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2007年12月28日

東京進出はあまりに無謀、寿司 はせ川

以前はグッズショップの出店に興味を持っていたタレントですが、最近は飲食店へシフトしてきたようです。西麻布に、和田アキ子の居酒屋に続いてオープンしてきたのが島田紳助の「寿司 はせ川」であります。
ジョージアンクラブの正面のビル2階。オープンして1ヶ月経つのに階段脇にはタレントから送られた祝花のプレートが貼り付けたままです。彦摩呂、うつみ宮土理、石田純一などなど。このセンスに料理のクオリティを期待する食通がいるとは思えません。
店内はカウンター14席に個室が7室と大箱で、職人たちはイヤホンとマイクをつけていてまるでダイニング。まともな寿司屋に見えません。カウンターに向って右端には鮑やサザエが入った水槽がありましたからますます興ざめです。
寿司会席もありますが寿司コースは1万円と1万3000円に2万円(予約だけ)のお任せもあります。まずは様子見と真ん中のコースをオーダーしました。
突き出し、先付けのタラ白子や白バイガイ、海老芋寿司は廉価な和食屋レベル。青森ヒラメ薄造りはパサパサで旨みなし。メダイの幽庵焼き、鰻の柳川風もわざわざ寿司屋で提供するレベルではない。これらの料理はシェアのため大皿でカウンターに並べられます。奥行きが不自然に広かった意味がわかりました。
肝心の握りも駄目。産地名付きですが、鯛、戻り鰹、ヒラメの質が良くない。境港のズワイと言たったが解禁の11月はまだ先だぞ。穴子は生臭く、馬糞ウニは明礬がきつい。そして握りは茗荷もいれてわずか10個で巻物なしと総量も少な過ぎです。でもこの握りなら追加する気がしません。その後他店でお腹を満たしたのですが、2万円のお任せを頼まなかったのがせめてもの救いでありました。
ビールグラスはブラウンマイスターのロゴ入り、廉価な店ではないのですからメーカー提供品を使うのはいかがなものか。しかも洗い場が一緒なのか、グラスが生臭かった。
紳助は東京のまともな高額鮨屋へ行ったことあるのでしょうか。若い社員から「東京で勝負させてくれ」の願いで進出したそうですが、まったくのリサーチ不足。近辺の鮨屋とまともに勝負できるレベルではなく、タレント好きでミーハーな方にしかおススメできない寿司屋でありました。

2007年12月22日

ホテルの鉄板焼へ行くよりはこの隠れ家へ、馨

ミシュランガイドで見事2つ星を獲得した西麻布の「臼杵ふぐ山田屋」。皿だけで(フグの質)判断して「味満ん」(1つ星)の上だと思うフグ好きが存在するとは思えません。その山田屋と同じ隠れ家的マンションの地下フロアにあるのがこの「鉄板焼 馨」であります。
キャパ20名前後、カウンター(5名までの個室もある)主体の鉄板焼屋ですが、テーブル席ではシャブシャブも食べられます。アラカルトよりコースが主体で、9450円、1万2600円、1万6800円の3コースはホテルの鉄板焼より安めの設定です。まずはホテルの中間価格に値する最高値1万6800円を試しました。
先付けはモッツァレラの味噌漬け。変わった味で評価不能。前菜盛り合わせは韓国の九節板のように9に仕切った器に一口料理が9種。ヅケ、ホタテ、烏賊などアイテム豊富ですが造り置きで平凡。そしてウニの笹焼きは山椒と海苔、塩の味付けでしょっぱ過ぎ。ここまではイマイチでしたが、その後は持ち直しました。通常は黒鮑か伊勢海老の選択なのですが、4名以上だったので両方でてきました。黒鮑をベルモットソース(肝はガーリック)、伊勢海老はそのミソの味付けで、そこらのホテルの星付き鉄板焼より大きさ、質も良いのではないか。そして山芋サラダの後に和牛ステーキ150グラムが野菜と共に供されます。これまたホテルの店と遜色ない出来。〆のガーリックライスも追加料金がないのが魅力。ステーキの切り落としを使用しており美味しかった。
ワインもノンヴィンのシャンパンが8400円と値付け安く、白、赤ワインも5000円からあり、ブルゴーニュ、ボルドーも8000円前後からと良心的です。
料理人はプリンスホテル出身と聞きましたから鉄板調理もホテルレベル。この1万6800円、ホテルではせいぜい車海老かロブスターで鮑や伊勢海老は出ない価格帯で、ワインの値付けもホテルに比べてかなり安い。肉質や調理技術に差が出にくい鉄板焼では如何に内容が豊富か、ワインの値付けが安いかがCP判断の基準になります。ホテルで同じ内容のコースとワインを頼んだら確実に5割近く支払が増しますから、接待などでどうしても鉄板パフォーマンスが必要な場合は、この隠れ家店をおススメします。

