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2008年09月27日

ハッピー バースデーの合唱がうるさすぎる、ロウリーズ

オープン当時は狂牛病の問題で閑古鳥だった赤坂の「ロウリーズ プライムリブ東京」。久々に電話をかけると、混んでいると19時30分の指定を受けました。10分前に到着するとレセプションは既に客でごった返しています。凄い人気だと再認識したのですが、何のことはない、19時30分まで客を通していないだけでした。30分毎に入場させて、この盛況感を演出する戦略には脱帽です。そうは言ってもホールは満席でテーブル間が狭く人の行き来も厳しく圧迫感がありました。
まずはツマミと頼んだシュリンプカクテル(1200円)は臭みがあったが旨みなし。クラムチャウダー(800円)もアサリの滋味がでていない。プライムリブについてくるスピニングサラダ、私と同年代の方はプロレス技を連想するネーミングですが、クラッシュアイスの上でボウルを回してドレッシングを混ぜ合わせるパフォーマンスなだけです。フォークは冷やしていましたが、肝心のロメインレタスが冷えていないのには笑いました。
ドレッシングは濃く甘すぎなのに、更に味付きペッパーをかけることを勧められました。古きアメリカ嗜好(大味好き)が残っている店なんですね。
さて肝心のプライムリブ、カットによって腹具合の調節が出来ます。140gの東京カット(3800円)から520g(8000円)まで5段階。テーブル近くでコックコートを着た男性がカットして皿に盛りつけてくれるのですが、この外人スタッフ、袖口がダブダブで切るたびに肉に袖口が接触していました。衛生的ではありません。肝心の味は、ただの柔らかいだけのローストビーフ。まったく肉の旨みを感じません。不必要な脂分が多いからか、量の割にお腹だけは一杯になるのが救いであります。
食事中、間断なくホールの至る所でスタッフが集まってハッピー バースデーの合唱が鳴り響いています。なぜこんなに誕生日の人が多いんだ?答えは帰りがけにもらったカードでわかりました。誕生日ではありません、誕生月にこのカードを持参すると、全員にグラスシャンパン、当人にケーキがプレゼントされるとか。しかし、誕生月と言っても誕生日以外の日で歌われて嬉しいものなんでしょうか。この肉、この雰囲気、このサービス、私なら誕生月でも再訪しない店であります。

ウリの鯛茶漬けは好みが別れるがCPは悪くない、山路

黒胡麻の鯛茶漬けとスッポンの出汁で評判の「ぎんざ 山路」。昭和通り外側、小さなビルの地下、と立地は良くありません。マスコミ露出も少なく、ネットのレビューも少ないことから、常連主体の店であると考えます。しかし年末から一見客が増えるのではないでしょうか。複数の情報源から漏れ聞いたところ、来年度版ミシュランガイドへの掲載許可の問い合わせがあったとか。正確には料理や店内の「写真提供依頼」か、カメラマン派遣による「写真撮影依頼」を受けたということでしょう。調査期間が短く多くの店を評価できないので、1冊の本として体裁を整える為、写真を沢山掲載してページ稼ぎをしなければならないミシュラン。ほとんどの店にとってミシュランの接触は目出度い事ですから、つい他人に漏らしてしまい、事前に掲載が漏れ伝わる
結果となりました。友里の暴露でも掲載を見合わせない大人の対応をミシュランに期待します。
店内は8席のカウンターにテーブル1卓、そして掘りごたつ式の小上がりの小さな店。訪問するなら少人数でのカウンターをオススメします。小上がりは狭くてスタッフが上がれず、料理はバケツリレーのように客同士の手渡しとなるからです。
久々に訪問した初夏、お任せ1本のコースは以下の通りでありました。
まずは鱧そうめん。やや濃い目の味付けがこの店の特徴ですがまずまず。梅味の茶碗蒸しも悪くありません。タコの煮物は鮨屋の桜煮とは違いますが美味しい物でした。お椀はこの時期の定番の鱧とジュンサイ。出汁はバランスよく○。鯛茶がウリですが、造りの鯛には疑問を持ち、赤貝、鱧の落としは普通でありました。続く鮎の塩焼き、トラハゼ、鱧寿司にも傑出したものを感じませんでしたが、賀茂茄子の炊き合わせと鯛のアラの蒸し物は良かった。〆のご飯は鯛茶と丸雑炊が選択できましたが、個人的には丸雑炊がオススメです。お茶をかける黒胡麻の鯛茶、普通の鯛茶に慣れている私には物足りなく感じます。反面この店のスッポンの出汁は「重よし」よりかなり上。雑炊は誰でも満足されると考えます。出汁を使った料理をメインに楽しめる「ぎんざ 山路」、お酒を飲んで2万円台前半とCPも悪くはありません。小さな店ですから、ミシュランに掲載される前に一度は訪問しても良いでしょう。


