第258回 初訪問、シェ ウラノ

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  • 2004年3月29日(月)
最近、犬養裕美子氏などマスコミがかなり取り上げていたので、
知名度があがっていると思った神谷町のフレンチです。
ホールはマダム一人。
ドアのところで
客の来店を今か今かと待ちわびていたのが印象的でした。
この店は一人客もオッケーなようで、
奥のテーブルでは若い女性が黙々と食べていました。

20席弱のホールにサービス陣はマダム一人。
満席なら苦しいですが今のところは大丈夫。
厨房を表の通りからわずかにのぞくことが出来るのですが、
シェフをいれて二人は確認できました。
内装は小奇麗に品よくまとまっています。見栄をはっていません。

私が気になったのは、この規模、設備、食材の割に
値付けが高いのではないかという点です。
コース制で前菜、魚、肉の3皿のお任せで6000円。
前菜が2皿になり、一つはチョイスでき、
肉も2皿から選べるコースは8000円。
前菜が3皿に増え、肉が5種の中から選べるコースが1万円です。
食材や調理法の選択肢がある程度あるのは1万円コースのみ。
これではちょっと厳しい。

そして今回が不運だったのか、
実際はアミューズが1品加わるのですが、
8000円のコースは、5皿ふくめてなんら特徴のない料理でした。
犬養女史は
和の食材をとりいれた安心できる料理と宣伝していますが、
私は安心しすぎたせいなのか、
すべての料理の印象がまったく頭に残りませんでした。
よくいって可もなく不可もない料理。
値付けが高いだけで、
マスコミがわざわざ取り上げるほどの店とはまったく思えません。
でも最近色々な雑誌や本で、
シェフの写真を見かけるのが不思議です。
マスコミに
スペシャリテとして取り上げられていた煮込み料理もなく、残念。

しかしワインは安いです。
ノンヴィンシャンパーニュが6500円。
スティルワインも小売の1.5倍くらいです。
ヴェルジェの白もかなり揃えていて、CPは良いと考えます。
ラインナップは3500円から1万円くらいまでとなっておりました。
でも料理が高いので、
ワインをしっかり飲むと一人1万5千円は超えてしまうでしょう。

<結論>
ワインは安いがそのかわり料理に割高感があり、
CP感はよくない。
一人でも入店可能で、
マダムもサービスはぎこちないが人当たりはよく
ストレスを感じないのだが、それだけでは物足りない。
肝心の料理で、ハッとするものを見てみたいものです。
マスコミに紹介された魅力ある皿が本当にあるのだろうか。
写真とライターのキャッチがうますぎた、ただの過大評価の店か、
シェフの実力が本当はあるのか、今後が楽しみです。