第884回 ワインの諸々 89高すぎるぞ、ニューオータニ

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  • 2006年2月5日(日)
先日予約してニューオータニのイヴェントに参加してきました。
例年やっているイタリア星付レストランのフェアであります。
その時期、本店を閉めて
シェフ以下重要スタッフを引き連れての期間限定の食事会。
人気が高いのか、常連客が主体でありました。
今回は3つ星女性シェフのフェアでして、
決められたコース料理に私は何も驚かず、感動もしない、
どちらかというと拍子抜けに終わったのですが、
今回のお題はニューオータニのワインの値付けの問題です。

メインダイニングである
「トゥール ダルジャン」のワインが偏っていて高いという事は
拙著で既に書きました。
しかしタワーのこのイタリアンのワインも負けてはいません。
ざーっと見て高い値付けと若いワインばかりなのを確認。
同伴者の要望で、
シャルドネ系で料理にあわせてピエモンテ州のものを探しました。
この州ではガヤという造り手が有名です。
いち早くアメリカ市場に目をつけて、急成長したやり手経営者
(造り手とはもう言えません)でして、
ワイン界のアラン・デュカスといったポジションでしょうか。
その白のフラッグシップの白ワインが、「ガヤ&レイ」。
彼の娘さんと母親の名をつけたと聞いた事があるワインであります。
私がこのワインを知った頃は、
小売で1万円しなかったと記憶していますが、
最近では安く買っても1万円台半ばくらいでしょうか。
これが4万円近くでしたから当然手が出ません。
私が驚いたのは、格落ちの「ロッシ バス」です。
このワインは今でも7~8千円で購入できるはずでして、
この価格が1万4千円くらいだったでしょうか。
うーん、小売の倍だけど仕方ないか、
と思わずソムリエに頼みかけたのですが、
リストを見直して慌ててストップをかけたのです。
リストにある価格は、なんとハーフボトルだったのです。
グループでの訪問ですから
白ワインといえどもハーフで足りるはずがありません。
フルなら1本で3万円かかる計算で、
あまりの値付けの高さに私は腰を抜かしそうになったのです。
フラッグシップの「ガヤ&レイ」ならば、
名前は知られていますから、
金持ちや経費族を引っ掛ける事ができるかもしれません。
しかし、格落ちのこのワインが、
仕入の3倍以上の設定なのですから、
ニューオータニもよい常連客を掴んでいると言えるでしょう。
いくらホテルの店だといっても、世間相場があるはずです。
それとも、ホテルのレストランへ行く客は、
皆さん、浮世離れされた方なのでしょうか。

街場の店に限らず、グランメゾン、ホテルレストラン共に、
ワインの値付けはそこそこにしてもらいたいものです。
あくまで料理屋なのですから、
主役以外でぼろ儲けは辞めていただきたいと私は考えます。