2008年09月20日

あの店は今・・・、みかわ茅場町本店

ミシュラン不掲載で人気が落ちたのか、週末でも予約が簡単に入りました。カウンターから補助椅子をなくしていましたから、詰め込むほど客が来ていないのでしょう。入店時、小上がりは誰もおらずカウンターも2席が空いておりました。「近藤」が昼夜入れ替え制で2回転ですからえらい違いです。
まずは刺身の盛り合わせをオーダー。赤貝、アオリイカ、小柱、メジ鮪、海老とアイテムは豊富でしたが質はそれなり。勿論メジも美味しくなかった。入店して30分、早乙女氏が鍋の油を移し換えたのにはビックリ。ここは超満席で2回転させていた時代でも油の全交換をしていなかったからです。しかし驚きは直ぐに安堵となりました。何のことはない、油を足下で濾過しただけで再び鍋に戻してきたからです。それより驚いたのが次の行動。カウンター内から姿を消した早乙女氏、何とトイレに駆け込んだのです。オープンして1時間余りのこの時刻、狭い店ですからオープン前に準備をしていただきたいものです。一気に食欲が落ちました。
天麩羅に移ってからも驚きは続きました。単に焦げが強いだけの天麩羅と評していたのですが、その「焦げっぽさ」がなくなっております。巷の天麩羅屋と比して特徴がなくなっているのです。
1万2000円の「お任せ」で、海老はわずか2尾。この値付けでは3尾以上だすべきです。アオリイカ、稚鮎が凡庸なのはまだ許せるとして、キス、ぎんぽう、メゴチといった江戸前タネの天麩羅も何ら印象に残りません。旨みを感じないのです。揚げ技術だけではなく質も拘りがないのでしょう。茄子、アスパラ、椎茸といった野菜も特徴がなく、天麩羅コースの後半の華、穴子も薄く小さく勿論旨みもない。小柱天丼もまったく凡庸。そうなんです。良くも悪くも特徴があった早乙女天麩羅がそこらの街場の天麩羅と同じになっているのに驚いたのです。ミシュラン不掲載でモチベーションが下がってしまったのか。水切りの悪い大根オロシで天つゆはすぐ水っぽくなりますし、レモンは用意されず塩だけ。帰った客の網を取り替えず布巾で拭いただけで再利用と、とても客単価が1万円以上の高額天麩羅屋とは思えない「みかわ」。タネ質、揚げ技術、サービスと傑出していないだけに、来年度版も星獲得は無理と考えます。

