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2008年03月29日

豚シャブ屋にしては高過ぎないか、豚組しゃぶ庵

この店が属するグループは、「ひらまつグループ」の原点「ひらまつ亭」があった西麻布4丁目のビル地下の居酒屋「せいざん」が出発点であります。その後交差点近くにワンコインの立ち飲み屋をオープン。外人客で盛況でしたが、この辺りから経営元の「株式会社グレイス」は拡大路線を取り始めました。4800円のイベリコ豚をウリにしたトンカツ屋「豚組」が当たり、立ち飲み屋も赤坂に増やし、昨年ついに六本木にこの豚シャブ屋をオープンしたのです。グレイスの売上が2億6000万円、これだけでも驚きですが、今期の目標はこの「しゃぶ庵」の売上を見込んでか目標が4億3000万円になっております。居酒屋「せいざん」もいつの間にか「豚料理屋」に鞍替えと、急激な膨張と方向転換がちょっと気になります。
今年はじめに編集関係者たちと新年会で訪問してビックリ。100席以上の超大箱店で、ホール以外に個室ゾーンが広くVIPルームも2部屋あるのです。IH加熱調理機をテーブルにはめ込み、ルクルーゼの鍋をセットし、男性スタッフは若くビジュアル系を用意、と「せいざん」時代を知る友里としてはのけ反るばかりの衝撃でした。
突き出し、6種の前菜、しゃぶしゃぶ、麺のコースが豚の銘柄毎に8種ほど用意されています。2900円の「けんとん豚」や3500円の「黒豚」は許せるとして、「白金豚」が5400円、イベリコに至っては1万円というのはいくらなんでもやり過ぎではないか。
濃厚な胡麻ダレを避け、塩出汁や塩胡椒で食すると安いコースでも豚の旨みを感じます。確かに悪くはない。一日2回、タイムサービスの焼き豚のワゴンでの提供(900円)も面白い趣向です。
でも3人で馬刺しや追加肉を頼み、5千円前後のワイン(ボジョレーもの)を2本飲んでの支払いが4万円弱には言葉を失ってしまった。
今回は自腹ではなかったのですが、この支払額を知ってしまうと再訪は難しい。同じ六本木の高級シャブシャブ「瀬里奈」(勿論牛肉)でもワインを持ち込んでVIP会員の割引を使ったらこの支払前後で終わるはず。あまりに高い豚肉屋ではありませんか。週末なのにほとんど客が入っていませんでしたから、1億7000千万円売上増が絵にかいた餅にならないことを祈るばかりです。

食べ足りない時の立ち寄り限定、ほな あざぶ

雑誌やTVで紹介されていたダイニング風鉄板焼屋であります。正式には「HONA azabu」と英文字ですが、大阪弁の「ほな行こか」からとったとわかる大阪テイストのお店。大阪の既存店からの東京進出ではなく、何とこの東京店が初めての店だとか。大阪からぶっつけ本番で激戦地の西麻布出店という度胸に驚きました。
トマトを使ったお好み焼きがこの店の一番のウリ。鉄板焼が好きではない友里は訪問を躊躇していたのですが、近辺での会食で満腹にならなかったので一人入店したのが昨年12月、年末の稼ぎ時なのに客が少なかったのが意外でした。
まずはウリの「王様トマトお好み焼き」(1480円)をオーダー。中身の具を2種選べるシステムでおススメの烏賊とアスパラをチョイスしました。生トマトの酸味とソース、キャベツが混ざった濃厚な味付けは、面白いですが沢山は食べられません。この1品のつもりが、つい探究心が出てきて追加をしてしまいました。
牛土手焼き(680円)はB級的な化学系の調味料を否定できない味濃いものですがまずまず。J.C.オカザワなら泣いて喜ぶ一品です。キャベツ盛り(380円)はマヨネーズと辛味噌を混ぜて食べるもの。変わったお味でありました。ちょっと腹の足しと寄っただけでしたが支払いが5000円弱は食べ過ぎか。
2回目の訪問は、ミシュラン1つ星の鰺フライ屋「田はら」の帰り。高くて何ら傑出していない鰺フライなどの口直しに連れと二人での立ち寄りです。お好み焼きの他に、新作というオデンを食べての支払いがこれまた6000円ほどと今回はあまり売上に貢献しない取材となりました。
お好み焼きをウリにしていますが、あくまで主体は鉄板焼のはず。魚介や野菜の鉄板焼のほか、近江牛ロースが100グラム3800円、ヒレが4500円で用意されています。シャンパンはドンペリなど高級品も置いてあるので接待族もターゲットなのか。5000円コースにはトマトお好み焼きや牛ロースが入っていますから、若い人の合コンや宴会の利用には便利であると考えます。
店のキャパの割に男女スタッフの数が多く、総じて皆愛想が良い。私の年齢では濃すぎる味付けでありますが、小腹がすいたとき、帰宅前の立ち寄り限定としての紹介です。

