第63回 ワインの購入方法に関して その3小規模経営のワインショップ
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- 2003年7月20日(日)
量販店、無店舗販売が盛んです。
でも、第3次ワインブームが終わる5年前までは、
この「小規模経営」のワインショップが主流でした。
たいてい名物店主というのでしょうか、
ちょっととっつきにくい主人がいまして、
ワインコレクターはなんとか彼らに取り入って
レアなワインを売ってもらおうと努力していたのです。
都内だけではありません。
口コミもありますが、神奈川、千葉などにも
このような店が点在していました。
有名造り手のワイン、優良年のワインなど
なかなか手に入りにくいものを
彼ら店主は自分の趣味もあり集めていて、
それを気に入った客に少しずつ譲っていったのです。
ついでに普通のワインも売りつけながら。
つまり拡販のため、レアワインを目玉に客集めをしていたのです。
集客の方法はレアワインだけではありません。
会員制にして、毎月ワインの勉強会やワイン会を催して
客を啓蒙することも一般的でした。
ワインブームが到来し、ピークを過ぎるまでは
これらレアなワインは結構日本にありました。
フランスなど本国では
このような高額ワインは滅多に飲まれませんから、
バブル後とはいえ余裕のある人が多かった
日本に集まったのでしょう。
ところが、ブームで「ブルータス」などの雑誌が
レアワインを煽りまくり、
また、アメリカがバブルになって高く買い捲ったりしたので、
レアワインは買い尽くされてほとんど見かけなくなったのです。
小規模経営店の目玉だったレアワインは、
もうほとんど見かけることがなくなりました。
どの店も販売できるほどの数を持っていないでしょう。
カリスマ造り手のワインでも、若いヴィンテージしかなくなると、
流通経路の有利な量販店、
もしくは経費のかからない無店舗販売店より安く提供できない
この小規模店は販売不振になってきています。
不景気がいつまで続くかわからない今、
ワイン会への参加者も激減していると聞いています。
レアなワインが出なくなって
魅力がなくなってきているのも事実です。
この手の店の上客は医者と弁護士と相場が決まっています。
まだまだ資金力を発揮できる職種の方々ですが、
それでも以前よりは厳しいでしょう。
救世主になるはずだったネットバブルの人も見当たりません。
街場の小規模経営のワインショップは、その魅力を失い、
上客が減って存続が苦しくなってきているのが現状です。