第969回 ヒロ、勘違いの成れの果て

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  • 2006年5月1日(月)
朝のワイドショーを見ていて驚きました。
ヒロ、山田宏巳シェフが大麻所持で逮捕されたとの速報。
一般紙でも夕刊に取り上げられていました。
脱税などで摘発され報道された有名料理人はいましたが、
大麻所持で捕まった料理人が報道された事件は記憶にありません。
芸能人などではよく聞くこの手の事件、
背景はやはりマスコミが必要以上にヒロをスター化し、
持ち上げすぎたことも大きく影響しているのではないでしょうか。
普通に一所懸命食材を仕入れ、調理し、店を経営していたら、
「大麻」に出会うことはまず無いはず。
つまり、
料理店経営以外にうつつを抜かしていたと言うことでしょうか。
付き合っていた人が悪かったのか。
イタリアへ逆輸出したほど一般的になった
「冷製トマトのカッペリーニ」を考案するなど
ある種才能があった料理人だっただけに、
勘違いして道を踏み外したことはまことに残念であります。
有名になりますと環境が一変します。
タニマチ、取り巻きがチヤホヤすることによる
慢心もあったかもしれません。
50歳を過ぎてなぜこのような愚行にはしってしまったのか、
やはり取り巻く環境がいけなかったとしか考えられません。

今回の事件は、
関係者たちにも多大の迷惑をかける結果となりました。
まずは6店あるというヒロチェーンの従業員。
ヒロ本人の一枚看板だっただけに、
そしてこの手の事件に敏感な女性に人気があっただけに、
今後は予断を許さないでしょう。
スポンサーにも多大の迷惑をかけることになります。
姻戚関係にある「ベットラ」の落合氏。
三越のフェアなど仲良くコラボをしていました。
また、ヒロ出身を一つのウリにして独立した若手のシェフ。
敢えてここでは店名を書きませんが、
今までの追い風が逆に足かせになるかもしれません。
また、ここでも敢えて名を書きませんが、
ヒロとの仲を自慢していたライターがかなり居たはずです。
持ち上げていたライターも多い。
人を見る目がなかったといえばそれまでですが、
何でもかんでも持ち上げて
自分たちの仕事に利用してしまおうとするマスコミの問題を
今一度考え直すことが必要ではないでしょうか。

大麻にはしった料理人は彼一人と信じたい。
ほとんどの料理人は、
仕入れ、調理、店経営に一所懸命だと思います。
しかし、マスコミなどからの持ち上げ、ヨイショ、過大評価といった
甘い罠に脇が甘くなるのは人間の本性。
人間は弱いものです。
他山の石として、勘違いしないよう、
自分を見失わないよう気をつけてもらいたいものです。
私も含めて。

世間というものは、水に落ちたら手のひら返して徹底的に叩くもの。
ヒロは2回目の試練を乗り越えられるのかどうか、
ヒロチェーンも含めて見守っていきたいと思います。