2008年03月22日

有名俳優も通っている人気店、忠弥

平日でも15時半オープン前に行列が出来るという祐天寺の焼きトン屋「忠弥」。数時間で売り切れ終い、しかもオープンして瞬く間に売り切れタネが続出するという超人気店であります。あのJ.C.オカザワが絶賛していたので興味を持ち、友里は今年初めの15時前に店前に到着しました。
さすがにこの時刻では一番乗りでしたが、すぐさま千葉から来たという女性が続いたのです。今日が2回目の訪問とのことでしたが、「この間来た時トヨエツ(豊川悦司)が食べていた」との話しに、あらためてこの店の人気を確認したのです。
オープン10分前くらいでしょうか、その千葉の女性の「トヨエツだ」との叫びに後ろを振り返ると、20人は並んでいる行列の最後尾になんと本物の「トヨエツ」が並んでいるではありませんか。平日、しかも月曜ですよ。自分を棚に上げて言えば、なんと暇な俳優ではないですか。
オープンと同時に客が流れ込みあっという間にキャパ30人ほどの店内は満席です。注文をメモ用紙に書いて手渡すシステムはスタッフ数に制約がある店では仕方ないでしょう。
この店の特徴を一言でいえば「化学調味料かけ過ぎ」。付き出しのキャベツの浅漬けに始まって、ほとんどの客が頼む煮込み、そしてメインの各種焼きトンにおしんこと容赦なくMSGが投入されているのです。その量が半端ではありません。
オカザワの連れの料亭若旦那も常連のこの店の煮込み、塩味なのでどう内臓の臭みを取っているのかと興味がありましたが、MSGだとは思いませんでした。ハラミ、つくね、ハツ、タン、しびれ、ひも、と続いた焼きトンも、数本で部位の違いわからなくなる単調な味わいに焼き場の主人を見たら、2種の白い粉を堂々と振りかけているではないですか。塩と味の素かけ過ぎです。おしんこにもせっせと振りかけておりました。ネットで評判の生ピーマンも、単に塩と味の素をかけているだけですから家でも簡単に食べられます。
廉価な店(客単価2000〜4000円)なので、化学調味料の使用は否定しませんが、それにしてもこれは使い過ぎ。素材の本当の味がわかないではないか。オカザワとトヨエツに私は忠告したい。この店への訪問を人に悟られてはいけません。自分の舌を疑われます。

味も雰囲気もディープな鉄板焼、きだんち

店名は主人の名字からとったとのこと。西麻布のテレ朝通りのこのお店、整備工場の2階なのですが階段入口が狭くわかりづらくて、再訪時も見落として行き過ぎてしまいました。カウンターは6席ほど、あとはテーブル2卓の小さなキャパの店内は、当日予約が主体のようですがいつも満席となっています。
サラダやキムチを除いて料理は鉄板焼が主体です。
前菜の位置づけでほとんどの客が頼む「海鮮盛合せ」、価格がはっきりわかりませんが、マグロ頬肉、ホタテ、イカ、穴子、蛤など盛り沢山。バターを多用した鉄板焼ですので、かなり味が濃い。スターターとしてはちょっとディープ過ぎるのではないか。アラカルト注文の客だとその後の料理がきつく感じることでしょう。
鉄板焼のメインの肉料理は、A5ランクの和牛がロース、ヒレと50グラム2000円前後で用意されています。値付けはまずまずリーズナブル。ただしここまでランクの高いサシの入った肉が鉄板焼に必要かどうか、個人的には疑問であります。
驚いたのは「コロコロステーキ」(3200円)。柔らかすぎて食べにくい豆腐も付き、焼き物の野菜も半端な量ではありません。これを頼むならサラダは不要です。安く上げたいならば肉をスルーしてお好み焼きへ逃げてください。そして最後の〆は牛スジカレーです。最近は和食屋でも出てくるカレーですが、私的にはこれが一番美味しかった。
主人は外観と違って人当たりの柔らかい人。ポーションなどの注文にも柔軟に応えてくれて居心地も悪くないのですが、解決していただきたい点がいくつかあります。
まず、換気が悪い。鉄板が客に近すぎるからか、席によっては蒸気をモロにかぶることになります。また、主人の両手の指輪、食材を素手でつかむ料理人ですから、衛生面からも調理時にはずしてもらいたい。全体に味付けが濃すぎるので、日本酒や焼酎ではなくワインしか合わないのではないか。そのワインは4000円前後から用意されていますから、まずまず良心的であると考えます。2名以上から頼めるコース(5000円ほど)ではなく、アラカルトだと1万円近くかかりますから一人客は注意が必要です。
濃い味好きで山本益博氏やJ.C.オカザワと嗜好の合う方に強くおススメする店です。

