ユーロ。
日本店はスペインの倍近い設定なのです。
「エル ブリ」など3つ星店もだいたいこのようなレベルのはず。
在日スペイン人が訪れるとは思えません。
アラカルトもかなり高い。
ミクロメニューはおまけで、
前菜(6千円前後)、メイン(6~8千円)にデザート(2800円)の
3皿を頼むのが条件です。
一口で言って、「サン パウ」料理の特徴は、
甘さと辛さの同居、食材の変わった取り合わせ、
そしてじっくり味あわせない小ポーションでしょう。
我々は例の初老の客層ではありませんが、確認の意味で日を置いて
コースとアラカルトにチャレンジしました。
コースは小ポーション、多皿攻撃で、
各料理の味わいが記憶に残りにくい。
味わうほどの量がないので物足りなく感じるのです。
ミクロメニューは特に少ない。
トリッパに甘いレーズンを加え、
チーズパイのようなものにはニンニクを乗せるなど
その取り合わせの妙は「カメレオン」のごとくで
私には各食材が反響しあっているとしか思えません。
前菜は甘さ、辛さに塩が目立つものが出てきます。
全体が調和するのではなく、
口中で甘さやしょっぱさが別々に主張するのは、
果たして女性シェフのレシピ通りに造ったものなのか。
コースのメインは、イベリコ豚を使った2皿からの選択です。
肩ロースは尾を使ったソースになんとイチゴも加わって
まったくのサプライズ。
モザイクと称する料理は、耳、舌、足などの部位を
恐らく背脂を使ってまとめたパテのようなものです。
イベリコ豚などブランドポークは脂に旨みがあるもの。
ロースなど肉質部にその特徴があらわれると思うのですが、
イベリコ豚のゼラチン質を主体に使う必要性があるのか
私には疑問です。
フレンチの高額店でも、
似たような「ピエ ドゥ コション」が
安くおいしく食べられると考えます。
(明日に続く)