名古屋のバブルを実感、吉兆 名古屋

今回の食材偽装問題で「吉兆」が5つの会社に分かれていると初めて知った方も多かったのではないか。湯木姓を名乗らない京都吉兆の三代目徳岡邦夫氏、TVなどマスコミ露出が激しく強気な店舗展開をしており、今年名古屋ミッドランドスクエアの41階に出したのがこの「吉兆 名古屋店」です。
船場のおかげでキャンセルが多いと嘆く徳岡氏を知り、名古屋に一泊した私は昼の訪問を思いついたのです。今なら飛び込みでも入店できる、京都グランヴィア店は結構空いていた、との思惑でしたが入店してビックリ。店内は個室もホールも喧噪で最後のテーブル席だったのです。
メニューを見て唖然。京都各店では6000円以下で提供される松花堂弁当がありません。最低値はミニ懐石の1万円。他は1万5000円、2万8000円と嵐山本店の次に高額な店でした。
仕方なく頼んだミニ懐石、食後感は最悪。八寸は柿なます、イクラ、黒豆、トンブリ、サーモンなど食材、調理とも期待外れ。和食の生命線のお椀のタネは蕪、シメジ、名古屋コーチンの鶏団子。団子はなんと山椒を利かせてありました。こんなタネでは繊細な出汁は合わないと考えたのか、カツオが強すぎるバランス悪い出汁。その割に余韻がありません。造りの鯛はクラッシュアイスに直に載せられています。創作和食で昔見た手法ですが、これでは溶けてベチャベチャになるではないか。シビ(鮪)の握りも酢飯が甘く醤油のジュレのようなものを乗せてあります。鰆をエリンギでまいた揚げ物もモロミ醤油を付け合わせ、〆の鯛飯も生姜が強すぎるなど、これが京都に本店を置く名門和食の支店なのか。味付けは素人受けを狙った濃い味や変化球の調味料を多用していてまるで創作和食です。京都吉兆への期待はもろくも崩れ去りました。
ビールもドライの中瓶が1000円と仕入れの3倍以上はやり過ぎです。
料理高い、ビール高い、調理は味濃くまるで創作和食、とこの店がなぜ満席なのか。名古屋がバブルであるとは聞いていましたが、新幹線で30分程度と簡単に京都へ行けます。名古屋の方にはこのCP良くない店へ行くより、足を運んで本物の京料理を堪能されることをおススメします。もっとCP良い和食店は京都に沢山あります。

2007年12月15日

星3つはあまりに過大評価、カンテサンス

多店舗展開会社グラナダの下山社長はミシュランのおかげで笑いが止まらないのではないか。この白金の「カンテサンス」に3つ星、日本橋の「サン パウ」に2つ星とかなり優遇されました。ピッツェリアからスタートし、今ではフレンチ、イタリアン、スパニッシュから鉄板焼、中国、蕎麦屋に至るまでその数40店舗に迫る勢いですが、集客に苦しむ店も少なくなかった。中国料理店に加えてオープン3か月で店名からコンセプトまで変えてしまった銀座ベルビア館の蕎麦屋など不振店も結構ありました。
しかしこの店、3つ星という最高レベルの店だとは思えません。皿(料理)だけで判断したとはいえ、サービスに対する評判がかなり悪い。皿だけで判断するならミシュランは立ち食い店でも3つ星を献上するというのか。
受話器が上げっぱなしの通話不通なので直接訪ねたある日のランチ、店内は空席があり無事入店することができました。電話応対が面倒なのか、電話予約の殺到を偽装していたのか。
間口が狭く鰻の寝床のような店内。ミシュランはモダン、エレガント、シックと評していますがサービス陣といいこの内装といい、高額フレンチとしてはマイナスです。
メニューはお任せ1コースのみ。その日に仕入れた食材を有効に使用したいのでしょうが、高額フレンチで単一コースだけなのはいかがなものか。夜のコースは1万5千円で10数皿と多皿。メニュー構成が悪いと感じたのは、そのうち4皿がデザートであったからです。
全体に甘い味付けが多く塩梅というかバランスも良くない。塩の味付けだけの丸ごとの蕪、スッポンのスープ、大根のスープなど意外性のある食材の使用は面白いですが、ウリの山羊乳のババロアはオイル嫌いにはNGか。カリスマ漁師と仕掛け人に煽られた村公一氏の鱸のポワレ。火入れは良かったですが、私には質の違いがわかりません。メインはこれまた同じグループが煽っている西崎ファームのバルバリー鴨のロースト。やはり質の良さはわかりませんでしたが、火入れは良かった。
ワインは品切れや1本しかストックしていないものもあり、値付けも高く一人3万円近くになりましたから、CPも良くありません。ポワレ、ローストと火入れの腕は認められるので、甘く評価して1つ星が妥当です。

