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2007年11月24日

まずは挨拶の教育からやり直せ、ラ キャンタン

電話予約をした段階でやめるべきでした、駒沢大学駅近くの「ラ キャンタン」。電話向こうの暗くやる気のない口調の女性がこの店のシェフだとその時は気づかなかった。わずか7坪のシェフとソムリエのビストロとの「東京カレンダー」の記事に釣られて出向いたのが間違いでありました。
カウンター6席が主体のオープンキッチンですから、客は入店時にシェフと目が合います。しかしこの女性シェフ、我々だけではなく他の客にも「いらっしゃい」どころか会釈一つしない無愛想さ。社会常識がないと思いながら席に着いたらカウンタートップがやけにベタつくのにビックリ。油をふき取っていないのか。この2点で一気に期待は萎みました。
前菜(1000円前後)は種類だけは豊富。しかしネットで評判のシェーブルサラダはシェーブルを乗せているだけのもの。ラタトゥユはブイヨンの中に泳いでいるようで味にまったく深みがありません。トリップも味が薄っぺらで、鶏レバームースは臭みが目立ちました。
2000円以内のメインも食後感は安いなりのもの。ストウブ鍋で供されるシュークルートは出汁多すぎてキャベツが少なく、バラ肉やソーセージの下ごしらえが安易なのかやはり味に深みがない。仔羊とクスクスも質を考えると香辛料を多用して厚化粧をしたほうがいいでしょう。ブルーチーズのグラタンもジャガイモが硬すぎてNG。つまり頼んだ料理すべてが良くなかったのです。
狭い店内で客と接しているのですから、「いらっしゃい」、「ありがとう」くらい言ったらどうか。せめて会釈だけでもしたらどうか。仏頂面で嫌々調理しているような様を見せられる客はたまりません。この女性シェフの態度はサービス業というより社会人として問題ではないか。
厨房が狭く調理に制限はあるでしょう。業務用や半加工品を使うのも仕方ない。この価格では最初から高望みしませんが、それにしてもあまりにチョイ調理のものばかりには疑問。料理数を減らし手をかけた料理にしないと家庭料理の延長線上にしか感じません。
8000円前後の支払で、調理技術どころか社会常識もないシェフと対峙しながら食べる必要はありません。近辺には同じ価格帯の「ブラッスリー ドゥ クワン」というCP良い店が存在します。

野菜好きでもリピートは難しい、チェファ

ネットの掲示板で友里は「大酒飲み」と言われているようですが、夕食時にちょっと多めに飲むだけで、バーやクラブで飲み直しは原則ありません。それより「大野菜食い」でして、食事の度に野菜を人一倍食べまくっています。そんな友里が雑誌「Hanako」の記事で注目したのが「コリアン ベジタブル チェファ」。野菜料理をメインにした女性のための韓国料理とのキャッチにすぐさま予約を入れました。
地図を見てたどり着いた現場は有楽町近くのガード沿いにある古いビル。エレベータがないこの低階層ビルの4階を選んだのも、純粋に客の健康を考えてのことか。しかし足元の弱い年配客などへの配慮がないのが残念です。しかし、階下の店がみな「炭火焼肉 トラジ」だったので嫌な予感はありました。この「チェファ」、都心を中心に焼肉屋を多店舗展開している(株)トラジの新業態だったと後で知ったのです。
通されたメインホールは正に居酒屋の内装。ガード上の新幹線の往来が見えてしまう借景は場末感さえ漂います。料理は4000円以下のコースもありましたが、ウリと言われるものを単品で次々頼みました。惣菜の盛り合わせ、メニューでは10種、15種とあるのですがこの日は6種しか用意されていません。20時過ぎても店内はガラガラでしたから仕入れを調整しているのでしょうか。キムチやナムル各種は想定内のお味でありました。ジョンの盛り合わせは味付けが甘すぎ。12種の野菜がついている「サムパプ(包飯)」、換気ダクトのない店内でコンロに石板置いてもち豚焼くのはいかがなものか。姉妹店の「トラジ」ように炭で焼きたかった。石焼全州ビビンバはナムル系の野菜が豊富でしたがコチュジャンなく甘すぎて好みでありません。種類の多いマッコリ(480円〜680円)もウリの一つですが、いくつか試してノーマルタイプだけで充分と判断しました。
確かに野菜を主体にしたメニュー構成でしたが調理に特徴がないというかまったく凡庸。野菜の摂取なら他の韓国家庭料理や和食の鍋物等で代替可能です。洋食でも煮込み系ならかなりの食物繊維が補給できます。予算は5000円前後ですが、エレベーターのない4階、新幹線を見ながら居酒屋然としたこの店内とこの調理では、再訪は難しいでしょう。