2008年03月08日

行列ができていたのが不思議、インデアンカレー

筆頭は山本益博氏と犬養裕美子氏でしょうか、大きな力を持つ人たちが闊歩している日本の飲食業界。そしてこの二人ほどではないですが友里より影響力を持つのが自称農産物流通業者の「やまけん」さんです。彼が店のウェブサイトのプロデュースまで買って出て自身のブログでベタ褒め紹介していたのが東京進出してきた「インデアンカレー 丸の内店」です。
関西では何店舗も展開している人気店。一度食べたら病みつきになるほど感動するというカレーに興味を持ち、最初に訪問したのはオープン数月後、昼時だからか10人以上の行列が出来ておりました。やっと順番がきてレジで支払いすると店長が着席する場所を指示してきます。態度がでかいとちょっとムッとしましたが感動カレーの為に我慢しました。しかし出されたカレーを見て、私の期待は萎んだのです。ご飯の割に少ないルーは見るからにスパイスが少ないようで黄色みが強い。一口食べて唖然、無茶甘く感じるのです。暫くして単純な辛さが襲ってきました。かなり小麦粉を使用しているとしか思えないトロミある少なめのルーはご飯の量とのバランスが悪い。いや、甘辛のバランスもかなり崩れていると言えるでしょう。野菜から出る甘みではなく、ジュースやエキスをぶち込んだとしか思えない強い甘み。そして各種スパイスを割愛し、チリペッパーかチリパウダーくらいしか使用していないと思われる単純な辛さ。これで感動する「やまけん」さんはかなり涙もろい方なのでしょうか。付き合わせのキャベツのピクルスも不自然なほど甘いものでした。
このコラムのため今年2月に再訪したのですが、昼時なのに行列が出来ていません。13時前でもお好み焼き屋には行列が出来ていましたから、トキアビルの賞味期限が切れているわけではないでしょう。肝心のルーは以前よりトロミが薄くなり、辛さが強くなったと感じました。相変わらずルーは少なく、「ルー大盛り」でも足りないくらい。キャベツのピクルスも更に甘くなっているようで完食出来ません。
スパイスの風味を感じないこのカレー、ルーは別の場所で大量に造られていると思いますが、調理レベルはそこらの街場のカレーと大差なし。近所でなければ絶賛ブログに釣られてまで訪問する店ではありません。

2008年02月02日

牛ヒレや主人の自慢話にも我慢の限界がある、基順館

1日1組、会員制というか一見客は予約できないシステムの焼肉屋ですが、「おとなの週末」に詳しく掲載されていたので取り上げます。高質和牛ヒレ主体の隠れ家焼肉と期待していたのですが、心身ともに疲れ果てて帰路につく結果となりました。
ワインも含めて一人1万6000円前後でお腹一杯高品質な和牛ヒレが食べられるのですが、肝心の味付けやワインがイケません。大きな問題点は2つ。まずこの店にはビールがない。白・赤ワインが飲み放題と言っても日本製の甘い特注ワインだけ。ビールが飲めないだけでなく、酒類が甘いワインだけなんて酒飲みには考えられないことです。そして更に苦痛なのが主人の自慢話。最初から最後までしゃべりっぱなしです。嵐山吉兆や和田金の社長も来店して絶賛したまでは想定内でしたが、日本を動かす政治家、高級官僚、検察庁幹部が贔屓にしている、電子カルテやトレーサビリティ関連で特許を取ったので飲食業は赤字でもいいんだ、と飛躍した時はさすがに引いてしまいました。
まずはその日に使うヒレを丸ごと見せてくれます。4人相手でこの値付けの安さには感心しますが、肝心の調理が単調でまともなお酒もないので有り難味は半減です。
最初はヒレ生肉のタレ漬け込み。かなり大きめの塊を一口で食べろと言われます。確かに癖なくトロミのある味わい。量も半端ではなくこれだけでヒレは充分か。香の物を挟んで次はヒレ焼肉。脂がないので煙が出ないとほとんど生状態で勧められます。これがまた大量。一人分何百グラムもありそうです。素材がいいから塩胡椒をしないと言いながら、甘すぎるタレをつけさせるのはいかがなものか。素材が良いなら甘いタレより塩胡椒だろう。生野菜の後なぜか豚のスペアリブがでて、豆腐、真鯛のニンニク風味の煮付け、ヒレスープ、そして餅米のオジヤで〆て、デザートとなります。肉に脂は不要と言いながら、脂の多い豚のスペアリブを出してくる矛盾を理解できず、口の中が甘ったるくなるだけの2時間余り。本来このヒレの量なら、2倍の請求でも文句が言えないはずですが、まったく酔えず不完全燃焼で店を後にした次第であります。
上流階級と無縁の友里には、常連という日本を動かす人たちの嗜好がまったく理解できません。

