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2008年03月03日

江戸料理「なべ家」をストーキング、フグ編

ミシュランの発売ですっかり影が薄くなってしまいましたヨイショライターたちの寄り合い所帯評価本「東京最高のレストラン」。ここで長年「江戸料理店」として高く評価されていたのが大塚駅にある「なべ家」です。
鮨の江戸前はイメージできるのですが、江戸料理とは果たして何なのか。その答えを探すため友里は約一年かけて季節ごとにこの店へ通いつめました。題して「なべ家ストーキング」。まずはこの時期旬の「フグ編」です。九州や関西が本場であると思っていた「フグ料理」を江戸料理店で扱っているというのがサプライズ。昔は江戸湾でもフグが獲れたのでしょうか。
この店は何時行っても盛況感が伝わってきません。個室のテーブル上には灰皿が常備されています。繊細なフグ料理でも紫煙を気にしない客が多いということでしょう。
まずはお通し3品でコースがスタートします。ウルメイワシ、銀杏、蛤の煮付けが江戸料理?実はこの「ウルメイワシ」、季節に関係なく毎回出てきますから完全に飽きます。次はフグ汁なるもの。味噌仕立てでフグが2片で思ったより薄味でした。
メインの一つであるフグ刺しも天然をウリにしている他の高額店と比べるまでもない質。辛めのポン酢でわかりにくいですが、引かれた刺身はやけに柔らかく滋味を感じません。
なぜフグコースに蕎麦がでてくるのか。カツオと味醂が強すぎてバランス悪い出汁をかけたオロシ蕎麦、わざわざ出す意味ないと思うのですが、季節に関係なく出てくる「
江戸料理」の定番であります。
鍋も普通で、質の良くないフグだからか雑炊も旨みがなく、塩をかけて食べることを勧められました。白子入りなのに味わいが足りない。この白子、小さすぎて塩焼きでの提供は無理かもしれません。
デザートはこれまた定番の「凍り豆腐」なのですが、添えられてある打ち抜きのスプーンはチープ感そのもの。温めの提供なので火をつけさせなかったヒレ酒にも疑問を持ち、このフグ質と古い建屋の環境で支払が一人2万円台後半はCP悪すぎと言うものです。ウルメイワシと甘い出汁の蕎麦、そして凍り豆腐を加えるだけで凡庸なフグ料理がヨイショライターに評判高い「江戸料理」に変身しますが、純粋にフグを食べたいなら他の店へ行くことをおススメします。

2007年03月10日

東京の天然フグ屋にとってこれは脅威だ、臼杵 山田屋

昨年暮れ、西麻布のスタイリッシュなマンション地下に出来た隠れ家的な天然フグ屋です。本店は大分の臼杵で創業100年の料亭。東京の天然フグ屋といいますと、「味満ん」を筆頭に街場の居酒屋かせいぜい小料理屋の店構えが普通ですが、この店は銀座の「やま祢」ほどではありませんが、かなり豪華な内装です。カウンターが5席、個室はテーブルと掘り炬燵の2タイプが2部屋づつとカップル、接待、家族連れなど選択肢は多い。イケメンの支配人や女性スタッフの所作も丁寧です。コースは3種、基本は2万円で小鉢、刺身、から揚げ、ちり鍋、雑炊、果物の構成。2万5000円はこれに前菜盛合せと白子茶碗蒸しが加わり、3万円は更に白子焼きがつきます。内装や人員に固定費をかけている割に、天然物でこの価格設定は安い。肝心のフグ質に期待できないかと思ったのですが、その心配は杞憂に終わりました。
まずは先付けの煮凝りを食べて安心。淡い色づけで上品な味から化学調味料を感じません。美味しい。そして刺身は薄めで1枚引きでしたが、旨みを充分に感じます。これまた旨い。薬味にアン肝と鴨頭ネギが添えられていますが、その助けを借りなくても充分です。上品な味のポン酢も結構。から揚げも衣に妙な味付けをしておらず、中骨部分もありまずまず。ちり鍋は量が少なめだが悪くない。鍋を一度厨房に引き上げたので化学調味料の添加を疑った雑炊も、上品な味わいでありました。このフグ質でコース2万円は、東京ではかなりお得であります。臼杵の本店ではコースが9000円からあるので、本来天然フグは高くないということでしょうか。3コースを取った結論は、2万円コースで充分。白子焼きが食べたいならば単品(5000円)を追加すればいいでしょう。立地、雰囲気、フグ質を考えたら、近辺の天然をウリにしているフグ屋には大変な脅威になる店。この店を知ると、価格は安いがフグ質がかなり落ちる麻布十番の「小やなぎ」、やはりフグ質が落ちる同価格帯の「六本木 浜藤」へ行く客は居なくなると考えます。
ただし酒類、特にワインが高いのが難点。シャンパーニュが小売の倍、日本酒は1000円以下でしたが正1合ないでしょう。ワインを頼まず日本酒でCP良い天然フグを味わってください。

