第795回 マスヒロさんに足向けて寝られない、キャンドル1

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  • 2005年10月25日(火)
ここまで繁盛するとはご当人も思っていなかったのではないか。
数年前は不振で閉店まで考えたという
銀座の有賀写真館の地下にある洋食屋「キャンドル」。
2年ほど前からの、
山本益博氏の異常な肩入れ宣伝が功を奏したのか、
この夏には、自由が丘に支店まで出してしまったと聞きました。

ウリはチキンバスケット(ランチは1050円)です。
メニューには恥ずかしげもなく
「元祖!世の中で一番おいしいといわれた」
と注釈されていますが、
誰がこんな的外れなことを言ったのでしょうか。
癖のありそうなマダムが勝手に自分で言ったのか、
マスヒロさんが言ったのか。
そんなにおいしいならば、マスヒロさんが宣伝する前、
閉店を考えるほど閑古鳥になるはずがないのではないか。
少なくとも私は、肉自体に旨みのない鶏を、
過激に柔らかくしただけのから揚げにしか思えません。
地鶏など質の良い食材で楽しめる食感と旨みが
まったく備わっていないのです。

夜は前菜のほか、
ピザ、スパゲッティ、
そして和牛ヒレ(8400円)、サーロイン(4750円)
(各200グラム)、
ビーフシチュー(2625円)なども用意しています。
以前はカラオケを置いていたという店内、改装したようですが、
パイプスタンドのテーブル、
多くの客を入れるためテーブルを詰め込んでしまったからか
隣客との間に遮蔽版をたてて何とか隔離していますが、
かえって圧迫感を客に与えてしまうチープ感、
そしてテーブル上には
パルメザンチーズ、タバスコ、辛子が常備され、
頼んだサラダにはサウザンドレッシングが最初からかかっているなど
まったく拘りを感じさせてくれない、
ただの「洋食屋」でしかありません。

ワインの値付けもおかしい。
90年のグリュオラローズが5万円を超え、
ヴィンテージは書いてありませんでしたが
シャトーマルゴーのセカンドが31500円。
浅草の「鷹匠 寿」の若主人が
6千円で仕入れて9千円で出していると言っていたワインです。
仕入れの何倍掛けているのでしょうか、
ワインに弱いマスヒロさんのプロデュース力の限界です。

<明日に続く>