確かにCP良いけど星1つは荷が重い、えさき

食後感は悪くない店だとは思っていましたが、まさか2つ星をとるとは想定外だった「青山 えさき」。CP悪過ぎの和食店「菱沼」よりましですがミシュラン調査員の舌は本当に当てになりません。
昨年春に地下鉄外苑前から徒歩10分以上とかなり足の便が悪い場所へ移転、コンクリート打ちっぱなしと一昔前流行ったようなビル地下にこの「えさき」はあります。
カウンター、テーブル、個室で20数名のキャパ。移転前と違って料理はコース1種(デザート入れて7皿)8400円だけ。ただ、2100円の追加でキンキの煮付けが1匹つけられます。(現在は炊き合わせだけを変えキンキを付けて1万500円コースとしている)西麻布の高額閑散定食店「田はら」(何かの間違いか1つ星を獲得したので予約殺到かも)では一本釣りだと称して1匹8千円ほどでしたから、これは安いとオーダー、計1万500円になりました。
巻き海老、ソラマメ、トマトのライスペーパー包み、京菜、百合根の先付けは、高額和食ではないので文句は言えないレベル、可もなく不可もなし。幸先不安のスタートでしたが、鯛の出汁をとって造ったと思われる「かき菜」のスープで持ち直しました。さあこれからだと思った矢先の鯛の造りは、やはりこの価格では上質なものは仕入れ不能かと判断できる代物でイマイチ。しかし次皿からはまともな料理が続きました。大蛤のお椀は出汁もまずまず、移転してからコンセプトを変え野菜に力を入れるようになったという有機野菜料理もグッド、そしてやや小ぶりでしたがキンキの煮付けも味付けのバランスよくこれが2千円ならお買い得と感じたのです。
以前のような創作料理を排し、有機野菜を多用したベーシックな割烹料理。〆のグリーンピースのご飯でお腹も一杯、小豆とカスタードの熱々グラタンなる創作デザートはご愛嬌か。
最後は有機栽培珈琲とやたらと「有機」という文字が目立つのが気になりますが、1万円以上のコースもあった複数コース制を8千円1本に絞って勝負してきた今回の移転。わざわざ行く価値があるかどうか、傑出した料理があったわけではないですが、同席した京都在住の知人が納得した事実と、キンキの煮付けが良かったことを材料に、星なし店としてならおススメできる和食店と考えます。

