第593回 3年目を迎える六本木ヒルズ
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- 2005年3月25日(金)
ショッピングモールの
テナント勧誘や準備に躍起になっているなかで、
六本木ヒルズがこの4月で3年目を迎えようとしています。
各テナントは2年もよく持ちこたえたなと言ってしまうと
また文句がくるかもしれませんが、
ああいう特殊な立地条件でよく頑張っているなー、
とある意味私は感心しております。
読者の方からのメールで、
森ビル担当者自身も六本木ヒルズは成功したとはいえないと
認めていると聞きました。
オープン当初はどの飲食店も客が長蛇の列を造っていましたが、
今はショウロンポウの店にしか行列は見えません。
その店でさえ、親会社のソーホーズが民事再生法を申請して
事実上の倒産、現在どう再生したか知りませんが
関係者にはかなりの衝撃と損害を与えたはずです。
永年このような再開発ビルが栄え続ける訳がないのは、
閑散としたアークヒルズや
恵比寿のガーデンプレイスを見れば誰でもわかることだと思います。
オープン5年以内で元をとる、
といった営業姿勢だったと思いますが、
そこまで賞味期限がもつとは今の状況からみて考えられないのです。
あの昼夜の行列はなんだったのでしょうか、
「ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション」。
今は誰でもいつでも入れるようです。
オープンして行列が続いてから、幼児の入店を禁止したようですが、
最近は解除したようです。
ベビーカーごと入ってくる場面に遭遇しました。
「厲家菜」もほとんど毎日昼営業をするようになったようで、
人数制限もかなり緩和され、
昼は8千円、夜も1万8千円からと大幅ダンピングになりました。
私はこれでもあの料理では高すぎると思うのですが、
今でもいい評判は聞きません。
3店撤退させてしまった「青柳」グループの跡地ですが、
ウエストウォークの5階のバサラの跡は、
「居酒屋 六蔵」という店が入っていましたが、
「旬菜 小山」や「日本料理 小山」の後には
はいる店がまだないようです。
昼夜数組しか入っていない「パ マル」しかり、「竹やぶ」しかり、
大箱な「ウルフ ガング」も集客には苦労していると思われます。
売れ行きが落ちてきているのに
今年もマンションの過大供給は続くようですし、
再開発ビルもまだまだ後が控えています。
この不動産業界というのは
バブルなど過去の教訓が生かされているのか、
ただのイケイケだけではないかと私はいつも思っております。
ダイエーやそごう、コクドが
次々物件を造りつづけて行き詰った問題が
まったく反映されていません。
しかしこれから店を出そうと考えている料理人の方、
経営者の方には、甘い勧誘話に乗る前に
昨今の再開発ビルの真の現状をよく調査されてから
決断されることを望みます。
10年持った再開発ビルなんてないのではないでしょうか。
再開発業者は簡単にテナントを切り捨てるでしょう。
一度入れてしまったら、あとは客が入ろうが、
入らないだろうが、再開発地が不人気になろうが
責任はないということです。
我々一般客も、ビル側の利益のために
わざわざCPの悪くなる料理を食べたいと思う
奇特な人はいないでしょう。
もういい加減に、出店側である店や料理人、そして客側が、
森ビルはじめ再開発業者に
正面から「ノー」という時期になってきたと考えます。