第587回 勝手にレトワール改善提案

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  • 2005年3月19日(土)
昨年末でしたか、
「あの店は今」シリーズで
恵比寿の「ル レストラン ドゥ レトワール」を取り上げた時は、
読者の方々からかなり反響がありました。
年明けになりましたが、私のコラムに釣られて久々に、
もしくは初めて「レトワール」を訪れてのご感想を
かなりいただいたのです。
いただいたメールの内容はほとんど同じ。その骨子は、

1、友里が煽っていた「安い値付けワイン」は全部予約されていて
  ロクなものが飲めなかった。
2、ホールにでているオーナーシェフの三鴨氏のサービスというか
  言動に大きな問題があり、気分を害する
3、でも「野兎のロワイヤル」をはじめ料理はおいしかった。

あの超お飲み得なワインリストは
やはり「見せリスト」だったようです。
我々の時は運良く頼めましたが、
ほとんどが数本、もしくは1本しか用意していないのでしょう。
予約済みと断られたようですが、
その程度のストックならリストに載せない方が
客には親切というものでしょう。
宣伝に一役買ってしまった自分の未熟さを反省しております。

「ロワイヤルは200食以上造っている
(シーズンでの意味でしょう)」、
「週末はいつも満席だよ」、
「ジビエを頼んだら、
ワインをボトルで頼んでもらうのは当たり前だから」、
「ロワイヤルにあうワインを失敗しないで選んで」、
「満席のほとんどの客がロワイヤル注文する」
という三鴨氏の発言は、
私も『ガラガラの店内』で聞きましたが、
毎日客に同じことを、
高圧的に客を見下した口調で言っているとは知りませんでした。

私たちがDRCを頼んだ時には
「ロワイヤルにDRCはよく合う」と言っていたのですが、
ある読者の方が頼もうとしたら当然予約済みで駄目、
しかも追い討ちで
「DRCはロワイヤルに合わない、
ワインが飲みたいならワインバーへ行ってくれ」
とまさに言いたい放題。
かなり気分を害されたそうです。
日本でかなり有名な大きな会社の創業家の方でいらっしゃるのが
あとでわかったのですが、
軽率な三鴨氏の言動で重要な客を失ったようです。

でも誰もが認めるのが料理に限定した満足度。
普通のサービス以上の店だったら、
もっとおいしく感じるのではないでしょうか。
まったくもったいない話です。
私は以前から三鴨氏は雇われシェフとして経営など考えず、
厨房に専念したほうが良いといっていましたが、
あくまでオーナーに拘っているようです。
友里に反感は抱いているようですが、
ある面、為になる提案をしていたと思うのですが、
私怨としか受け取らないのが残念です。
あれほどの腕を持っているのですから。

そこで、読者の方もおっしゃっていましたが、
勝手に「レトワール」の改善提案をさせていただきます。
誰かが猫に鈴をつける、裸の王様に本当の事を伝える、
ということが必要です。マダムなり常連客に期待したいのです。

1、スニーカーを履いた三鴨氏はホールから撤退する。
  無理に笑顔をつくって客前にでていますが、
  もう人付き合いとか性格を
  劇的に修正できる歳ではないと思います。
  言動も変わらないでしょう。
  かなりの割合の客が(ほとんどだと思うのですが)
  気持ちよく食べられないのですから仕方ありません。

2、サービスのプロをホールに出す
  オーナー職に拘っているようですが、
  経費的にサービスのプロを雇うことには抵抗があるでしょう。
  よって資本注入してもらって共同経営にするなりして、
  サービスを向上というか普通化させる。
  彼の料理を評価する人は多いはずですから、
  資本提供など奇特な方はいらっしゃるはずです。

3、本当の意味でワインを充実させる
  その場限りの客寄せ、話題造りのための値付けではなく、
  長く提供できる前提で、安い値付けで
  ワイン通にも受け入れられるワインを提供するのです。
  料理はどちらかというとマニアック、
  初心者向けではありません。
  ワイン好きのグルメにはもってこいなのですが。

本人は立地が悪いと思っているようですが、
私は関係ないと考えます。
あの場所でも彼の料理を普通のサービスで適切な価格で提供したら
充分客はくるでしょう。
本当に彼の造る料理が好きで、
おいしいと思っている人がいるならば、
マダムや親しい常連、もしくは料理人である先輩たちを説得して
彼に助言、料理以外の彼の性格や言動に対する
世間の評価をはっきり通達することが絶対必要だと思います。
そうして改善できれば、流行ると思うんですけど。
いや重要なのは、
「笑顔で店を後にする客」が増えるということです。
一番大事なことだと私は考えるのですが。

友里は執拗に「レトワール」に拘る、私怨があると言われますが、
料理自体は普通の客や行ったことのない人より
はるかに理解している、認めていると自負しております。
ある意味、三鴨氏の料理のファンでもあります。
今のままでは本当にもったいないんです。