2007年11月17日

海鮮系の高額な街場寿司屋、大塚 高勢

昔はある種の特区だったのでしょうか、性病の看板を掲げた病院(今は営業していないみたい)、ラブホ、2階建の小料理屋、お好み焼きに料亭まである大塚駅の一角。フードライター達が絶賛する江戸料理「なべ家」もあります。この店、ラブホに隣接していまして、尾行されていたらラブホに入ると思われるのではないかと訪問の度に友里は冷や汗ものであります。
さてこの一帯にあるのが浅草にあった「高勢」の流れをくむ「大塚 高勢」であります。ネットでの評判、特にヘビーなレビュアーの絶賛に釣られてまずは昼に訪問しました。
9席ほどのカウンター、街場寿司のシンボルといもいえるショーケースには海鮮寿司屋お約束の毛蟹もしっかり鎮座。しかし弟子を叱咤する主人の指の傷絆創膏を見て思わず引いてしまいました。結構気にせずこれやっている街場の寿司屋、多いんです。
昼でしたので、アン肝と鯛の子の後、握りに移行。手数は6〜7手と少ないですが、予想通り特徴を感じない緩い酢飯。煮切を引いていなったので要求すると、キッコーマンの醤油差しから注いで刷毛で引いてきました。これって煮切っていない?辛過ぎです。
コハダが〆すぎで酢飯とバランス悪く、マグロ、特に赤身は水っぽくイマイチでしたが、17ケほど食べてぬる燗2つで1万円前後と思ったより安く街場寿司では許容範囲と納得したのです。ところがネットをよく見ると夜は一人2万円前後とかなり高いことが判明。検証に再訪してその高価格を確認しました。
「なべ家」の後、オミヤに太巻きでも持ち帰ろうと扉を開けると結構夜も常連で盛況です。太巻きだけでは何だと連れとツマミ数種に握りもカスゴ、アジ、コハダと単価の安そうなタネを少々。タネは冷やし過ぎで都心の高額店とかなり完成度が落ちることを再確認。太巻き2本のオミヤを加えてわずかなツマミと握りで1万6000円の請求でした。タネが14種入っているという太巻きは5000円相当なのか。ピンクすぎるオボロ、味濃いシイタケや干瓢など自家製ではなく業務用と思われますが、この支払をみて夜はツマミと握りで2万円前後すると確信したのです。このネタ、仕事、酢飯ではあまりに高過ぎ。この支払なら銀座でも有名な江戸前鮨屋で堪能出来るというものです。

やっぱり支店はクオリティが落ちていた、こなから

今年4月オープンの新丸ビルにお茶の水のオデン屋「こなから」が支店を出すと聞いて私は驚きました。オデン屋は一軒家か雑居ビルが定番というもの。新開発ビルという地代の高い場所で、客単価に制限のあるオデン料理が成り立つものなのか。
最初の訪問は7階のイタリアンでお腹が一杯ならず二次会的に立ち寄った7月。21時近くだというのにカウンターは満席でした。相席のテーブルで、頼みもしないのに出てくる売上稼ぎの「お通し」と牡蠣オデン(1050円)、大根、がんも、半ペン、こんにゃく(各315円)を二人で頼んでビールを飲んで5000円超。その支払額の高さに加えてオデン出汁のしょっぱさに驚きました。昨年行った本店はもう少し品ある味付けだったはず。シイタケ、鰹節、鯖節、塩だけで造った出汁という割に深みもなく表面的なインパクトある味に感じましたが、イタリアンの後だったので、再度検証の為秋口に再訪しました。
この店は予約不可なので、18時に駆けつけたのですが、すでにカウンターは満席でまた相席テーブルになりました。美味くない茶碗蒸し、豆腐などの「お通し」ははなんと1000円。今回はオデン以外も確認と、800円前後の出汁巻き、揚げ浸し、サラダ、山芋なども頼みましたが単なる普通の居酒屋料理。価格の割に小さいオデン、大根は味浸みこんでおらず、昆布や半ペンといった定番も美味しくない。だいたい豆腐がないのはいかがなものか。
本店も2時間の制限がありましたが、30分前にラストオーダーと言われて呆れました。出来合い料理のオデンでラストと言われると、あと30分が持ちません。体の良い「追い出し」です。
カウンター内には何人も職人がいましたが、本店にそんなに男衆がいただろうか。支店オープンで急募集したスタッフと読みました。これだけ回転させてしまって、オデン種の製造はどこでやっているのか。自家製と銘打った創作タネが多いですが、クオリティの劣化をみると、出汁と共に下請に製造させているのではないかと思ってしまいます。靴脱いで狭いところへ押し込まれて一人当たり8000円弱。これなら出汁の傾向はまったく違いますが、「お多幸」の方が安くてお腹一杯楽しめるでしょう。