2007年12月08日

畑違いの商売人が仕掛ける食材が豊富、ブランドゥ

最近は誰々が獲った鯛や鱸、どこそこの会社が育てた鴨、とやたら個人ブランドの食材を煽る人がいます。鳴門のカリスマ漁師として料理雑誌やTVに取り上げられた村公一氏。彼の魚があたかも日本一のように持ち上げられていますが、都心や京都の高級・高額店の主人の目に叶うものなのか。地元徳島中央市場の仲卸はその存在を知りませんでしたし、都内の高額和食店も鳴門の魚を重用していましたが、村氏の魚は扱っていなかった。調べていくと地元や関西の日本酒関係者が仕掛け人となって売り出しに一役買っていることがわかったのです。また西崎ファームという会社が供給する鴨、これまた同じような人脈の関係店へ供給されていますが、私は都内で評判の高いフレンチでシャラン産の鴨に代わってこの手の鴨を使用している店を知りません。このように身内ウケだけする魚や鴨を売りにしているイタリアンが神楽坂駅近くの「キュイジーヌナチュレル レ・ブランドゥ」であります。
店内はビニール系のクロスに紙ナプキン、紙オシボリと非常に質素。プリフィクスのコースを5000円前後に抑えており、この価格設定で能書きどおり素晴らしい魚や鴨を供する事ができるのかの検証が友里の2回の訪問の目的でありました。
前菜の村さんの鱸のカルパッチョ、肉厚で熟成感出していましたが、この調理なら他の鱸でも変わらないレベル。西崎ファームの鴨も火入れは半生に近かったですが、鴨肉そのものの良さは感じ取れません。だいたい仕掛け人たちの覚えめでたい「居酒屋」でも出している西崎ファームの鴨、世界ブランドのシャラン産と比較すること自体10年早いのではないか。
また村さんの「キビレ」という魚のアクアパッツァはとてもオイルと水だけの調理とは思えない濃厚さでした。魚自体に旨みがあったとしても水と油だけでここまで旨みを抽出できるか。カルパッチョの鱸が普通レベルでしたことからも疑いは残ります。疑問を呈したからか、2回目訪問のアクアパッツァに初回の濃厚さはありませんでした。
オーナーはワインに拘りがあり、レアなワインを1万円前後で揃えるなどその姿勢は評価できます。一部の人が煽る変なブランド食材を前面に出さず、地道な営業と調理で客を満足させていればより良い店になると考えます。

浅草の寿司屋に銭形平次がいた、鎌寿司

本人はいっぱしの食通のつもりでいるJ.C.オカザワ。懲りもせず最近も何冊か本を出したそうで、売れないライターに機会を与え続ける出版社の援助精神には頭が下がります。そのJCが友里に勧めた寿司屋が田原町の「鎌寿司」。風情を感じる佇まいに、塗りのはげたカウンタートップ、浅草なのに主人は栃木訛りとかなりディープなひと時でした。
ツマミでは突き出しの後に出た自家製の「即席塩辛」、拘りの烏賊を使用していて調味料疑惑はありますが悪くはない。かなり漬け込んだヅケ、塩強めのコハダと最近の若手と違って仕事はかなりクラシックであります。煮ハマはアサリと見間違うほどの小ぶり。国産物だとのことですが、それでは他店の大きな煮ハマは海外産なのか。食べ応えはなかったですが、味は良かった。真子ガレイのシコシコ感、アワビは生しかないなど私的には疑問のタネもありましたが、海鮮系お好きなJC好みの寿司屋にしてはまずまずのツマミだったのです。
しかし、握りに移ってからの驚きをどう形容していいのか。なんとこの主人、握りを客前へ投げつけてくるのです。その様は正に浅草の銭形平次か。繊細な握りほど崩れないよう丁寧に扱わなければならないはずです。置かずに手渡しする主人もいるくらいですから。ところがこの主人、常連含めて誰にでも握りを投げつけます。時折塗られた煮切りの飛沫らしきものが顔にかかりました。こりゃ堪りません。投げつけられてもビクともしない「鉄の握り」なのかもしれませんが、こんなのありか。実際口へ入れても歯が折れませんでしたからそれほど固いとは思いませんが、このパフォーマンスは問題外の外。柔らかければ良いってものではありませんけど、投げつけても型崩れしない握りはもっと問題であります。
肝心の味わいは、メバチと思われる鮪系や玉子はまずまず。車海老の半生、美登利寿司を思い出すデカ過ぎの穴子、鰺ではなく関アジ、と疑問のタネも多かったですが、かなり飲んで食べて一人1万4000円前後。
酢飯は塩だけ強くてバランス悪く、主人の出身地の栃木から仕入れる干瓢も味濃すぎではありますが、タネ質と支払を考えての結論は、ご近所限定でなんとか許容範囲に踏みとどまりました。

