第280回 サンス エ サヴール 1
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- 2004年4月20日(火)
提携先は同じく多店舗展開しているフランスのサンスグループ、
所在は丸ビルという高層ビル、
勿論看板シェフは不在でレシピ頼り、と私が主張する
「避けなければならないレストランの要素」
を生まれながら多くもってオープンしたフレンチです。
当然私も1年以上避け続けたのですが、
次著の出版に際して、編集担当者からのたっての頼みで
重い腰を上げました。
どうしても目玉で「丸ビル内のグランメゾンが必要だ」との説得に、
私は同伴者の獲得に奔走しました。
巷の評価としてはレストランジャーナリストの犬養裕美子氏以外
あまり良い記述を目にしません。
ネットのレヴューにもあまり良く書かれていなかったので
心配したのですが、昨年同時期、
旗艦店である「ヒラマツ本店」へ
再検証で同行していただいた方たちとの訪問が実現できました。
赤っぽい壁面の外装は感心しません。いかにも安っぽく感じます。
しかし、一歩中に入るとアールヌーボー調のような
時代遅れの重厚感ではなく、
行ったことはないので断言できませんが、
ニューヨークの高額店のような都会的な雰囲気に
落ち着きを取り戻します。
ウエイティングは1列の長いソファのところどころに
小さなテーブルが据えられています。
食前酒やアミューズが置けるよう考えられたものですが、
これは使えます。
店内はやはり満席ではなかった。
高級店のはずですが、さすが南仏というのでしょうか、
ドレスコードも厳しくなく、セーター姿の観光客も見かけました。
勿論幼児も入店可のようです。
再開発地のフレンチにお約束の、
接待と思われる初老の男性客2人組といった客層も健在でした。
この手の店の宿命なのでしょう、実に客層はバラバラです。
料理はコースを主体にしています。
「スペシャリテコース」と銘打っている
一番安い1万2千円コースには、
食指を動かされるものが見当たりません。
名称換えを提案します。
その他1万6千円、2万円と
価格が上がるにつれて前菜の皿数も増えていきます。
アラカルトをチェックしてみると、
メインの肉類に特に種類が少なく、
コースのものとほとんどダブっています。
つまり、この店はコースもアラカルトも同じレベルと判断、
迷わず松竹梅の竹コースにした次第です。
柔軟性はドレスコードだけではありません。
メニューには、テーブル毎同じコースを頼まなければならないと
注意書きがありましたが、
皿出しのタイミングを気にしなければかまわないとの事。
メインなどの料理も他の食材に変更できます。
同じ丸ビルのグランメゾン系レストランである、
ワンフロア上の「アンティカ オステリア デル ポンテ」の
堅物さとはまったく違う営業姿勢でした。