2008年01月12日

ほとんどの料理に疑問のトンカツ有名店、すぎ田

昔からトンカツの名店と評判の「すぎ田」初訪問で肩すかしをくらった友里が、確認と検証のため訪問を繰り返しほとんどの料理を食べて下した結論、それは「超過大評価店」であります。どれも何ら傑出していないだけではなく、キワモノもありましたから唖然です。
ネットで評判のオムレツ(1200円)。小さな玉子3ケのプレーンですが、どこでも食べられるレベルで原価を考えると高過ぎ。メインのロースカツ(1800円)、温度の違う2つの鍋で揚げるパフォーマンスですが、肝心のトンカツがダメ。衣がすぐ剝がれてしまうのです。そして肉自体の旨みも感じません。脂部の旨みもなかったから質が良くないのでしょう。トン汁(200円)も豚の出汁が利いていません。
次の訪問ではヒレカツ(2100円)と海老フライに挑戦しましたが結果は同じ。ヒレカツはやはり衣が剥がれ落ち旨みがなかった。海老フライは大きいですが冷凍ものとしては高すぎです。開店前に水で戻していますが、たまに解凍忘れがあるようです。
サラダもひどい。ハム、トマト、キャベツ、レタスで1200円。これまた戻し忘れなのかハムが凍っており最後までシャキシャキでした。特筆すべきキワモノ料理はポークソテーです。ロース1900円、ヒレ2200円でロースをオーダーしましたが、調理を見て私はひっくり返ったのです。フライパンに乗せられた切り置き肉片のまわりは真っ白。小さな脂片も白い。こりゃ凍っているぜ。油でちょっと加熱した後フライパンごとオーブンらしきものへ入れてしまいました。しばらくして取り出された肉は結構火が入っておりましたがここからが更に問題。マナ板でこの肉片を薄切りにし、再びフライパンへ戻しサントリー角瓶に入った酒をたっぷりかけてフランべし、トドメはバターと醤油をたっぷり入れての再加熱です。オーブン使ってソテーと称するのも問題ですが、これじゃ醤油バター煮込みじゃないですか。肉質がまったくわからなくなるこの調理、甘ったるいだけの濃い味で、後味も悪かった。トンカツの質は並で衣が剥がれ、サラダのハムは凍っている。冷凍エビも並、煮込みのようなソテーは、放送作家など業界人でなければ理解できない濃い味と、まったく理解に苦しむ下町の過大評価有名店であります。

2007年12月22日

ホテルの鉄板焼へ行くよりはこの隠れ家へ、馨

ミシュランガイドで見事2つ星を獲得した西麻布の「臼杵ふぐ山田屋」。皿だけで(フグの質)判断して「味満ん」(1つ星)の上だと思うフグ好きが存在するとは思えません。その山田屋と同じ隠れ家的マンションの地下フロアにあるのがこの「鉄板焼 馨」であります。
キャパ20名前後、カウンター(5名までの個室もある)主体の鉄板焼屋ですが、テーブル席ではシャブシャブも食べられます。アラカルトよりコースが主体で、9450円、1万2600円、1万6800円の3コースはホテルの鉄板焼より安めの設定です。まずはホテルの中間価格に値する最高値1万6800円を試しました。
先付けはモッツァレラの味噌漬け。変わった味で評価不能。前菜盛り合わせは韓国の九節板のように9に仕切った器に一口料理が9種。ヅケ、ホタテ、烏賊などアイテム豊富ですが造り置きで平凡。そしてウニの笹焼きは山椒と海苔、塩の味付けでしょっぱ過ぎ。ここまではイマイチでしたが、その後は持ち直しました。通常は黒鮑か伊勢海老の選択なのですが、4名以上だったので両方でてきました。黒鮑をベルモットソース(肝はガーリック)、伊勢海老はそのミソの味付けで、そこらのホテルの星付き鉄板焼より大きさ、質も良いのではないか。そして山芋サラダの後に和牛ステーキ150グラムが野菜と共に供されます。これまたホテルの店と遜色ない出来。〆のガーリックライスも追加料金がないのが魅力。ステーキの切り落としを使用しており美味しかった。
ワインもノンヴィンのシャンパンが8400円と値付け安く、白、赤ワインも5000円からあり、ブルゴーニュ、ボルドーも8000円前後からと良心的です。
料理人はプリンスホテル出身と聞きましたから鉄板調理もホテルレベル。この1万6800円、ホテルではせいぜい車海老かロブスターで鮑や伊勢海老は出ない価格帯で、ワインの値付けもホテルに比べてかなり安い。肉質や調理技術に差が出にくい鉄板焼では如何に内容が豊富か、ワインの値付けが安いかがCP判断の基準になります。ホテルで同じ内容のコースとワインを頼んだら確実に5割近く支払が増しますから、接待などでどうしても鉄板パフォーマンスが必要な場合は、この隠れ家店をおススメします。

