第628回 食べたことのある方にお聞きしたい、カサローエモ

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  • 2005年4月29日(金)
この店の存在を昨年知りました。
結構例の「業界人」の間では有名なようですが、
彼らの動向にあまり興味のない友里には
情報が入ってこなかったのでしょう。
揚げ手が変わった後を確認したくて
「みかわ 六本木店」で食べていたのですが、
隣のグループのうるさいこと。
確か一人はお笑いタレントのようで、
そのヨイショ係のような取り巻き男性にケバケバの若い女性。
お笑いタレントは、取り巻きのバックアップよろしく
その女性をなんと天麩羅を食べながらクドイていたのです。
ただでさえ傑出していない、みかわの普通の「天麩羅」を、
この雰囲気が余計に足を引っ張ります。
傍若無人というか、他の客に気を回さないのがお約束の、
この手の方たち、嫌が上でもその発言が耳に入ってしまいます。
最初は有名人を知っているといった、人脈自慢から始まり、
いかに自分がグルメかを訴えたかったのでしょうか、
料理店自慢に移行してきました。
そんななかで、
この友里の耳に引っかかったいくつかのキーワードがありました。
「日本一うまいステーキ」、「『あら皮』よりうまい」、
「五反田」、「一人6万円」です。
全身を耳にするがごとく集中した時には
既に他の話題になっていまして、
これ以上の情報がはいらなかったのですが、
「あら皮」より高くて旨いステーキがあるのかと興味をもち、
早速ネットで検索してみました。

店は直ぐわかりました。
五反田の「ヌキテパ」近くの「カサローエモ」。
大田原牛という幻の牛を都内で唯一出す店だそうで、
確かに最高のステーキは6万円です。
とりあえず大田原牛100%のハンバーグが3000円ほどで、
ランチで食べられるというので知人と駆けつけました。

ビニールクロスに紙ナプキンの店。
どうみても海外産ステーキ屋の雰囲気です。
TVにかなり露出して
芸能人もうまいとコメントしているようですが、
数組の客は合びきのハンバーグを食べていました。

出てきた幻の肉100%ハンバーグは、
融点が19度と低いということでしょうか、
皿にはかなりの脂が溶けて広がっています。
生野菜も一緒に盛り付けてあり、皿は温めておらず
よってハンバーグ自体も温度は低め。低融点の関係でしょうか。
玉葱をつなぎにつかったそれは、
思ったほど塩胡椒が利いていませんでしたが、
まったく傑出したものを感じません。
もっと安くてもおいしいハンバーグがあるのではないかと。
また、ご飯を少し残して、
大根オロシと一緒にその溶けた脂に混ぜて食べるように
マダムから勧められます。
なんともいえない食べ方で、話のタネにはいいでしょうが、
リピートする気にはなれません。

果たしてハンバーグがこの程度で、
大枚の6万円を支払う夜のステーキは、
本当に感動するほどおいしいものなのか、
「あら皮」の上を行くものなのか、
肉は質だけではなく焼き方にも左右されます。
このミーハーで向こう見ずの友里が、
未だにこのステーキに挑戦していないのは、
なかなか物好きな同伴者が見つからないのもありますが、
本当においしいものなのかどうか、
いわゆる業界人以外の食後感を聞いていないので
疑問が大きいのが主因です。

このコラムを読まれた方の中で、
「カサローエモ」の
高額ステーキを食べられた方がいらっしゃいましたら、
ぜひご感想をお聞かせいただきたいと思います。
行く価値のある店でしたら、すぐに貯金を始めます。