第124回 料理評論家、フードジャーナリストの習性・実態 その13ジャーナリストからの新しい提案
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- 2003年9月19日(金)
私が問題提起しているフードジャーナリストの一人、
(本人はフードサービスアナリストと名乗っている)の
横川潤氏が、あっさり料理人に対する持ちあげを
認める発言をされていました。
「確かに日本のレストラン紹介は、
むやみに店やシェフを持ち上げすぎと思う。
雑誌や新聞がジャーナリストを丸抱えして取材費を与え、
中立な立場で自由に評論させている
ニューヨークのスタイルの如く、
日本でもマスコミが
プロの料理評論家を育てていく必要があるかもしれない」
というようなことを述べられています。
今のところ彼一人ですが、私の問題提起の一つ、
「料理人を持ち上げすぎ」を認める発言です。
この問題から逃げずにコメントされるのは、
なかなか立場上難しかったかもしれませんが、
すこしはこの業界もそういう流れになってきたのかと、
驚いた次第です。
しかし彼の提案である、ジャーナリストの丸抱え。
果たして公平な評論が出来るでしょうか。
私は、一般客側に立って評論するのは
難しいのではないかと思います。
取材費を与えられることによって中立ということは、
今まではお金を払わずお店の料理を食べていて評論していたのか、
と突っ込むことはしないにしても、
自腹を切る痛みを伴わない取材は、
接待族と同じようにCPに対する判断力がぼけると考えます。
その意味では、客側にも店側にもつかない、
本当の中立というものが出来るのかもしれませんが、
それでは誰のために評論するのかわかりません。
本来、代金を払って購入する読者=一般客のために
書くべきだった料理店評価本が、
店、料理人のために書かれていたのを私は問題にしてきました。
店や料理人のための本ならば、
彼らから出版費用を徴収し、読者へは無料で配布するべきです。
横川氏の提案が尻つぼみにならず、
更なる他のフードジャーナリスト、料理評論家によって
大いに議論してもらいたいと考えます。
でも、まだ、
「特別料理」を「特別待遇」で食べて評論することが
読者には無意味だ、というもう一つの問題提起に関しては、
なにも回答はありません。