2007年11月10日

ヨイショライター達はやはり当てにならなかった、ペルゴラ

レストランジャーナリストと自称している犬養裕美子氏の著書「東京ハッピー・レストラン」で見事四葉のクローバー(4段階評価の最高点)を獲得した「イル・リストランテ・ネッラ・ペルゴラ」。あの自称「美食の王様」実態は「過食のオコチャマ」の来栖けい氏もロンバルディア料理専門と絶賛していました。
ドアはチープ感がありますが、中庭が見えるホールは6卓の割に広く雰囲気はまずまず。料理はプリフィクスで7000円一本。前菜、パスタ、メインと6〜7種用意されていますから選択肢もあります。ここまでは好印象。しかしメニューを読みこむと、どこが「ロンバルディア料理」なんだと疑問がわいてきます。確かにミラノ風カツレツやラヴィオリのスープはありましたが、リゾットやオッソブーコなどの煮込みはなし。牛のタリアータ、黒豚のグリルなどどこにでもある肉料理が目立ちます。前菜のタプナード、ここは南仏料理店か、メインの仔羊はなんとカラブリア風でした。カラブリア州はイタリアのつま先部分ですよ。スタッフもロンバルディアに拘っていないと言っていましたから、オコチャマもホントいい加減なものです。
全網羅的な料理からまず私が選んだ前菜はスペシャリテのズッキーニ花とジロール茸のヴァポーレ。
量少なく想定内の調理。パスタはサマートリュフとサマーポルチーニのトレネッテ(手打ち麺)。予想通り香りも薄く傑出さを感じません。マツタケもそうですが夏物に期待してはいけません。メインのカラブリアの仔羊もどこがカラブリア風なのかわかりませんでした。ワインリストは5000円から7万8000円迄と値幅が大きく、赤はなぜかトスカーナワインが4ページ、そしてレアワインと言われる「カーセバッセ」が1ページも占めていたのには驚きました。トスカーナワインを主体にしているだけでこの店がロンバルディア専門でないことは明白です。
1万円以下の安めのワインを頼んで一人1万8000円とこの内容ではCP悪すぎ。親しい店だけでなく訪問したほとんどの店を称賛し続ける犬養さんに来栖オコチャマ。そんなに毎回感心するということは逆に本格料理の経験が薄いという証左と言えるでしょう。ペルゴラは数ある過大評価店の一つです。

ご近所客限定のフレンチ、ガルゴティエ

出版社の編集担当と定期的に行っている食事会で訪れたのが中野のフレンチ「ガルゴティエ・ササキ」です。ネットでの評価も上々なビストロ、中野駅から徒歩で15分と立地の悪さも逆に期待を膨らませてくれました。何か特徴があるのだろうとの勝手な思い込みですが、汗かきながら辿りつき食べ終えた結果は期待外れに終わりました。
地図を見ながらもうっかり通り過ごしてしまったくらい存在感のない店構え。ガラス張りでブティックか喫茶店に見えてしまいます。内装はよく言えばシンプル、はっきり言うとチープ。キャパ10名前後、シェフとホールスタッフ2名の小さな店です。
アラカルトなし、コース2940円ですから多くを期待しませんが、肝心の料理がまったく特徴がありません。
冷前菜、温前菜は決まっていて、メインだけがチョイスできるシステム。しかし、そのメインは仔羊かホロホロ鳥しかありません。どちらも苦手な客はどうすればいいのか。冷前菜のタスマニアンサーモンのマリネは想定内。中野まで来てサーモンなんか食べたくないよ、という客がいないのだろうか。温前菜はフォアグラのコーンスープでしたが、この取り合わせはミスマッチと判断。ホロホロは得意でないので必然的に追い込まれた骨付き仔羊、脂分が多すぎで何の変哲もない調理でありました。廉価店だからかフィンガーボウルもなく、非常に食べにくい。一人調理ですから限界があるでしょうが、もうちょっと客の事を考えてみたらどうなのか。500円値上げて2500円になった高田馬場の「ラミティエ」と比べて、料理の種類、ボリューム、野菜の量、とすべてに劣るものでした。厨房、ホールとスタッフを何人も雇って2500円でやっていけるのですから、ガルゴティエも改善の余地は残っていると考えます。
唯一の救いはワインの値付け。ノンヴィンテージのシャンパーニュが6930円と安めで、白、赤ワインも3150円から用意されています。カオールやマディランといったCPの良いフランス南西地方のワインを用意するのは評価できます。店構えにあった廉価なワインの品ぞろえは良心的と言えるでしょう。
わざわざ電車や車で行くほどではなく、ご近所の方に限定で今回紹介させていただきました。