2007年12月01日

確かにお腹一杯にはなる食べ放題、しゃぶ吟

友里のネタ探しで一番お世話になっているのが「東京カレンダー」という月刊誌。検証や問題提起なく店の宣伝だけに徹する「ヨイショ系雑誌」の筆頭であります。そこで深夜営業のしゃぶしゃぶ食べ放題の店と紹介されていたのが六本木の「しゃぶ吟」です。あの和食店「龍吟」主人の山本征治氏が店引け後にスタッフを連れて寄るほどの店だとか。松坂牛認定店で食べ放題が6800円との釣りキャッチにすぐさま友里が知人と乗り込んだのは言うまでもありません。お腹を空かせてミッドタウン対面の小さなビルの5階へ上がった瞬間、しかし期待は萎んでしまいました。店内は靴脱いでのカウンターと掘り炬燵式の半個室なのですが、かなり狭い。そして卓上にはカセットコンロが設置されています。松坂牛を扱う割に何ともプアな設備。気を取り直して1000円引きのぐるなびクーポンを出して、6800円食べ放題コースを頼みました。
この店の食べ放題には仕掛けがあります。まずは黒豚と和牛の2種が供され、それを食べ終えてから豚か牛を選択して追加できるシステム。まずは原価の安い豚を食べさせ牛の消費を抑えようとする戦略なのでしょう。松坂牛認定店で豚を食べる客がいるかと次々牛を追加していったのですが、思ったより食べられない事に気が付きました。オリジナル胡麻ダレがかなり濃厚なのに加えて、追加するたびに牛の脂分が多くなってくるのです。この脂攻撃と濃厚胡麻ダレ、そして最初の豚のおかげで思ったより早く投了となった次第です。
松坂牛認定店とは言っても、松坂牛を食べ放題に出すとは書いてありません。野菜は千切りになっているし、他の一品料理も濃い味付けで私の好みではなかった。いくつかの単品とビールに日本酒飲んで野菜を追加して一人1万円前後と予想より高くついたのはチャージ500円にサービス料10%を加算されるからか。
純粋にしゃぶしゃぶを楽しむならば、近隣の老舗「瀬里奈」で登録メンバーとして10%引きしたのと支払がそうは変わりませんでした。この閉塞感、脂分、胡麻ダレと支払を考えたらリピートはあり得ないというのが我々の結論。それにしても山本氏、かなり立派な体躯の方ですが、この狭い空間で我慢できたのか、一度確認してみたいものです。

