第418回 2店とも本格派とは言いがたい、「かねいし」
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- 2004年9月18日(土)
鮨屋と鉄板・お好み焼き屋へ行く機会がありました。
鮨屋はいくつかの雑誌で取り上げられており、
長島ジャパン監督が緊急入院したとき、
デーブ大久保氏がこの店の鮨をいれた桶をもって駆けつけて
物議をかもした事件で話題になりました。
- 鮨かねいし 上大崎 -
マンションの2階に位置する12席のカウンター。
住宅街にあるせいか、家族連れの常連で賑わう、
この手の店ではお約束の
現役時代の金石氏のパネルを飾る隠れ家的な店であります。
お任せでお酒を飲んで一人1万数千円の価格設定のようです。
金石氏が通った鮨屋から引き抜いたといわれる、
雇われ親方と二番手がつけ場に立ち、
その他にもスタッフが数名います。
この店の一番のウリは、オーナーと言われる金石夫妻の挨拶です。
カジュアルな服装で、腰が低いとおもわせる
一人一人への丁寧な挨拶は悪い気がしません。
しかし、隣には事務所のほか、
カラオケができる部屋も用意していると聞くと、
そのコンセプトから「本格江戸前鮨」のイメージは遠ざかります。
実際、オーナー?夫妻が客への挨拶以外の現場仕事をせず、
雇い人にお任せですから、この設定価格帯では
タネや仕事に多くの期待をするのは酷というものです。
食材の質は中庸、
比較的入りやすい「鮨屋の・・・勘」レベル
といったところでしょうか。
握りに煮きりは塗られておらず、
雑誌では秀逸な江戸前鮨とありましたが、やや次元は異なります。
現役プロ野球選手も出入りするという環境は好みの分かれるところ。
オーナー夫婦の挨拶がなければ魅力が半減する店ですが、
「・・・勘」が近所にない家族連れ、
プロ野球ファンにはいいかもしれません。
- 鉄板焼・お好み焼き かねいし -
「鮨かねいし」で教えてもらった麻布十番近くの店。
残念ながら私たちの訪問時は、
オーナー夫妻の「ご挨拶」がなく魅力半減。
カウンターといくつかのテーブル席の店ですが、
ホテルの鉄板焼とは違い、ブランド牛ステーキではなく、
おつまみ系など気安い食材の鉄板焼に
最後は焼きそばか、広島風お好み焼きでしめるのが
この店のパターンです。
一品1千円前後の値付けで、
数多く頼んでしまうとかなりの総額になりますが、
油の質の問題からか、
出される炒め物がかなり脂くさく感じました。
それにもまして、容器に堂々と「A」文字を記した調味料を
大胆に掛け続ける料理人の姿。
隠れて混入させるより潔いとは思いますが、
その量が半端でないだけに、
この手の調味料を苦手にしている客ではなくても、
かなりの刺激を感じるものでした。
うーむ、甘めの味付けで私は苦手ですが、
この手の店としては
白金の「甚六」のほうが良いとの同伴者の意見に、
私は今回見られなかったオーナー夫婦の挨拶を見に再訪するか
思案中です。