第171回 予約の取り難い人気店への道 その2キャパと立地などの意外性

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  • 2003年12月20日(土)
前回は、
「人気店になるにはマスコミに露出するべし」と述べましたが、
開店する前に仕掛けておかなければならない事があるのを
思いつきました。

肝心なことですが、
料理評論家、フードジャーナリストなどマスコミが、
食いつきやすくなるような店にしておくことが必要です。
今や自他共に認めるというか
ご本人が一番意識していると思われる
「人気店メーカー」の大御所、山本益博氏に取り上げられる事は
新規オープンや客入りの悪いオーナーシェフにとって
悲願といえます。
気に入られたら、彼の影響力の根源である、
講談社系の「週刊現代」、「おとなの週末」などに
幾度となく取り上げてくれます。
マスヒロ配信メールのバックアップも大きいでしょう。
友里征耶の主張はまだまだ広く浸透していませんから、
少なくともこのコラムや日刊ゲンダイを読まれていない
マジョリティーにはかなり宣伝効果があると想像します。
そして、できれば、
山本氏の自宅近くに開店することをお勧めします。
彼の目にとまりやすいですし、
地元料理店へは評価が甘くなるともっぱらの噂です。

その他、フードジャーナリスト、
特に「東京最高のレストラン」の「食べ手のプロ」を自称する
犬養女史、森脇女史など女性陣や
大谷氏などの執筆陣の目にとまるには、
やはり立地の意外性があります。
早稲田の「松下」、中野坂上の「さわ田」、
中目黒のはずれ「フォエイオリーナ・・・」、
電気屋の2階「ロンフウフォン」、
四谷荒木町の「とらたつま」など挙げだしたらきりがありません。
六本木や南青山、銀座の大通りに
当たり前の店構えで出しても意味はありません。
できれば住宅街や昔の色町、
都心であってもやや裏道の隠れ家的なたたずまい、
このような意外性だけで、
料理自身は下駄をはかされ高評価につながることになるのです。

そして収容人数です。決して大箱にしてはいけません。
和食なら15~20名以内、
フレンチやイタリアンでも30名以内が目標でしょう。
そうです、
運良くマスコミに紹介された直後の
予約問い合わせが殺到する時期、
キャパが少なくて予約が入れにくくなる事が肝心なのです。
人間は駄目だ、といわれると余計執着するものです。
試しに問い合わせした時予約が一杯だと
必ず一回は行きたくなりますし、人にもふれまわります。
誰もガラガラな店より、
予約が殺到している店に行きたいものです。
こうやって予約困難の口コミが広がってくればしめたものです。
肝心の料理は別にして、
あとは他のマスコミ、口コミが勝手に客を増やしてくれます。
新規オープンの際は、料理よりも
意外性のある立地や内装に気を遣わなければなりません。