第112回 ワインの諸々 その3ワイン本の売れ行きは

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  • 2003年9月7日(日)
このコラムを担当させていただくようになってから、
料理、料理店関係の本を見に行く、
買いに行く機会が多くなりました。ネタ探しも兼ねていますが。
そしてついでに、ワイン関係の棚もチェックしています。
驚いたのですが、
今、ワインブームが落ち着いてしまったというのに、
相変わらずワイン本というものが
バンバン出版され続けているのです。

5~6年前の第三次ワインブームの時は、
ワイン本が溢れていました。
有名ソムリエが色々タイトル名を変えて、
本を出していたのも記憶にあります。
ついでと言ってはなんですが、それほど有名でないソムリエ、
ワインスクールの校長、ワインショップの店主まで
ワインの説明本や料理との相性をテーマにした本を
出してきました。
勿論、世界のワインカタログ、ワイン評論家の評価本、
ワイン研究家の解説書といった専門的な本も含めてです。

次から次に出てきましたが、
そんなに回転しているようには見えません。
どれも、内容に大きな差があるわけではないからか、
売れているように見えません。
ある出版社に聞いたのですが、
やはり「ワイン本」というのは全体でみても
売れていないとのことでした。
ブームで、日本中がワインラヴァーになったような
錯覚を受けましたが、実際のワイン人口はまだまだ少ないので、
購入層が限られるそうです。
まだまだ本当に普及しているお酒ではないようです。
昔の記憶なので自信はありませんが、
フランスと日本の
1年当たりのワインの消費量を聞いた事があります。
一人当たりに直すと、確かフランスは300本以上、
つまり子供や幼児も含めて一日1本。
反面日本は、一人当たり年間2本弱だったと記憶しています。
ブームでたとえ倍、3倍になっても
フランスのまだ足元にも及びません。
まだまだ、ワインはごく一部の人達の飲み物に
とどまっているようですが、
マスコミなどの取り上げが派手だったので、
市場が広がったと錯覚してしまったようです。