2008年09月13日

大食いの人にはお得、フレンチ キッチン

ミシュランガイド総責任者ナレ氏の定宿として知られているホテル「グランド ハイアット」。しかしこのホテルのレストランはオープンから迷走状態ではないでしょうか。鉄板焼の「けやき坂」は、バイキングもやっていた北欧料理から業態変更し、1年経たずでなぜか1つ星獲得。そしてこの「フレンチ キッチン ブラッセリー アンド バー」もこの4月から業態を変えました。夜はビストロ料理をメインにしたビュッフェスタイル(食べ放題)になったのです。宣伝を見た家人からの情報で、大食い一家はすぐさま訪問しました。大人が7300円、子供はその半額とビストロよりは高くつきますが、食べ放題で元がとれるかもといった発想からであります。
店内はカジュアル感がありますが、なかなかオシャレ。野菜、ハム、前菜、オムレツ、肉、チーズ、デザートなど料理毎にステーションが分かれています。
オムレツはビストロ料理か、といった突っ込みはいたしません。ハワイのリゾートホテルの朝食でよく見られる具が自由に選べるオーダー式のオムレツ、実は友里大好きであります。当然その夜も食べました。
野菜もスティック、マリネ、シーザーなど種類があり、前菜もテリーヌ、オイルサーディン、カルパッチョなどそこそこの種類。パテはまずまずながらリエットはしょっぱすぎと個々の評価はマチマチですが全体としてはまずまず。肉類はフォアグラ、牛ロース、タン、仔羊、豚ロース、ホロホロ鳥、七面鳥とアイテムは多く、〆としてストロガノフも用意されていました。ディープなビストロ料理はありませんが、悪くはない質と調理であります。そしてこの店の一番の特徴は、オープンキッチンでオムレツ以外にも肉類はその場でスタッフが火入れをしている様が確認できる事でしょう。
問題点はワインの品揃えです。ブラッスリーとうたっている割に、ブルゴーニュやボルドーが多く、南西地方のCP良いワインが見当たりません。安くても7000円くらいからしかなく結果支払額を押し上げるのが残念。家族のちょっとした外食、気の置けない知人との家族ぐるみの会食などにはもってこいではないでしょうか。食べ盛りの小学生がいたらかなりのお得感があると思います。

バンケット専門に特化したらどうか、リル トーキョー

ミシュラン掲載からわずか1ヶ月で閉店を決めた1つ星フレンチ「ザ ジョージアン クラブ」。ブラッスリーなどの店舗展開が多くなり売り上げに占めるバンケット比率が低下したからでしょうか、粗利率の高いバンケットの目玉として「ひらまつグループ」がこの大箱を引き継ぎましたが、アルザスの3つ星レストランの提携店にしたのはいかがなものか。「オーベルジュ ド リル トーキョー」の提携先は、その名の通りアルザスにある有名オーベルジュ。イギリス形式の箱が合うわけありません。
先にオープンした名古屋店ではアルザスワインが主体でありましたが、東京店では赤ワインがわずか2種しかリストに見当たりません。ブルゴーニュかボルドーしか選択肢がないのですが、そのワインの値付けがまたベラボー。NVシャンパン(ローラン ペリエ)が1万6500円には開いた口がふさがりません。1万円余計ではないか。アルザスのトリンバック社の白ワイン、「ひらまつシール」を張って特別感を出していますが、1万2000円はやり過ぎです。
反面料理はそれほど高くはありません。1万2600円から2万1000円までの3コース。アラカルトも前菜が5000円前後、肉は1万円以内が主体でハープポーションも用意されています。
その日頼んだ鵞鳥のフォアグラ(ハーフ4000円)はスペシャリテで有名ですがショッパイだけ。門外不出の「香辛料」を使用していると聞きましたが、「塩」の間違いではないか。蛙のムース(ハーフ3500円)はまずまず、シュークルート(7000円)は、色々な豚の部位が少ないキャベツに乗っています。トリュフソースがかけられた量、味と品良い一品でした。
株主優待(2割引)に加えて当時はワインも更に2割引きでしたが、それでも一人当たりの支払いが2万5000円。まともに支払ったら3万円台後半と、名古屋店よりはましな料理でしたが、食後感は良いとは言えません。オープン直後の訪問日でも数日前に予約でき、当日も満席感はありません。ドレスコードをはずして集客に励んだ結果、ジーンズに白スニーカーの客まで入店していました。なりふり構わずレストランとして集客に苦労するより、料理のレベルを問われない披露宴専門店に特化した方が賢明であると考えます。

