第309回 レストラン サン パウ 1
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- 2004年5月19日(水)
このミシュラン2つ星の本店をご存知の方がどのくらいいらしたか、
再開発複合ビルの宣伝効果はかなりのものと考えます。
オープン前の宣伝キャッチは統一されていました。
海外進出に難色を示す女性シェフを、
グラナダの社長がやっとの思いで口説き落とした提携店。
そうです、
昨年の六本木ヒルズの「サドレル」に続いて
またまたグラナダが派手にやってくれました。
果たして「サドレル」のように
価格は別にして料理にだけは満足できるかどうか、
楽しみな訪問でした。
HPでしか確認していませんが、
本店と同じく1階がガラス張りの厨房。
コレド日本橋のアネックスとして、
「サン パウ」専用に造られたとも考えられる
優遇された立地です。
通りすがりの見学者がメニューを見て、
その値付けの高さに驚く様子を見ながら扉をあけると、
その1階部分は
小さなバルとガラス張りのワインセラーが洒落ています。
誰でも高額店に入店してしまったと認識することでしょう。
2階はウエーティングを兼ねたソファと
カウンターのバル部分がかなりのスペース、
ホールは2間になっていてキャパは50名前後でしょうか。
階段を登りきったところからホールまで、
段差を気にするのは最近のバリアフリー志向に逆行でしょう。
NY系の提携店とは違った明るいライティングには安心しました。
白服の割合が多いのが気になりますが、スタッフ数も十分、
ただしオープンして日時がたっていないからか
あまり機能はしていないようです。
しかし、「サドレル」にもいましたが、
外人女性は必要ないのではないでしょうか。意思疎通が難しい。
当初の丸ビル、六本木ヒルズの高額店にお約束だった、
客層は健在です。
ずばり、初老の男性2人グループや、
初老の男性陣と不釣合いな若い女性たちとのグループ、
業界人を気取った(本物かも)
自己主張の強い服を着た髭を生やした男性とその連れ合い。
初老の男性陣は食事中も大声を上げて女性に自慢話をして
興奮してきたのでしょうか、上着を脱ぎだしていました。
店側はこれをとがめる風でもなく、
その一角はまさに小料理屋の世界と化していました。
イベリコ豚の単語も使い慣れていない客層が、
「エル ブリ」と違って
日本ではさして有名でなかったこの店に押しかけている現実に、
私は「グラナダ」の顧客名簿というか営業力の強さを感じました。
普段は鮨屋か料理屋からクラブへ直行の人種を
誘導してくるのですから。
本店は毎月コースメニューが変わるという事ですが、
日本では季節毎にしか変わらないこの店に、
2週間で3回来たとの自慢話も、
2つ星レストランの雰囲気を壊します。
5人でワイン1本のグループもいて、
食通を自負されている方はこなれてくるまで、
暫く近づかない方が良いでしょう。