第244回 本場のトラットリアに近い、トンマズイーノ

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  • 2004年3月15日(月)
正式店名は「トラットリア ダ トンマズイーノ」。
北青山の小さなビルの2階にあります。
ホールスタッフは若い男性が3人。
ギュウギュウ詰めのテーブル配置といい、
スタッフ数も満席になるとちょっと厳しい人数ですが、
これも「トラットリア」との命名で
許されてしまっているようですから、得していますね。

料理はアラカルトですが、品数は豊富です。
前菜、プリモとも12種(14~1800円)、
セコンドも本日の魚を4種の調理法から選ぶものの他、
4種ほど(2400円前後)。
シチリア料理専門と言われると、
まず思い浮かべるのが鰯にカラスミ、ナス、そして魚料理です。
しかし、肉料理もいくつかあるようです。
非常に種類が多く、
シチリア料理というものが広く知られていないからか、
選択にかなり迷うことになります。

カポナータにしても、ナスと玉子のフォゴティーノにしても
しっかりした味付けで満足。
鰯とウイキョウのマッケローニもイケました。
味のインパクト、狭い店内の活況さなど
本場の「トラットリア」に良く似ているのです。
しかし良いところばかりではありません。
1品の量が少ないのは本場では考えられないこと。
1品の価格は千円台ですが、
トラットリアというよりリストランテというべき上品な量が
唯一の問題点と考えます。
皿にのった小さめのポーションをじっと見ていると、
果たしてこの店は安いのだろうかと疑問も沸いてくるのです。
セコンドのアンコウのソテーも小さかった。

この店はシェアに寛容です。
前菜、プリモ、セコンドと、要求しなかったのですが、
各人が頼んだ料理が1皿ずつ出てきて
都度みんなでシェアできました。
非常に時間のかかる食べ方でしたが
我々は充分堪能できた次第です。
ただし、フォーク、ナイフの交換がなく、
トマトベースのソースが多いのでクロスを汚すことになります。
前菜、プリモ、セコンドへと2回は交換するか、
せめてナイフ・フォーク置きを用意するべきと考えます。

ワインリストもシチリア産が主体、
白・赤20種くらいでエチケット入りの標記ですが、
文字が小さすぎて老眼の身には辛い。
ワインは5千円から1万2千円くらいまで、
仕入れの2倍、小売の1.5倍強と推測、まずまずでしょう。
ワインの注ぎなど
セルフでしなければならない場合もありますので、
この値付けは当然かもしれません。
我がグループは1皿ずつシェアして食べるという
長時間コースだったからか、
一人当たり1本のワインを飲みきり会計は一人当たり12000円。
サービス料はありません。
結果は「トラットリア」として、リピートしたい店と考えます。