2008年09月06日

京都ブランドでも料理がダメなら集客は苦しい、か波羅

京都を中心に飲食店の取材をしているフリーライター&エディター関谷江里さん。今年3月15日からわずか2ヶ月あまりで自身のブログにオープンしていない店を13回も不自然に取り上げていたのが「ぎをん か波羅」です。「祇園」を「ぎをん」と称するなど怪しい店名に友里は久々に燃えました。まともな店のはずがないと確信、結果はちょっと調べただけでその怪しさがわかったのです。京都に同じような店名のバーはありましたが、この西麻布で展開しようとしている鉄板焼きなど「食べ物屋」の実態はありません。しかもこの「か波羅」の経営は京都では有名な豆腐料理屋「順正」のオーナーが関与していることもわかりました。京都で成功した豆腐料理のオーナーが、「京都ブランド」に弱い東京人につけ込んで進出してきた似非京都の料理店。料理は鉄板焼きでなくても良かったのです。京都に関連した店名をつけ、京都の食材さえ使えば何屋で良かったのではないか。料理長にイタリアン出身者を採用した後に「鉄板焼き」を決定したと漏れ聞きました。ジャーナリストなら読者に公正な情報を提供するべきライターが、なぜ一飲食店を不自然に取り上げ宣伝と見られる行為を繰り返しているのか。友里の知人の質問に、関谷女史はメールで「『ぎをん か波羅』の広報を仕事として勤めている」と開き直って回答してきたそうです。しかし再三の私のブログでの問題提起に関谷女史、4/28以降まったく取り上げなくなり、広報としての役目を果たしておりません。
さて、肝心のこのお店、関谷女史の宣伝が効果ないのか私の訪問時は他に客ゼロ。京都野菜や京都肉なるものを使ったサラダや鉄板料理の他、オーナーの本職である「おぼろ豆腐」(600円)もありましたが、いずれも調理は未熟でまともな料理に出会えなかった。京都肉のカルパッチョ(1900円)はベチャベチャ、ヌルヌルで肉の味がしません。イチボの鉄板焼き(100g4500円)はメタボな牛なのかこの部位ではサシ多すぎです。不味い。付け焼き刃でまともな鉄板料理が出来るはずがありません。内装も時代遅れの「ダイニング調」。センスがないというか、今時こんな内装で引っかかる東京人は味のわからない人だけです。似非京都に引っかかって訪問してはいけません。


スペシャリテは美味しいのだが・・・、シモムラ

東京ではフレンチが苦戦しているそうです。食材納入業者から漏れ聞くところ、客が押し寄せている店は3つ星の「カンテサンス」と六本木にあるこの「エディション コウジ シモムラ」の2店だけだとか。今は亡き「ザ ジョージアン クラブ」、もう老舗の領域になる「レストラン FEU」を渡り歩いた下村シェフが昨年7月にオープンしたこの店、オープン1年あまりでミシュラン掲載が約束されているとか。話せば誰でも相当な自信家とわかる下村シェフ、「星2つは堅い」と自ら吹聴しているそうですから、ミシュランと何か確約でもあるのでしょうか。
「六本木ティーキューブ」というバブリーなビル1階にあるこの店は、個室とホールあわせて30数名のキャパ。ガラス引き戸の自動ドアが変ですが、内装は品よく厨房含めてかなりの投資をしていることがわかります。
さて最初の訪問は1万5000円コース。スペシャリテを中心にしたお任せです。三陸の牡蠣は柑橘系のジュレや塩水風味のクリームが利いていて美味しい。ブーダンノワールもリンゴ系の味付けをして上品な仕上がりです。そしてスペシャリテ中のスペシャリテは的鯛のカダイフ包み焼きです。パルミジャーノも利いていてこれまた美味しいのです。メインに値するシャラン産の鴨も、島人参、島オクラ、島アスパラが添えられてまずまず。コース4皿ともレベルが高く非常に満足した夜でした。年末に講談社から出版する「ミシュランネタ本」で友里のオススメ店に挙げることを考えたくらいです。
しかしその後訪問した家人の「普通の美味しさ」との発言に驚き、今夏再訪した結果は、「スペシャリテ以外は普通レベル」となりました。
その夜の1万3000円コースは、ウニと人参のピュレ、オマールとジロール茸のリゾット、キスのグリエ、鳩ときわめて凡庸でしかも少量。チーズとデセール4皿でようやくお腹が一杯になりました。人気が定着して原価率を下げたかと勘ぐってしまう出来映え。これではオススメできません。ワインはシャンパン、白、赤とも比較的リーズナブル。グラスワインも1000円台でまともなものを提供しています。テーブルを回る自信過剰シェフの口上とスペシャリテ限定として、話のタネの訪問として1回はオススメします。