第126回 ワインの諸々 その5再びワインの値付けに関して

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  • 2003年9月21日(日)
店にワインで儲けるな、というわけではありません。
でも、客側として、ワインの値付け、
つまり仕入れに対する掛け率はどうなっているかを考えるのは
必要なことと思います。

売値が1万円以下ならば
利益率はシャンパーニュを除いて2倍くらいでしょうか。
つまり5千円のワインでは粗利は2500円、
1万円ならば粗利は5千円になります。
実際は在庫による金利、保管料、グラスの在庫や損料など
経費を考えなければならないので、そう単純ではありませんが。
そして、半面、仕入れが高い高級ワインは、
掛け率を下げないと客は手を出しにくくなります。
2万5千円の仕入れのワインを2倍の5万円で売ったら、
料理代よりはるかに高い粗利がでます。
しかし、みすみす2万5千円も上乗せされたワインを
承知で頼む人はそうはいないでしょう。

しかし、ダイニング系や和食、鮨屋のワインは
この一発儲けを狙って
高級ワインの掛け率を落とさない、
もしくは逆に上げるような価格設定をしているのをみかけます。
一般客とは違った金銭感覚の客層や、
単なる客の勉強不足といった面もありますが、
一部を除いてたいていのフレンチ、イタリアンでは、
高額ワインほど掛け率を落とすのが常識です。
それでも、粗利は低額ワインより多くなるはずです。
グランメゾンで、古酒を頼もうとしたら、
自分の購入値より安かった、という話はこういう理由だからです。

要はブランド品と同じ。
需要と供給の原則の通り、
手に入りにくいレアなワインは
高く設定しても飲む人がいるのですが、
それを承知でリーズナブルな価格にしている店は、
客寄せ効果も考えているでしょうが
はっきり評価してあげることが必要です。
逆に、たいして珍しくない若いワインを、
客の無知につけこんで高く売っているような店は、
客側が勉強して避ける努力をすることが必要です。