第448回 意外に安かった、次郎 よこはま店
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- 2004年10月18日(月)
ネットや噂で聞かれる暖簾分け店。
二郎さんより技量もあるという話も聞いた事があります。
師匠に似て気難しいのでしょうか、
電話をかけた際、女将さんはご主人の承諾をいちいちとってから、
予約を受け付けておりました。
怖いイメージが先入観として叩き込まれます。
関内駅からは結構距離があります。
小さなカウンター席が6席、
そしてカウンターを延長したような、
相対して座れる6人掛けはグループ専用でしょうか。
貧弱でおまけにしか見えない、
2人用のテーブルは使用していないでしょう。
白木ではなく、朱のカウンターはいかがなものか。
角の塗りがかなりはげていて、見た目がよくありません。
当然価格レベルを確認できるわけではなく、
ツマミを入れたお任せスタイルでスタート。
本店と同じく、ツマミのタネは握りと重なりますから、
ビールやお酒をそこそこ飲み終えたら、
握りに切り替えた方がいいでしょう。
私は二郎さんの握りに当たった事がありませんが、
この水谷氏の握りは全体に小ぶりですが、
二郎さんの長男さんより柔らかいもの。
ふっくらした感じといえるかもしれません。
タネはいずれも平均以上、
されどすべて最高物とはいえませんが、それは本店も同じ。
白身は〆ておらず、私には江戸前と考えると物足りません。
海老は同じく大振りなものでしたが、
本店ほど旨みを感じなかったのは残念。
しかし、コハダの〆具合、煮穴子、干瓢と
この暖簾分け店のほうが私は満足を覚えました。
鮪はもはやあるレベル以上の鮨屋では
遜色つけられなくなっているのではないでしょうか。
高額鮨屋はシンジケートを組むがごとく、
藤田水産という同じ卸から仕入れているのが流行です。
仕入れる日によって、個体差、部位が異なるでしょうが、
平均すればレベルはみな同じと考えます。
お酒も加茂鶴一本やり。
本店のスタイルはすべてにきっちり継承されています。
本店ほど早く出て行けというプレッシャーは感じないまでも、
あのスピードで握り続けられたら、
1時間以上居座る財力、胃袋、度胸を持ち合わせた人は
少ないと考えます。
矢継ぎ早に握りを口に運んで入店してから1時間。
驚きはお会計でした。
連れがほとんどお酒を飲まない人でしたが、
その分を私がカバーして、しかし二人で4万円を切りました。
2貫ほど追加しての値段ですから、
ヘタしたら、本店の半値近い安めの値段。
いくら地代が違うからといって、
その差は一人数千円で収まるはず。
タネや握りを食べ比べて、両店に明確な差を感じないので、
本店の値付けにおおいに疑問が残りました。
<結論>
総合力では六本木「兼定」に及ばないと考えますが、
同じく2万円前後で終了するレベルの高い高額鮨屋。
本店に行くくらいならば、都内からタクシーで往復しても
二人以上なら安く上がる計算になります。