第248回 友里征耶の疑問 その6ナリサワがマスコミに不自然に露出
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- 2004年3月19日(金)
フード・レストランジャーナリストの評価本を
良く見てみてください。
この小田原の名店と言われていた?
(私はただの高い店と聞いていました)
東京移転店の「レ クレアシオン ド ナリサワ」の露出が
あまりに大きすぎると思いませんか。
私友里が来訪してのコメントは後に譲るとして、
この店を取り上げている雑誌などは
まさに「えこひいき」といわざるを得ないくらい偏っています。
「ブルータス」では実に10頁、
この手の店としては破格の取り扱いです。
「東京ブロス」でも他店の倍ちかい4頁を割いて紹介、
べた褒めしています。
いずれも犬養裕美子氏がかかわっている特集なのですが、
これほど力を入れてしまう原因は何なのか、
ちょっと興味があります。
ただの値付けが高い勘違いしたフレンチかもしれないのにです。
また、犬養女史の著した
「東京ハッピー・レストラン」という本では、
フレンチの項で、いの一番に
この店は2頁割いて紹介されています。
でもちょっと待ってください。
この本は、12/18に第1刷が発行されています。
一般に発行日より早く単行本は書店に並ぶのですが、
仮に本当に12/18に書店に並んだとしても、
そこに大きな疑惑が浮かんでくるのです。
時系列的に説明しますと、
「ナリサワ」は諸設備の遅れで
オープンしたのが11月下旬と言われています。
書籍の発行は、著者が原稿をすべて書き上げる「脱稿」、
それを出版社が編集・校正して出版社へ渡す「入稿」、
そして印刷所から帰ってきたものをまずチェックする「初校」、
そして再び印刷所へもどしてから
著者や編集者、そして出版社の校閲部門が
最終チェック(「再校」)して再び印刷所へ戻し、
初めて印刷・書店販売となるのです。
脱稿から数えて書店に並ぶまで、
優に1ヶ月以上かかるのが普通のはずです。
ましてや、「東京ハッピー・レストラン」は
カラー刷りが主体ですから、色合わせなども含めて
より手間はかかるはずです。
何を言いたいか、もうお分かりですね。
犬養女史は、「ナリサワ」が
オープンする前に原稿を書いてしまった、
つまり通常の営業時間内に
店で食事をせずに書いてしまったと推測されるのです。
オープン当初に入店して、特別に頁をあけていて入稿し、
急いで印刷したとの言い訳も考えられますが、
それでも既にその時点で、フレンチの第一番に
しかも2頁というスペースをあけて用意していたのは事実です。
本を出版するには、
まずページの割り振りを最初にしなければならないからです。
仮に百歩譲ってオープン後に原稿を書いたとしても、
つまり食べた結果に関係なく、
特別に注目、売出し店として
目立つ最初の頁に、他の店と比べて最高スペースの2頁を
既に用意していたということなのです。
これはまったくの出来レースです。
これってありでしょうか。
「やらせ」といわれても仕方ないのでは。
サービスや料理を実際の店で経験することなく、
結果を最初から決めている。
そこまでして、「ナリサワ」を売り出したい
犬養女史の意図が私にはまったくわかりません。
成澤氏、もしくはそのスポンサー筋と
特別の関係でもあるのでしょうか。
「東京ハッピーレストラン」の読者も
この実態を知ると当惑されることでしょう。
この事はレストランジャーナリスト、評価本として
根幹の問題ですので、皆さん、疑問に思われたなら、
実名で「マガジンハウス」社へ確認されたら良いと考えます。
昨年発行した拙著を例に挙げますと、
カラーなしのただの本ですが、
3月はじめに脱稿、書店へ並んだのは4/23でした。
いくら出版社と印刷所の力関係とは言いながら、
カラー刷りの本が2週間あまりで初稿を経て校閲を終わり、
書店に並ぶとは思えません。