第221回 料理評論家、フード・レストランジャーナリストの習性・実態 その22友里の本は信憑性を疑うに対して
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- 2004年2月21日(土)
「言ったもの勝ち」です。
具体的な指摘をしない、理論的な発言をすることなく、
論争相手に対して「理論的に負かした、根拠がなくなった」と
言い切ってしまって勝手に打ち切ってしまう手法です。
ただの自己満足でしかないのですが、
「東京最高のレストラン」の最新版のP254を読んでいて、
いかにも「友里征耶」を的にしている記述に
同じような自分勝手な手法を感じました。
引用させていただくと
「ところが最近は
ジャーナリズム的イメージを持たせておきながら、
匿名で個人的な体験や感想だけを書いて
事実確認をしない本や記事も多い。
一般客として店に行き、そこで体験した感想文ではあるけれど、
信憑性を疑う記述も多いように思います」
犬養裕美子氏の発言ですが、
私は彼女の対象としている本は拙著以外に思い当たりません。
彼女たちの取材スタンスを真っ向否定している本は
他に見当たらないからです。
そして、ある週刊誌でも彼女は勘違いしていたのが、
ペンネーム=匿名と思っていることです。
ネットの掲示板ではないのですから、
匿名希望者が本を出版できるはずがありません。
文責はペンネームといえども
出所が出版社には明らかになっている著者に、
そして出版責任は出版社にあるのは常識のはずです。
何度でも言いますが、
実名取材の大きな弊害を問題視しているので、
実名を明かさずペンネームを使っていますが、
これは言いっぱなしの匿名文ではないのです。
責任の所在ははっきりしているのです。
ジャーナリストと名乗っている方たちが、
この初歩的なことを勘違いしているのが
私にはまったく理解できません。
また、体験を書かないで何を書くのですか。
自分の食べた料理を
自分なりに評価して書いてはいけないというなら、
フード・レストランジャーナリストは、
いったい何を書いているのでしょうか。
もしかしたら、自分の体験を書かずに、
料理人のPRをそのまま垂れ流しているだけなのでしょうか。
私はいつも具体的に彼女らの記事や店の問題点を提起しています。
どの箇所に信憑性を疑うといっているのか、
具体的に指摘しないで、勝手に言い切ってしまうのは
フェアではないでしょう。
読者にもわからないはずです。
「客を追い出す」、
「カード手数料の客への転嫁をなかなか改めず詭弁を弄した」、
「デカンタージュでシェイクした」など
普通考えられないことですが、
どれも事実であり私以外に立会人もいます。
犬養女史が「客の満足を考えている」と褒めまくった
「麻布 かどわき」の主人が、
日常的に客を追い出していたことに
私はクレームをつけただけです。
どこが、信憑性を疑うのでしょうか。
彼ら実名取材者たちは、一般客へはない、
店側の温かい接待がありますから、
追い出される事もないでしょうし、
実際決済しているかはしりませんが
カードの手数料問題もないのでしょう。
ワインに詳しくなければ、
デカンタをシェイクしても変だとは思わないでしょう。
一般客としての入店を拒否し、実名取材しかしないのですから、
一般客が遭遇するこれら店側の
「彼らにしてみれば信憑性を疑う記述」に
彼らが遭遇するはずがないのです。
私は言いたい。
取材を、体験を元に書かずに、何を元に書いているのか。
料理人の発言を垂れ流すのでは、
それは「御用記事」でしかありません。