第139回 料理評論家、フードジャーナリストの習性・実態 その15下手にマスコミに取り上げられない方がいい・・・
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- 2003年10月17日(金)
あくまで伝聞ですし、
発言者に私が直接確認するわけにはいかないのですが、
ある店では
「最近は下手にマスコミ、
特に山本益博氏や犬養裕美子氏に
褒めて取り上げられないほうが良いかもしれない。
中途半端な宣伝効果だと、
その後、友里征耶に狙い撃ちされて叩かれるから」
という話をしていたそうです。
書評などで「意識的に狙い打ちしている感がある」と
書かれていましたし、
私自身も再三、
山本氏や犬養氏の取材方法に疑問を投げかけていますから、
そう考えられたのでしょう。
確かに拙著を書いた動機には、
彼らの評価と自分の感じたギャップの大きさがありました。
実名での取材方法の問題点も指摘しました。
そういった意味では、無名の一外食好きが出す本は、
彼らが褒めてはいるが、
受けた印象とギャップの大きい店を
多く取り上げる事は必要だったのです。
しかし、相変わらずのグルメ本、紹介本ブームは続いています。
次から次へと彼らは毎週店を紹介しまくるのは
それが本業だからでしょうが、
私友里はあくまで趣味で食べ歩いているので、
資金、時間の制約でとても追いつく事は出来ないのです。
また、逆に、紹介されたばかりの店は
友里を警戒しているかと思ってしまうので、
私は敢えて避けております。
そして誤解してもらいたくないのですが、
彼らが褒めたら必ず叩く、ということはしていません。
山本氏が不自然にまで売り出した
「さわ田」は、そのネタのよさを私も認めています。
「主人が儲けに走らないうちに食べに行った方が良い」
と述べたら、反発してよりネタのレベルを上げた、といった
笑える噂も聞きました。
あくまで自分の印象ですが、
是々非々、うまいものはうまい、駄目なものは駄目、
CPが悪いものは悪い、と感じたことを述べているだけです。
友里は「特別料理」が食べられないので、
ひがんで反発しているだけ、と言われていると
知人から聞いた事もあります。
まだまだ誤解されているようですが、
「特別料理」を食べてその店の評価をするのはおかしい、
と言っているだけなのです。
一般客には「特別料理」が出ませんからね。
私も馴染みや知り合いの店があり、
「特別料理」の良さ、おいしさはよくわかっているつもりです。
ただ、その「特別料理」を対象に論評しても、
読者の方々、一般客の皆さんに
間違ったデータをインプットしてしまうので、
食べたと明言していないだけです。
それを自慢しても皆さんには意味がありませんし。
とにかく、
意図的にマスコミが取り上げた店を叩くといったことは
考えておりませんし、やってもおりません。
ただ、マスコミにコメントした料理人の発言内容と、
実際の経営姿勢がまったく異なる場合や、
一般客を一番に考えない儲けに走りすぎる店などは、
マスコミとのギャップが大きいですから、
今後も取材して行きたいと思っております。