第104回 ボツになったある雑誌への取材回答 その6店側を取材した結果考えたと思われる質問への回答
- Tweet
- 2003年8月30日(土)
お電話、お手紙等で抗議がございましたでしょうか?
間接的に、噂話のような形で聞く機会はありました。
でも、同じ間接的でも賛同の話の方が多いですよ。
手紙はグラフ社を通してですが、
すべて賛同の物であったと記憶しています。
●お店からは「“覆面”で取材するのは構わないが
掲載を事前に教えてほしい」という反応もありますが、
その点は如何でしょうか?
貴誌もかなり前もって、取り上げた店に対して聞き込み、
不満を聞きだしているようですね。
それは今までの取材がほとんど実名取材だったから、
今回のようなスタイルに
慣れていなかったからではないでしょうか。
自分の店を褒めない評価本が出る、なんて
彼らの頭にはまったくなかったはずです。
覆面取材も断る、という店は、
特別料理と一般料理の格差がかなりありそうで問題です。
掲載を事前に通知することが本当に必要なのかは、
出版社と検討しなければなりません。
私の一存ではお答えできません。
ただ、なぜ事前に知りたいのでしょうか。
その意味は、掲載内容を把握して記述の修正を要求したい、
との意図を感じます。
一方的に、掲載することだけを通知するだけでは、
店にとって今の未通知と差がないと考えます。
もし、店側と妥協しながら評価を修正するのであれば、
拙著の存在価値はなくなります。
今回、そのような抗議をしてきたお店が1店あったと
グラフ社からは聞いています。
このお店はちゃんと名乗られたそうで、
その後本を一冊送ったと聞いています。
●お店からは「営業妨害、名誉毀損で遺憾である」という
反応がありますが、その点についてはどうお考えでしょうか?
今までの評価本、ガイド本で、
下駄を履かされてヨイショされていた記事に慣れていたので
免疫がなかったようですね。
「週刊新潮」、「文藝春秋」などの
書評にも取り上げられましたが、
その中でも、今までの書き手と違った観点できっちり書いてある、
と良い評価を受けています。
具体的な店名を挙げて「まったくその通り」と
同意されている方も何人かいらっしゃいます。
つまり拙著は、サイレントマジョリティーである
一般読者が感じていることを、
ただ代表して取り上げただけと考えております。
特に新しい考え方ではありません。
彼ら料理人の主張とは逆に、
今までの店ベッタリのヨイショ記事に対して、
読者がおかしいではないか、との反応も非常に多いのですが、
そのことに対して店側はどう感じているのでしょうか。
貴誌も色々店側の反応を探られているようですが、
この突っ込みは必要と考えます。
でなければ、ただの悪口三昧の本だけならば、
これほど反響を得られなかったと考えております。
書評にも取り上げられなかったでしょう。
そのところを、クレームとして反応している
お店側がどう捕らえているか、
世間の反響を真摯に受け止められないところに、
彼らの閉鎖性があると考えます。