第192回 予約の取り難い人気店への道 その3人脈つくり

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  • 2004年1月23日(金)
マスコミに食いついてもらえる店造りは必要だと以前述べました。
立地、店構えやコンセプトの意外性は重要です。
収容人数を抑える事も必要です。
いずれも過大評価される近道と考えます。

そして、より直接的な手法がこの業界での人脈造り。
マスコミの編集部門に親しい人がいれば、
雑誌で好意的に取り扱ってくれるでしょう。
現にある編集長は、あのうまくない高額店「厲家菜」へ
度々訪れていると聞いた事があります。
あの高額店へ自腹で頻繁に訪れる事は
給与所得者では無理があるでしょう。
当然、下駄をはかせた紹介になることは誰でもわかります。

有名料理人に取り入る事が出来れば、
雑誌の「人気シェフお勧めの店」といた企画に
自分の店を乗せてもらえるかもしれません。
この手の企画に多く登場する
「アロマクラシコ」の原田シェフと
ナシをつけることができれば雑誌に登場する機会は激増し、
大きな宣伝効果をあげることができます。

そして料理評論家、フード・レストランジャーナリストとの癒着。
彼らのメール配信やHPを見てみると、
「誰それ(シェフ名)から誘いがあった」、
「誰それの店へ行った」と
自慢げに書かれた訪問記を目にする事が多い。
つまり、彼ら評論側は孤高の立場をとっているのではなく、
評価対象とは親しくしたいようなのです。
特に有名料理人と親しいことが業界で認知されると、
彼らの地位、評論の真実性が上がると
勘違いしているようなのです。
少なくとも、この業界では評論家、ジャーナリストとして
生業をたてていくには、
料理人と良好な関係を築くことによって
仕事が多くくるらしいのです。
実際、料理人と癒着していない一般客の立場の友里へは、
ごく一部を除いて執筆依頼はきておりません。
経済が逼迫しています。
癒着していかないと、
この業界だけでは食べていけない証左といえるでしょう。

肝心の読者をないがしろにして、
料理人や店と評論家・ジャーナリストが
裏でシェイクハンドする構図がここに見えるわけです。
鶏が先か卵が先か、
お互いの利益の為、甘い評価をして
料理人を喜ばせて親しくなるか、
料理人から親しく接近して「特別待遇、特別料理」といった
「毒饅頭」を投入して甘い評価を得るのか、
そのどちらも一般読者にとっては必要なことではありませんが、
結果、人気店への早道になってしまうのです。