2007年12月01日

料理もワインもリーズナブルだ、マジカ

知る人ぞ知る目黒の人気イタリアン「トラットリア デッラ ランテルナ   
 マジカ」。ネットでも安いと評判ですが、雑誌の露出が少なく私はまったく知りませんでした。
目黒駅から徒歩で10分近くの住宅街と立地が良いわけではありません。トラットリアの黄色い看板がちょっと周りから浮いていますが、店内は結構広く内装もまとも。安いという前評判の割に意外に落ち着ける配置に驚きました。
ボナセーラ系イタリアンをご記憶でしょうか。ドアを開けると威勢良くイタリア人が「ボナセーラ」と声をかけてくるのがウリのイタリアン、一世を風靡しましたがそのはしりが恵比寿の「イル・ボッカローネ」であります。その店出身のスタッフでオープンしたこの「マジカ」にもやはりイタリア人は居ました。黒板に書かれたメニューはどれもイタリア語でそれを日本語不得意なイタリア人が説明するものだから我々には理解し難い。再度日本人スタッフに説明を求めやっと注文ができました。このイタリア人、時間と経費の無駄だと思うは友里だけでしょうか。
料理はどれもリーズナブルでポーションも大きい。
すべてシェアに対応するようですが我々は前菜、パスタ、メインと個別に頼みました。前菜盛り合わせ(1900円、ハーフあり)はかなりの量。シェアにも充分耐えられます。パプリカのバーニャカウダ(1000円)の他、野菜スティックのタイプ(1900円)もしっかりした味でグッド。連れが頼んだ生ハム(1400円)は半端な量ではありません。魚介のミンチラグー仕立てのタリオリーニ(1600円)もこの価格なら文句なく、熊本馬肉のステーキ(2900円)もボリューム、塩胡椒もしっかりで満足しました。そしてもう一つ、酒飲みに有り難いのがワインの値付けの安さです。高級ワインはないですが、掛け率抑えて5000円前後が主体のリストの最低値は2800円。リスト外のワインも9000円前後でありました。そして〆のグラッパの豊富さもこの価格帯の店では珍しいことです。
コペルトとして300円計上されますが、サービス料はなく、結構飲んで食べて支払は一人1万円前後と、イタリアのディープな地方色はありませんが味、ボリュームを考えると充分満足して店を出ることができました。

確かにお腹一杯にはなる食べ放題、しゃぶ吟

友里のネタ探しで一番お世話になっているのが「東京カレンダー」という月刊誌。検証や問題提起なく店の宣伝だけに徹する「ヨイショ系雑誌」の筆頭であります。そこで深夜営業のしゃぶしゃぶ食べ放題の店と紹介されていたのが六本木の「しゃぶ吟」です。あの和食店「龍吟」主人の山本征治氏が店引け後にスタッフを連れて寄るほどの店だとか。松坂牛認定店で食べ放題が6800円との釣りキャッチにすぐさま友里が知人と乗り込んだのは言うまでもありません。お腹を空かせてミッドタウン対面の小さなビルの5階へ上がった瞬間、しかし期待は萎んでしまいました。店内は靴脱いでのカウンターと掘り炬燵式の半個室なのですが、かなり狭い。そして卓上にはカセットコンロが設置されています。松坂牛を扱う割に何ともプアな設備。気を取り直して1000円引きのぐるなびクーポンを出して、6800円食べ放題コースを頼みました。
この店の食べ放題には仕掛けがあります。まずは黒豚と和牛の2種が供され、それを食べ終えてから豚か牛を選択して追加できるシステム。まずは原価の安い豚を食べさせ牛の消費を抑えようとする戦略なのでしょう。松坂牛認定店で豚を食べる客がいるかと次々牛を追加していったのですが、思ったより食べられない事に気が付きました。オリジナル胡麻ダレがかなり濃厚なのに加えて、追加するたびに牛の脂分が多くなってくるのです。この脂攻撃と濃厚胡麻ダレ、そして最初の豚のおかげで思ったより早く投了となった次第です。
松坂牛認定店とは言っても、松坂牛を食べ放題に出すとは書いてありません。野菜は千切りになっているし、他の一品料理も濃い味付けで私の好みではなかった。いくつかの単品とビールに日本酒飲んで野菜を追加して一人1万円前後と予想より高くついたのはチャージ500円にサービス料10%を加算されるからか。
純粋にしゃぶしゃぶを楽しむならば、近隣の老舗「瀬里奈」で登録メンバーとして10%引きしたのと支払がそうは変わりませんでした。この閉塞感、脂分、胡麻ダレと支払を考えたらリピートはあり得ないというのが我々の結論。それにしても山本氏、かなり立派な体躯の方ですが、この狭い空間で我慢できたのか、一度確認してみたいものです。