第805回 J.C.オカザワ氏の新書を他山の石として 2名指し批判、芸能人批判、経営会社明記

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  • 2005年11月4日(金)
内容は過激なのですがなぜか話題になっていないようで、
アマゾンでは発売直後と言うのに、
この原稿を書いている時点で3万位台。
大きな本屋では平積みになっているのもみかけたのですが、
発売1ヶ月でカスタマーレビューが一つもないところを見ると、
世間にこの本の存在が認知されていないのでしょう。

私は読み始めてすぐ、
「ほー、やっと同じような文調、
指摘スタイルに転換した人がでてきたなー」
と嬉しく思いました。
普通は、マスヒロさんをはじめ
あの「さとなお」さんもそうですが、デビュー当初は辛口でも、
この業界での生き残りを考えるからか
いつの間にか「牙」をおさめ、
業界との協調スタイルに転向するものですが、
J.C.オカザワ氏は逆に緩い批判スタイルから、
超辛口へと「牙」を拾い上げられたようです。

この本が他の素人・玄人グルメ評価本ともっとも違うところは、
「名指し批判、特定人物批判」、
「芸能人味音痴批判」、
そして
「多店舗展開の経営親会社」
を明かしているところでしょう。
インパクトを強く与える為か、
「行ってはいけない有名店」を最初に持ってきた構成。
一番辛口になるところですから、読みどころの部分でして、
巻頭から立て続けに連発しております。

具体的名指しの批判先は、「さとなお」さんですが、
「纏鮨」のひどさを訴えるため
対比して「兼定」を持ち出していますが、
その「兼定」を10点満点で6点に酷評した「さとなお」氏に対して、
氏の目は節穴か、と批判しています。
私も「さとなお」さんの評価には
かなり?に思うところがあり納得するのですが、
今まで同業者に対して名指しで批判する著者がいたでしょうか。
セミプロ化していますが、
本業は電通勤務(最近はついに本名を開示してきました)の
「さとなお」さんにまでコブシをふりあげたのは、
今までは友里くらいだと思います。
その他、「ル マンジュ トゥー」などで、
前々から癖があると有名なシェフや女性スタッフを特定して
その奢りぶりを披露しています。
事の発端は店内での写真撮影で、
オカザワ氏にも問題があると思いますが、
彼らの勘違い、奢りぶりは他の面でも垣間見れるのものなので、
参考になるでしょう。
ここまで書くか、といった文調は、
田中康夫氏の域に達しているかも。
(私もそうだと言われてしまいそうですが)

芸能人は味覚的に恵まれていない、いいものがわからない。
アイドルやタレントは何を食べてもおいしいと感じる、
との断定も頷かざるを得ない。
できれば、放送作家など業界人も加えて欲しかった。
TV番組出演で売名し、ギャラを稼いでいる
山本益博氏や犬養裕美子さんには、絶対に出来ない芸当です。
自分は舌が肥えていると錯覚している業界を
敵にまわしてしまっては、以後、お声がかからなくなるからです。
オカザワ氏は友里と同じく、
TV・ラジオ出演を放棄したと推測します。

そして、巨牛荘石原本店
(こんな店を「有名店」として挙げるのは理解できませんけど)の
項では、経営元がWDIだと明記しております。
多店舗展開会社を直接批判はしていませんが、
経営元を明らかにする姿勢は他の著者には見られなかったことです。
できれば、もっと色々と深く踏み込んでいただきたかった。

本日は「他山の石として」ではなく
単なるご紹介になってしまいましたが、
なぜ友里がここまで力を入れるのか。
少しでも認知されてほしいと思うからでして、
ここまで書いても大丈夫なのか、
ではもっと踏み込んだ本をかいてやろう、といった人が
より多く後に続いていただければ、
業界に緊張感をいくらかでも与える事ができると考えるからです。
ユウキ氏がいっていたように、
仮面をはがす、似非ヒーローに思われがちですが、
そんな人が一人でも多く出現してもらいたいと思います。
J.C.オカザワさん。
マスヒロさんにはかなり遠慮しているように見えますが、
今後もブレないでこのスタンスを維持してくださいね。