2006年12月02日

串揚げ系列の天然フグ屋、六本木 浜藤

ネットのグルメブログやレビューで人気がある旬の時期に半年しか営業しない店です。HPではフグ以外にも鰹節、昆布、玉子や野菜にも拘っていると力説していますが、このHPからダウンロードできる曲を聞くと、そんな拘りのある店だとは思えません。嘉門達夫が歌っている替え歌「浜藤てっちり行進曲」、「ゆけ!ゆけ!乾晴彦!!」(店主の応援歌)。おいおい、客単価3万円はする高額店でなぜこんな冗談みたいなことをするのか。ノーセンスでキワモノなだけではないか。そしてここからが問題。べた褒めしているブロガー達はこの店が串揚げの「法善寺串の坊」系列であることを知っているのでしょうか。宅配「ピザーラ」の親会社「フォーシーズ」経営の高級フレンチ「ジョエル・ロブション」を持ち出すまでもなく、廉価な店の経営会社が運営する高額店にCP良い店なし、は定説であります。半年しか営業しないのですから、年間の固定費を半年で回収しなければなりません。家賃は1年分支払わなければならないはずだし、休業中の従業員の手当てもどうするのか。「串の坊」で働かせると本体の人件費が嵩みます。半年だけの期間雇いの厨房スタッフでは腕のある人材を確保できないでしょう。この「半年閉店」は、残り半年で1年分の元を取るということですから、訪れた客が良いCP感も持つことは理論的にはあり得ません。
煮凝りと酒盗、湯引きが別皿で出た後の白子茶碗蒸しは、肝心の茶碗蒸しの出汁が弱い。刺身は玄海下関直送天然フグとありますが、冷えた皿にこびりついていましたから、かなり前に盛り付けたものでしょう。他の有名高額店と違い、薄い切り身であったのも質に自信がないからか。この薄さでは味がわからないと「ぶつ切り」を追加して天然とはいえ質の凡庸さを確認しました。白子焼きは大き目でしたが皮が厚く、から揚げもどうってことない。歌にまでなった「てっちり」、生米から造ったという〆のリゾットもフグ質の限界か滋味をまったく感じません。アイテムだけは盛り沢山のこの「特別コース」が2万1千円。最初から温いままでがっかりしたヒレ酒など酒類を頼んで3万円前後となりました。他の高額店より安い支払いでしたが、この食後感では価格に釣られて行くような天然フグ屋ではありません。

2006年10月14日

業界人が喜ぶ不自然に味濃いフグ、めうが

半年しか営業しないこの天然フグ屋は店名を「みょうが」と読むそうです。最近放送作家がグルメを気取って飲食店紹介に励む姿をよく見ます。しかし秋元康氏、小山薫堂氏などのおススメ店を見る限り、味がわからない似非グルメとしか思えません。ハングリーだった不遇時代の反動なのか、売れると頻繁な店訪問に奔るようですが、歳をとってからの短期間では舌を育てることは難しい。そして、この二人よりかなり格落ちながらグルメ番組に関わったことでグルメになったと勘違いし、飲食店紹介雑誌への登場に飽き足らず役に立たない「煽り本」を上梓してしまった「すずきB」氏が絶賛していたのがこの「めうが」です。
赤坂小学校裏のビル地下。客単価3万円以上の高額フグ屋とは思えない居酒屋然とした店構え。入り口にビールや酒の瓶を放置し、カウンターと小上がりの雑然とした店内。テーブルには紙おしぼりと灰皿がセットしているところを見て、期待は一気に萎みます。無口な主人と女将のこの店は、原則コースしかありません。トマトにマヨネーズをかけた突き出しを見て観念しました。マヨネーズを躊躇なく使う高額店の存在が信じられません。味濃すぎる煮凝りは上品さを感じず、評判の「分厚いフグ刺し」は確かに有名店と同じく厚い切り身ですが、昆布で〆ているのか、化学調味料を添加しているとしか思えないほど変な「旨み」が強すぎです。不自然な味に飽きてフグ刺しを残したのは生まれて初めてでした。小さな白子焼きはレモン以外にポン酢がついています。質が良くない。から揚げは驚いたことに揚げだし豆腐の出汁のようなものがつき、衣自体にも味をつけています。B氏絶賛の焼きフグは、赤い粉の入った味塩のようなものをつけて食べるもの。これまたフグ自体より添加物の味しかしません。フグチリは量が少なくフグの旨みも出ていない。そして雑炊は、予想通り厨房へ一旦戻してかなり味濃くなって帰ってきました。雑炊を客前で造らず厨房に戻すフグ屋は、化学調味料の添加を疑わなくてはいけません。香の物にもばっちり味の素がかかっていましたし、デザートの苺にはなんとコンデンスミルクがたっぷり。マヨネーズ、コンデンスミルク、化学調味料を何ら憚らず使用する高額フグ屋。業界人や作家など文化人の嗜好にあわせているといってしまえばそれまでですが、こんな偽装の味付けで、高額請求してよいものなのか。彼らが添加物好きで味がわからない人種であるという証左。有名無名に関係なく、放送作家、文化人の店ヨイショを信じてはいけません。