店評価BLOG

Archive for 3月, 2010

料亭でCPを期待してはいけない、岡崎つる家

by tomosato on 3月.27, 2010, 和食

皆様は料亭に何を求めるでしょうか。立派な建屋、仲居さん見事な接客、素晴らしい器、手入れされた庭などなど。でもその料亭に料理を期待するのは根本的に間違いです。
建屋の減価償却や維持費、仲居さんや下足番の人件費、高い器の購入とメンテ、庭の手入れと普通の店とは比較にならない出費をしなければ料亭は維持できません。普通の店には必要ない経費が多大にかかるわけですから、料理(食材や料理人)に投資する余裕は経営上あり得えないのです。ましてこの「岡崎つる家」のように、3?5万円コースという高額和食のコースと大差ない価格設定では、料理に力を入れてはビジネスモデルが成り立たないのです。「豪華料亭に美味いものなし」は定説であります。
いつも付き合ってくれる関西の食べ仲間から「今回は遠慮したい」との返事を貰い私はこの定説を確信したのですが、そこは駄目だとわかっていても飛び込むのが友里スタイル。もう一人の食べ仲間と東京からも一人誘って訪問したのは2月の半ばでありました。
週末に近い曜日でしたが、この日の客は我々だけ。さすが世界の賓客が訪問する料亭だと建屋の凄さに驚く私達が通されたのは、自慢の庭が正面に見える掘りごたつ式の部屋でありました。

まずは先付けとして葉付の三宝柑。車エビ、ホタテ、水前寺海苔、土筆、厚焼き玉子など具は多かったけどまったく凡庸。鯛の造りも脂臭くて養殖ではないかと思うほどの質。鮪も普通レベルでありました。お椀は粕汁。鰤、大根、人参、蒟蒻が入っていましたが、客単価4万円の店のお椀としてはいかがなものか。
揚げ物の油目唐揚げ、タラの芽、青唐もどうってことなく、春菊とササミの胡麻浸しが出てきたのにも驚きました。小料理屋へ来たんじゃないぞ。続くは名物の鯛頭山椒焼き。生臭く感じてまったく美味しくありません。筍ご飯だけは満足して〆となったのです。

夜だし時期が時期なので襖を開けっ放しにすることが出来ず自慢の庭を眺めながら料理を食べることができず、20%のサービス料が乗っての支払いが4万数千円。お酒を飲まない人でも3万8000円近くかかります。あまりのCP悪い凡庸な料理の連続に、友里が世界の賓客を税金で接待する身分にならない限り再訪はあり得ません。

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昼のビストロ料理には失望した、トゥールモンド

by tomosato on 3月.20, 2010, フレンチ

口コミサイト「食べログ」で高評価な連日満席の大阪フレンチ。以前は昼夜ともビストロ料理でしたが、関西ヨイショライターの重鎮、門上武司氏達と行ったフランスで刺激を受けたとかで、夜は多皿のお任せコース1本という業態に変更しております。昨年11月、まずは夜(8925円)にチャレンジしました。

普請は高くないが小綺麗にまとめた内装。クロスがないのはビストロ時代の名残なのか。まずはワインの値付けの安さに驚きました。ノンヴィンシャンパーニュが6800円、ブルゴーニュも村名は6800円からあり良心的なリストです。
アミューズは森鳩とフォアグラのムースにリンゴのエスプーマ。フルーツ系のピュレやジュレを多用した流行料理の始まりです。ビストロ上がりだからか見た目よりはしっかりした味付けで悪くはありません。前菜3皿は以下の通り。足赤海老とコンソメのジュレにはブロッコリーのムース、玉葱の低温ローストには塩キャラメルとトリュフのピュレ、そして鱈の白子のムニエルに厚岸の牡蠣のスープ仕立てと、スプーンを使用する料理が多いのが特徴です。
魚料理は白烏賊のリゾットに加えて的鯛やトランペット茸、肉料理は蝦夷鹿の背肉とフィレ、とポーション小さいけど不満はなかった。流行の食材てんこ盛り、どの食材がその皿の主役かわからず、フルーツや甘物、そして海藻のような旨み成分を多用する調理は友里の嗜好に合わない事が多いのですが、悪い印象は持たなかった。かなり飲んだので2万円超の支払い額だけが印象的でした。

ここはビストロ料理も試さなければと昼に再訪したのが今年になってから。鴨生ハムのサラダ(1575円)にはサワークリームがかっておりイマイチ。好きなシュークルート(2625円)はキャベツが少なく発酵が足りないのか酸味も弱すぎ。甘めの出汁味でディープさなく期待はずれでありました。
牛肉の赤ワイン煮込み(2940円)は、肉だけ別に煮詰めているのではないか。シュークルートも赤ワイン煮も味のトーンが同じで、まるで業務用ストックを使用しているような食後感。高田馬場の「ラミティエ」ではもっと手の混んだ料理が昼のメイン並みの支払いで前菜メイン二皿食べられるだけに、昼夜を食べた結論は、地方の「過大評価店」になりました。

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銀座もビックリ!名古屋の高額寿司屋、浜源

by tomosato on 3月.20, 2010,

名古屋駅からタクシー往復で5000円かかるだけではなく、一人当たりの支払い額も優に2万円を突破する名古屋屈指の高額寿司店。この値付けで客が押し寄せていますから、主人は笑いが止まらないのではないか。店内や入り口を和風に細工していますが、よく見るとかなり大きな三階建ての一軒家。自宅と店舗兼用の豪邸と読みました。
内のL字型カウンターには、向かって左に主人、右側に上野毛時代の「あら輝」で修業したという息子さんが位置しております。高額寿司屋だと言うのに意外に二人とも謙虚。特に主人は若い衆から奥で調理された料理を手渡しされる度に「ありがとう」と言っていました。弟子を怒鳴りつけている東京の鮨職人を見慣れている友里は、驚きそして感心したのです。

さて主人の性格ではなく肝心のツマミと握り。初訪問での支払いが2万5000円前後と予想外に高かったのは飲み過ぎが原因かと、間を置かず再訪して下がるどころか3今度は3万円弱の支払い。はっきり言わせていただくと高過ぎで富裕層限定の寿司屋と判断。とは言っても、博多の「河庄」ほど無茶苦茶なCPの悪さはなく、寿司自体は東京でも中の上か上の下レベルと判断します。
中トロは普通でしたが、ヒラメはまずまずでタコの桜煮もしっかりした味でお酒がすすみます。半生のバチコ、厚みもありこれは美味しい。あの濃い味好きな魯山人(大のナマコ好)もビックリではないか。ツマミはワタリガニや白魚など寿司タネ以外の物も揃えていて、生姜や山葵漬けも私の好みでお酒のピッチは上がったのでした。

握りでは酢飯が意外。赤酢を使用していませんが、粒が固く特徴があります。ここまで固いのは地方の寿司屋では珍しいのではないでしょうか。
ヒラメの昆布〆はちょっと昆布が強すぎで、コハダも〆が強いと感じましたが、白身の星鰈やサヨリは美味しい。ヅケ、鰺、穴子、赤貝、トリガイ、干瓢など江戸前に似たタネを揃えているのも地方の寿司屋としては珍しく、そこがこの強気の値付けで客がやって来る理由なのかもしれません。
銀座でもこの請求額は、「青空」や「小笹寿し」、「あら輝」そして「かねさか」と名だたる有名店に負けません。あらためて名古屋経済を支える富裕層の底力を思い知らされた友里でありました。

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