第234回 あの店は今・・・ その6イタリア食堂 テラウチ

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  • 2004年3月5日(金)
前著ではイタリアンテイストの炭火焼屋と述べましたが、
いつの間にか店名から「リストランテ」が消え、
「イタリア料理」となっておりました。

再訪して感じたことは、相変わらず野菜の味わいの素晴らしさと、
ウリだったはずの各種炭火焼の量と質の低下です。
1600円前後と原価を考えると旨くて当たり前ともいえる生野菜。
炭火焼の付加価値をつけると2千円を超えてしまいます。
野菜料理では、イタリア料理といえるのは
「バーニャ カウダ」だけだと思いますが、
高い請求をするだけに質の高さは感じます。
でも付加価値の少ない野菜です。
もう少し安くはならないのでしょうか。

パスタもなんら変わっていません。凡庸のままです。
ショートパスタに
ブロッコリーやドライトマトを合わせたものがありましたが、
ミスマッチではないでしょうか。
ウニのスパゲッティも駄目でした。

そして肝心の炭火焼。
以前と種類や価格帯は変わりません。
しかし、もっとポーションが大きく、
塩だけではなく肉の味わいもあったはずだったのですが、
聞くところ豚は200グラムと並みの大きさ。
食材の質を意味する旨みを感じず、
その少なくなったものさえ食べきるのに苦労します。
食材が塩の量に負けているのです。
子羊も同様でした。

ワインリストは5~8000円を中心に、最高額は3万円程度まで。
以前と同じく種類が少ないのが
「リストランテ」の看板を下ろした理由の一つかもしれません。
白ワインには力を入れていないようで、種類は特に少ないですが、
料理の方向性からワイン選びは深く考えないで予算だけ、
価格の安いもので充分と考えます。

店名の変更はありましたが、パスタ類の進歩がなく、
炭火焼は量も質もかえって低下しているようです。
なぜに、特定のレストランジャーナリストは
いつまでもこの店を推奨し続けるのか、私は不思議でなりません。