2007年11月03日

あの店は今・・・、兼定

昨年不祥事を起こした「リストランテ ヒロ」の元総料理長や味が分からない放送作家の代表格、小山薫堂氏など業界人が絶賛しているのがかえって足を引っ張っていると思われる六本木の寿司屋「兼定」。それでも集客は順調なようです。敢えてこの高額店を「鮨屋」ではなく「寿司屋」と表したのは、久兵衛出身の主人が供するツマミと握りはどちらかというと私が「海鮮系」として「江戸前」と区別するスシのジャンルに入るものだからです。昨秋のリニューアル後はじめて訪れましたが、店内やレストルームが奇麗になったくらいで大きな変化がありません。店内配置、ツマミや握り、そして支払額は以前とほとんど変わらず満足して店を後にすることができました。
この時期の生イクラ、メヒカリ、枝豆など定番に続いて出たヒラメやアジ、鯖のツマミもまずまず美味しい。カツオはちょっと風味が薄かったかも。鮨ネタではみられないアン肝やハゼも悪くはなかった。10種以上のツマミの後握りへ移るのはいつもの通り。最近は江戸前鮨に慣れてしまって酢飯が物足りなく、煮切りもやや甘く感じましたが、コハダ、ヅケ、中トロ、スミイカと江戸前定番もグッド。カスゴが水っぽく、穴子の塩は個人的に好きではなく、玉子はただ薄く焼いただけと若干の不満はありましたが、ウリである鰺の押し寿司に鯖の棒寿司を食べて機嫌は直りました。
結構飲んで2時間半粘って支払は2万数千円。このタネ質、タネ数では食後感が悪くなるはずがありません。カワハギだ、タイラガイだ、ヒラメの皮炙りだとアイテム多すぎて何を食べたか忘れてしまうのがこの店の難点か。おかげで肝心のエビを食べるのを忘れてしまいました。
他の高額鮨店のレベルが上がって以前ほどの傑出さがなくなった感もある創作系寿司屋でありますが、江戸前鮨信奉者でも高評価を与える人が多いと考えます。毛蟹を置いてある変な寿司屋がお好みで海鮮系寿司屋専門のJ.C.オカザワも褒めている店ですから、江戸前を好まない人にはよりおススメです。
以前主人は2回転させないと言っていましたが、我々の退出を待っている客が20時過ぎに来店していました。「しみづ」や「あら輝」のように売上増目的で時間制にする暴挙に出ないことを祈ります。

今のままでは埋没か、ダル・マテリアーレ

地番は富ヶ谷ながら、代々木公園駅から徒歩数分のイタリアン「ラ・クチーナ・イタリアーナ
ダル・マテリアーレ」。店名は結構知れ渡っているようですが、客入りは厳しいものがあるのではないか。我々が訪問した日も、10数名のキャパなのに店内は閑散としておりました。HPではシェフの拘りが載っております。店名から素材(マテリアーレ)の良さを連想したのですが、食後感はCP含めて良いものではありませんでした。
この店は面白い営業形態をとっています。「基本料金」として、付き出し、お任せ前菜(3種盛り)、パン、プティフール、カフェのセットが1680円。つまり黙って座れば1680円が自動的に計上されるのです。では、それだけで帰っていいのかというと答えはノー。前菜、パスタ、メインから2皿以上頼まなければなりません。前菜やパスタが1500円ほどですから、それだけで5000円弱。メインも食べると7千円前後と立地や店構えを考えたらかなり高い価格設定です。そして料理の選択肢が少ないのもいかがなものか。前菜、パスタが4種と少なすぎ。特にパスタはロングとミドルの手打ち麺にファゴッティーニ(餃子みたいなもの)とラビオリだけと寂しい限り。メインは魚料理がトマト煮込みとオマールのロースト、肉は仔羊のローストだけと、メインを重視する客を度外視したかのメニュー。
フルセット4000円弱の「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」でも多種の料理を用意しているのです。はるかに価格が高いのですから選択肢を増やさなければ客は満足しないでしょう。客が来ない→回転が悪い→メニューを増やせない、と悪循環に陥っていると考えます。
さて肝心の料理ですが、ポーション小さくどれも印象に残るものはなかった。シチリア風という仔羊ロースト、ただのカポナータが添えてあるだけで質もイマイチ。ワインもロッシバス(白)、タンクレディ(赤)とCP良いものが小売りの2倍以上と頼みたいものがない。
この立地と店構えなら、店名通り素材に拘りながら料理数を増やして6000円以下に抑えるしか道はないのではないか。高価格を維持するなら、内容を充実させてコース1本に絞って客に判断を委ねるという手もあります。このまま方向を修正しなければ浮上は難しいと考えます。