第205回 ある週刊誌からの取材回答 その1現在の心境は?

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  • 2004年2月5日(木)
昨年いくつかの週刊誌から
料理店評価の執筆依頼や友里征耶への取材のための
質問がきました。
共通しているのは締切日までの時間が少ないということです。
多くて2日、ひどいのは1晩しかないのもありました。
特に回答しなくとも勝手に週刊誌側で特集を組む、といわれると
意地悪な質問にも回答せざるを得ません。
そして、徹夜で仕上げた回答の
大部分をカットされてしまうという現実に
何度も疑問に思ったものでした。
せっかく書いたものですので、
このコラムへシリーズで載せてみたいと思います。
昨年夏に載せたものとはまったく違ったものです。


・ご自分のレストラン批評が
 各方面で話題になっていることについて、
 現在のどのようなご心境か。

<回答>
取り上げた店は東京に限定していますので、
本は全国的規模では動いていないと聞いています。
東京近辺でも、大手書店だけを中心に
若干動いているだけのようでして、
「各方面」で話題になっているという実感はありません。
ただ、いくつかの雑誌、週刊誌などの
書評で取り上げていただいたので、
一部の方面では注目していただいていると思っております。
サイレントマジョリティーである「一般客」が
内心不満に思っているであろう、
または漠然とした形でも感じているであろう「問題点」、
(つまり「実名取材」や料理評論家・フードジャーナリストの
取材姿勢、料理人の勘違い)を取り上げた物が
世に出ていないので、出版が決まったとき、
少しは話題になってもらいたいとは思いました。
ヨイショ一辺倒、金太郎飴的なレストラン評論に
少しでも問題提起ができればと考えた次第です。

拙著やHPの読者からの出版社への数多くのメール、手紙は、
ほとんどが実名で、当たり前かもしれませんが
「まったくその通り」、「よく言ってくれた」、
「今後も圧力に屈せずに頑張ってくれ」といった励ましです。
しかも一般客の方だけではなく、飲食関係の方、
つまり同業者の方からも賛同のご意見をいただいているそうです。

貴誌でも
わざわざ拙著に対する特集を組んでいただくということで、
有難いと思っております。
私の考えが完全無欠で絶対だとは思っておりません。
しかし、お金を払って評価本を購入し、
自腹でお店へ食べに行く「一般読者・一般客」に
軸足を置いたレストラン評論の
必要性を論議していただく機会になれば本望です。
料理評論家、フードジャーナリストたちの、
「シェフとこんなに親しい、こんなにうまいものを食べた」
といった自慢話の本は、
一般読者・一般客にはまったく必要ではないと考えます。

よく「超辛口」、「悪口三昧」、「ここまで書いたら出入り禁止」
と派手な見出しをつけられますが、
貴誌をはじめマスコミの方々に私からお願いしたい事があります。
友里自身への質問や突っ込み、料理店や料理評論家、
フードジャーナリストの反発だけを取り上げるだけでは、
ニュートラルなスタンスではないと考えます。
実際、読者などから大きな賛同を得ているのは周知の事実です。
書評に取り上げていただいた方々も、
「まったくその通り」と言っていた店がいくつもありました。

店や料理人、評論家・フードジャーナリストたちも、
一般読者・一般客に大きく賛同の輪が広がってきたので
怒っていると推測します。
誰も相手にしない本でしたら、
出版社や友里に文句を言うほど彼らは暇ではないでしょう。
実名取材への特別待遇などの取材方法に、
読者が疑問を持っているのも事実でした。
勘違いした料理人に不満を抱いているのも
私だけではありませんでした。
このようなサイレントマジョリティーであった
一般客の不満、鬱憤の存在、その事実を、
評論家・フードジャーナリスト、料理人は
どう受け止めているのか。
一般読者に軸足を置かなかった取材姿勢を
どう考えているでしょうか。
拙著の細かい粗探しをする前に、批判を言う前に、
一般読者、一般客に対して
真摯にこれらに対して回答するよう店、料理人、
料理評論家・フードジャーナリストに
取材していただきたいと考えます。

今まで、品がないとか上辺の批判はありましたが、
私の投げかけた問題点に
まともに回答、切り替えしてきたジャーナリスト、評論家は
皆無です。
また、店や料理人、ジャーナリストだけでなく、
一般読者へも意見を聞かれる必要があると考えます。
アマゾンなどネット系書店には、一般読者の書評がでています。
色々な意見、それに対する賛否もでていますから
参考にされたらいかがでしょうか。