2007年11月17日

やっぱり支店はクオリティが落ちていた、こなから

今年4月オープンの新丸ビルにお茶の水のオデン屋「こなから」が支店を出すと聞いて私は驚きました。オデン屋は一軒家か雑居ビルが定番というもの。新開発ビルという地代の高い場所で、客単価に制限のあるオデン料理が成り立つものなのか。
最初の訪問は7階のイタリアンでお腹が一杯ならず二次会的に立ち寄った7月。21時近くだというのにカウンターは満席でした。相席のテーブルで、頼みもしないのに出てくる売上稼ぎの「お通し」と牡蠣オデン(1050円)、大根、がんも、半ペン、こんにゃく(各315円)を二人で頼んでビールを飲んで5000円超。その支払額の高さに加えてオデン出汁のしょっぱさに驚きました。昨年行った本店はもう少し品ある味付けだったはず。シイタケ、鰹節、鯖節、塩だけで造った出汁という割に深みもなく表面的なインパクトある味に感じましたが、イタリアンの後だったので、再度検証の為秋口に再訪しました。
この店は予約不可なので、18時に駆けつけたのですが、すでにカウンターは満席でまた相席テーブルになりました。美味くない茶碗蒸し、豆腐などの「お通し」ははなんと1000円。今回はオデン以外も確認と、800円前後の出汁巻き、揚げ浸し、サラダ、山芋なども頼みましたが単なる普通の居酒屋料理。価格の割に小さいオデン、大根は味浸みこんでおらず、昆布や半ペンといった定番も美味しくない。だいたい豆腐がないのはいかがなものか。
本店も2時間の制限がありましたが、30分前にラストオーダーと言われて呆れました。出来合い料理のオデンでラストと言われると、あと30分が持ちません。体の良い「追い出し」です。
カウンター内には何人も職人がいましたが、本店にそんなに男衆がいただろうか。支店オープンで急募集したスタッフと読みました。これだけ回転させてしまって、オデン種の製造はどこでやっているのか。自家製と銘打った創作タネが多いですが、クオリティの劣化をみると、出汁と共に下請に製造させているのではないかと思ってしまいます。靴脱いで狭いところへ押し込まれて一人当たり8000円弱。これなら出汁の傾向はまったく違いますが、「お多幸」の方が安くてお腹一杯楽しめるでしょう。

2007年04月01日

お酒が飲めない客は歓迎されない、五十嵐

山本益博氏と門上武司氏。東西を代表する店癒着型の大御所ライターですが、彼らの共通点は「ヨイショ」だけではありません。お酒をほとんど口にしない食ライターであるということはあまり知られていません。オールアバウトの東西を担当する若きライター二人もお酒に弱い。お酒を飲まれる方に彼らの嗜好が合うはずがありません。そんな彼らが取材しにくい店がこの北千住の「五十嵐」。フレンチの有名シェフ、五十嵐安雄氏を兄に持つ義春氏一人が切り盛りするカウンター7席の小さな店。お酒を飲めない人だけでは入店禁止、必ず飲める人がいなければ入れない、最寄り駅から徒歩10分の住宅街にある安普請の隠れ家的な「洋食屋」です。
五反野でやっていた時と同じく、料理は完全お任せ1コースのみで原則予約制です。お酒を飲む客を対象にしている料理は、元フレンチ料理人とは想像できない居酒屋風洋食が皿数多く提供されます。蛍烏賊と菜の花、鮪のほほ肉揚げなどは想定内でしたが、生姜風味のハマ吸いに蕎麦まで出てくるのですから驚きました。蕎麦屋で修業したと聞きましたが、どういう発想なのか。シェフ本人も「何料理かわからない」と笑わせてくれました。オリーヴ、鶏レバー、トリッパなどお酒のすすむ食材や調理が小ポーションで出てくるのでお酒の飲み過ぎには注意してください。
ワインはノンヴィンシャンパーニュが8000円。白、赤ワインはブルゴーニュとボルドーが主体で4000円から1万数千円くらいまでと、安くも高くもないと値付けです。前店と違って、サービス向上なのかビールやワインの抜栓はシェフがやってくれるようになり客は楽になりました。
客の腹具合で皿数は変わるようですが、居酒屋風小皿コースはだいたい7000円前後。強面ですが饒舌で結構おもろいオヤジの五十嵐氏。チープ感漂う普請ですが、ワインも含めて1万数千円の「五十嵐劇場」、話のタネに一回はおススメであります。ただし、注意点が一つ。4名くらいですと貸切状態になることがあり、劇場が最高潮に達するとシェフもワインを飲み出し、かなりの本数を開けてしまうことになります。お酒が得意でない山本益博氏、来栖けい氏にはこの店の楽しさがわからないでしょう。

