第18回 追加料金は潔くないぞ

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  • 2003年6月5日(木)
料理店への問題点提起です。
最近、フレンチはプリフィクススタイル
(前菜、メインが数種類のうちから選べるセットコース)、
イタリアンは2~3の決められたコース料理、
というのが主流のようです。
イタリアンにも「オチアイ」のように
プリフィクスタイプの店はありますが、
前菜、プリモ、セコンドと3つを
それぞれ数種用意しなければならないので
店としては手間がかかります。
今回は、このフレンチの主流である
プリフィクスに焦点を当ててみました。

雑誌や評価本にはプリフィクスということと、
その基本コース価格は書かれていますが、
あまり各料理に乗せられている追加料金について
論じているものがありません。
特別な食材、たとえばその時期にうまく入った
フレッシュトリュフ、珍しいジビエやフォアグラ、
キャビアなど、値が張るが、
どうしても客に食べてもらいたいといった料理を
一つか二つ出したいというならば、
特別追加料金として500円なり1000円を設定してもかまいません。
しかし、この追加料金設定が、
プリフィクスの半数近く、または半数以上に設定している、
もしくは、ちょっと魅力的、おいしそうに見える料理には
すべて設定していて、していない料理と差別化している、
といった営業方法を取る店が増えているのは問題です。
メインだけではなく、前菜にも設定しているのですから。
結果的には、謳っているコース料金より
1000円とか2000円余計にかかってしまうことを
客は問題視するべきです。
人気店の「キノシタ」にしても移転によって、
値上げしましたが、5000円コースが
プリフィクス式として知られています。
しかし、多くの料理に追加料金が仕組まれているので、
結果は6~7000円のコースと同じになってしまいます。

見せかけだけ安くして、
CPが良いような方針をとるのはいかがなものか。
客の目に魅力的に映る料理の多くに
追加料金を設定しなければならないなら、
それは基本の料金設定が間違っているのです。
基本コース料金を値上げて、
あらためて店は客の評価を受けなおすべきではないでしょうか。
つまり、結果的にコース価格が高くなるが
見かけのコース料金を安く見せる細工をするのは
潔くないと言いたい。
安いと思って入店し、いざ、メニュを見てしまうと、
客は誘惑にかられて追加を渋々頼んでしまうものです。
現状は、原則追加料金なしの店と、
ほとんどの料理に追加料金ありの店、と
タイプは両極端に分かれているようです。
ここにも、最終的には料理人の性格を垣間見ることができます。
客側の厳しい目が必要なのです。