第16回 サービスの基本なし アッカ (広尾)
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- 2003年6月3日(火)
大きな問題を抱えているイタリアンです。
評価本によっては、皿出しのタイミングが遅い、と
優しく指摘しているものもありますが、
そのような柔なものではありません。
オーナーシェフの自己中心的な営業方針で運営されています。
必要な厨房スタッフの経費を節約しているのか、
20名足らずのキャパの店なのに、
普通の店のような時間で料理を供給することができません。
それを客側へ制約という形で押し付けてきます。
夜一回転だけの営業なのに、
客の予約時刻を店側が指定してきます。
つまり、18時に何組、19時に何組、20時に何組と
枠数を店が決めているのです。
しかも18時、19時の枠数が少ない。
客に予約時刻の選択権がほとんどありません。
それだけならば、予約の段階で客も了解済みなので、
時刻が合わなければ予約しないだけなのですが、
承知の上で運悪く20時の入店組になってしまったら、
お会計時刻は軽く23時をまわってしまうくらい
間延びした皿出しになります。
しかも、間延びした皿出しに合わせているのか、
実質のホールスタッフは1名。
店のキャパ一杯になる20時過ぎは、入店客の席への案内、
食前酒のオーダー、料理のオーダー、料理の配膳、
ワインの注ぎ足しなどが、
すべて一人のスタッフの順番待ちになります。
一人のスタッフが自分の順番になるまで、
入店した客は入り口で立って待ち続け、
食前酒も料理もオーダーできず、
厨房で料理ができていたとしてもテーブルには持ってこられず、
ワイングラスも空のままとなります。
ホール内には一応、給与を受け取っていると推定される
シェフの母親がいるのですが、
着席後のメニュを持ってくるだけで料理の説明はおろか、
オーダーも受け付けず引っ込んでしまいます。
ケチらずにせめてもう一人フロアスタッフを雇うか、
機能していない母親に給与を払わないで、
替わりにスタッフを一人でも雇えば、
客のかなりのストレスが解消されるのですが、
オープン以来、まったく機能していない
素人同然の母親は健在です。
ワインリストも、新しい店にしては充実しているのですが、
いくつかのレアワインにわざと価格が書いてありません。
スタッフに聞いても、シェフの専権事項というだけで、
シェフに取り次いで価格を開示する事をしません。
売る気がないなら。見栄を張らずに
リストから除外すればいいのです。
価格を開示しないなら、リスト外のワインとして
常連にだけ飲ませるか、飲ませたくないなら
自分でこっそり飲めば良い。
見え張りな、嫌なシェフの性格の一面を垣間見る
リストとなっています。
そして、料理をタイミングよく造れないならば、
見栄を張らずにもっと店の規模を小さくするとか、
身内以外のスタッフに経費をかけたくないならば、
カウンターイタリアンにして、
自分で造ってサービスすればいいことなのです。
唯一のフロアスタッフもシェフの兄弟ということで、
どうやらこの店は他人に給与を払うくらいなら、
客に我慢を強要した方が良い、という方針を貫いているようです。
この劣悪なサービス体制で、
しっかりサービス料を10%請求してきますから、
このオーナーシェフの性格や経営方針には驚かされます。