2007年03月03日

この近辺では勝ち組の一店、鳥よし 西麻布店

一時は盛り返したかに見えましたが、確実に客足が遠のいている西麻布界隈。特に4丁目は苦戦している飲食店が多く、山本益博氏が絶賛した「シェ フィガロ」や「キッチン ヌノ」も閉店。数年間で中華、ダイニング、パン屋、スープ屋とテナントが入れ替わった小さなビルは、現在博多チムそばの店になっていますが、今回も客がほとんど入っていません。そんな中で寿司屋「和心」と共に「鳥よし 西麻布店」は連日満席の繁盛店であります。「麻布食堂」などが入る雑居ビルの地下、しかしアプローチは高級和食の雰囲気で「焼鳥屋」に見えません。店内もやや薄暗く、いかにも隠れ家的なところが業界人や芸能人にも受けているのだと考えます。
この店のウリは、フランスで焼鳥をやっていた主人が帰国して選んだ「伊達鶏」のあらゆる部位を堪能できること。中目黒店の繁盛からこの西麻布店を出し、ついに銀座まで進出しています。
焼鳥屋で一番重要なのは鳥のバラシと串打ちだと業界関係者から聞きました。大手やフランチャイズ店はこの重要な作業を工場で処理、ひどいところは中国でやって冷凍輸入しているとか。いわゆるセントラルキッチン方式ですが、このグループは各店舗でその処理をしているそうです。同じく希少部位を出す人気店の「酉玉白金」では、内臓は別仕入れですから、比較するのも良いでしょう。
単品として普通部位が200円、ちょうちん(卵巣)やせせりといった希少部位は300円からありますが、お任せもあり、希少部位を中心にしたコースも組んでくれます。火入れはそれほど強くなくタレも濃くないので割りと食が進むのですが、部位が大きめなのでお任せでは最後までたどり着かないかもしれません。奥久慈だ、比内地鶏だ、と地鶏、銘柄鶏が珍しくない現在、他店との差別化は希少部位の豊富さです。近くに来たら話のタネに寄ってみるのがいいでしょう。いつも満席に近いので、早めの時刻か入店制限の23時近辺が狙い目。麻布十番の「世良田」には敵いませんが同価格帯の「伊勢廣」や「酉玉」より質、焼き技術とも上。客単価は6000円超ですが、希少部位を食べ続け、6000円のワインを飲んでそぼろ丼で〆たら1万5000円近くになりました。安く上げるなら日本酒に限定してください。

2007年02月18日

ただの鉄板焼と寿司会席ではないか、森本XEX

フジTV「料理の鉄人」を覚えていますか。何で選ばれたのか疑問の三代目和の鉄人、森本正治氏。その鉄人を前面に「サルヴァトーレ」や「XEX」を多店舗展開するワイズテーブルがオープンしたのがこの「morimoto XEX」です。
「世界のアイアンシェフ」、「アメリカNo.1ジャパニーズキュイジーヌシェフ」とHPで勝手に表示していますが、ただの民放バラエティー番組で適当に選ばれただけの鉄人。鉄人は番組中の「肩書き」なんですけど、本人とワイズはかなり勘違いしているようです。
六本木星条旗通りに面したこの館。良く言えば洒落たNYスタイル、はっきり言えば派手な成金ダイニングです。2階がプライベートラウンジ、1階が寿司コーナー、地下が鉄板焼とかなりの大箱。寿司も鉄板も1万円から1万5000円までの3コース。アメリカ風日本料理のシェフが考えた〆に握りが5貫出る会席仕立ての寿司コースはハズれる可能性が大。よって無難に1万5000円鉄板焼に決めました。
世界に数台しかないという自慢のスライサーで切った神戸牛の刺身は薄すぎてイマイチ。オイスターフォアグラなるものは2つの食材がまとめて一口タイプで物足りません。
角アイスに並べた魚のカルパッチョも質が良くなくベチャベチャで駄目。寿司コースも同じ質でしょうから期待できません。伊勢海老ローストとグリーンサラダの後、小さな前沢牛としけた鰻が入った櫃まぶしがでてデザートで終わりました。このコースのどこに「世界のアイアンシェフ」の才能を見ることが出来るというのか。そこらの「鉄板焼き」と同じではないか。現在は牛以外に豚や鶏もチョイスできるようですが、これなら銀座の「うかい亭」の方が食材も豊富で満足します。1本数千円でワインの持込が出来るのが唯一の救い。森本氏はHPで「レストランビジネスで料理がしめる割合は3割。サービス、デザイン、音楽、客層を含めたアトモスフィアが7割」と発言しています。この発想が変わらない限り、彼の店で料理を期待することは出来ません。レストランをエンターテイメントと勘違いしている自称世界のアイアンシェフ。「森本とXEXの出会い」とありますが、日本の一般客として出会わなかった方が良かったと考えます。

