第2回 六本木ヒルズへ行きましたか
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- 2003年5月20日(火)
飲食店に入って食べられましたか。
私は何回かチャレンジしましたが、日曜や祭日だったからか、
食べるどころかお茶を飲むこともできないで退散してきました。
どこも、行列がすごく、時間単位で待たなければ
入れそうになかったからです。
でも、「けやき坂通り」地区の
予約システムをとっている店は違っているようです。
当日でなければ、多勢でなければ数日後の予約が入るようです。
「すきやばし 次郎」、「茅場町 みかわ」、「青柳」が
挙って分店を出店してきました。
あの「アピシウス」をやめたシェフが、
誰にでも気安く利用できるようにと
開いたスープ屋「パ マル」も高級店並みの金額を設定した
フレンチとなって出店されています。
これらの店は「次郎」を除いて基本的に、
本店より価格を高く設定しているのを知っていますか。
高い賃料、年中無休を維持するためのスタッフのシフトの問題、
六本木ヒルズの格に合わせて
豪華にしなければならない内装・什器、などの出費は
本店と比較にならないでしょう。
あの、「吉兆 東京」でさえ、投資額に対する見返りを考え、
採算性がよくないとの判断で出店を諦めたということを
聞いたことがあります。
価格は本店より高い、
しかし料理人は本店より格下だから味は落ちる、では、
なかなか高額を支払ってまで食べに行く人は少ないのでしょう。
「次郎」も「みかわ」も本店の主人の息子さんが料理人です。
「小山」もこのグループの店主がほとんど厨房には立ちません。
本店と同じ、もしくは高い料金をわざわざ支払っても、
料理は格落ちするのは目に見えているのです。
これらの店は低層階に位置していますから、
夜景も期待できません。
私は多店舗展開を仕掛ける料理店を敬遠しています。
このコーナーのコンセプトである、
「料理人の性格」にも関係してくるからです。
利益追求が多店舗展開に繋がってきます。
そしてそれには料理人の客に対する考え、
性格が反映されてくるからです。
詳しいことはおいおい触れていきたいと思っております。
簡単に言えば、料理人の体は一つということです。
歴史の浅い人気店や小規模な人気店は、看板料理人の腕に匹敵、
もしくは近い後継者を育てる時間もシステムも余裕もありません。
分店では、店の看板と仕入れの食材は同じようにできますが、
料理する技術が劣ってしまうことは誰の目にも明らかですね。