2006年12月02日

まったく評判倒れ、伊勢廣 京橋本店

友里征耶としてデビューしてから3年あまり、山本益博氏や犬養裕美子氏など飲食店に癒着して一般読者を裏切る「ヨイショライター」たちへの問題提起をコンセプトに私は店取材をしてきました。よって彼らが滅多に取り上げない焼鳥店はご無沙汰だったのですが、近著の「グルメバトル」で掲載することが決定した為、ブランクを取り戻そうと慌てて焼鳥行脚に入ったのです。比較のため掲載以外の店へもいくつか行った中、ネットの評判と私の印象があまりに食い違ったのがこの有名チェーン店「伊勢廣」の本店です。
別館もあるようですが、2階建て一軒屋はその日も超満員。1階のカウンターに首尾よく座れた私の結論は、価格の割にまったく旨くない焼鳥の一言でした。鶏1羽を丸ごと味わえると「ぐるなび」に載っていたフルコースが6300円。しかし、内臓系はレバーと砂肝だけで、今流行りの希少部位などはありません。本当に1羽を丸ごと仕入れて店で捌いているのでしょうか。ササミ、団子、ネギ巻き、皮、モモ、合鴨に手羽とスープでコース終了。追加は椎茸と軟骨しかありません。希少部位がなくタネ数が少なくても、肝心の焼鳥が満足するのなら文句はありません。しかし、この店のものはどれもまったく美味しくないのです。鶏自体の質が良くないようで鶏自体の旨みを感じません。そのかわり焼き上げた後にもタレに浸しますからベチャベチャで表面的には味濃すぎ。肉の旨みのなさをタレ味でごまかしているのでしょう。塩焼きもしかり。質が良くないのですべての焼鳥がタレ負け、塩負けしておりました。タレべったりの皿にそのまま塩焼きを置くのはいかがなものか。〆のご飯物はそぼろ丼がなく焼鳥丼や鳥茶漬けだけ。これ以上飽きる味の焼鳥丼を食べられるはずがなく、頼んだ茶漬けもこれまた美味しくありません。この濃いタレ味には日本酒が合わないと頼んだワインはロスバコスが3800円。焼鳥の値付けと違って安めの値付けには驚きましたが、それでも支払いは一人軽く1万円を超えてしまいました。同価格帯の麻布十番「世良田」とはまったく比べ物にならない悪い食後感。銀座の「鳥半」、新橋の「鳥小屋」などコースを3千円前後で提供する焼鳥屋の方が旨いのではないかと思うほどCP悪すぎです。

2006年11月19日

ギャグではないが一回行けば充分、さんだ

牛の内臓は、炭火焼きステーキや焼肉などの店で食べた経験がありますが、専門店があるとは知りませんでした。「東京カレンダー」という飲食店宣伝専門雑誌にも掲載されていた、「和牛懐石さんだ」。当初は興味がなかったのですが、焼き鳥「バードランド」の和田氏、すき焼き「今半」の高岡氏、山本益博氏に近い兼業ライターのマッキー牧元氏の4人で訪れベタ褒めしている副業ライター古川修氏のコラムを見て友里は興味を持ちました。ヨイショしか能のない古川氏や牧元氏の評価がアテにならないのは周知の事実ですが、過大評価されているとはいえ焼き鳥店や知名度高い牛肉料理のプロが褒める内臓料理とはどんなものなのか。しかし、季節毎にまったく変化しない料理内容で、一回だけの訪問で充分との結論となりました。
予約の際、電話応対がよくないと感じたのですが、カウンター内の料理人も客を値踏みするような態度で感じは悪い。まずはポン酢のアキレス腱、中華風味の大動脈、ハチノスの胡麻和えの小皿。どこの部位だか聞いたら食べ終わってから教えると言うスタッフの言葉に私は憤慨しました。闇鍋ではないのですから、内臓部位に詳しくない客には、最初に説明するべきではないか。強気の対応で、純粋な客をひれ伏せる戦略なのでしょうが、一家言ある客には反発をくらうだけです。いずれも濃い味付けで、食感を楽しむだけのものでした。軟骨の入った団子のスープには上品な旨みがありません。肺、子宮、雌の生殖器は造り置いているらしくやや乾燥気味。タルタルの山葵はチューブでしたから、J.C.オカザワも認めないか。レバ刺しは2センチ四方角の小さいもので、味わいを楽しめません。はじめから温かったスジ煮込み、ツメの緩いシチューに続き、すい臓やほほ肉の焼き物がでてタンやシビレといった部位のシャブシャブ、そしてその出汁のラーメンで〆となります。
珍しい食感でしたが、季節感をまったく感じないメニュー構成。6500円均一のコース1種は、ヨイショライターの宿命とはいえ、不自然なほどの美辞麗句の飾り言葉で賛美するほどのものではありません。それにしても、あのラーメン。出汁の旨さが特筆ものだとありましたが、いつまでも続く変な後味は「化学的」ではないでしょうか。