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2007年05月26日

金を落としそうな客に媚売りすぎる拝金主義、井雪

誰もが認める東京の京料理店の雄「京味」。この店出身の人気店も多く、「あさみ」、「新ばし笹田」などオープン時から「京味」出身の店と言うキャッチでかなり得したのではないでしょうか。そして彼らのような下っ端ではなかった料理人が出した店が歌舞伎座近くの「井雪」であります。屋号は生家である知恩院近くの旅館名だとか。カウンター7席に小上がりだけの「お任せ割烹」ですが、昨年春のオープンから瞬く間に評判店となりました。紹介制の店とのことですが、「京味」に行った事があるといえば予約が入り、住所や電話番号を開示していませんが文藝春秋社の「東京いい店うまい店」では全データを掲載していましたので今回取り上げます。
エキサイト社長ブログをはじめネットで絶賛の料理は基本的にお任せ1コース。ここまでは「京味」と同じです。食材も津居山の松葉蟹など出身店と同じルートのようですが、味わい、食後感はかなり異なります。良く言えば誰にでもわかりやすい濃く甘めの味付け、はっきり言えば年配接待族や業界人向けの品ない味付けです。輪郭がしっかりしているといえば聞こえはいいですが、京料理の真髄とは程遠い調理の連続。主人も「親方と同じではやっていけません」と言っておりました。しかし味付けだけではなく接客も親方だった西氏のいい所を見習わないのはいかがなものか。常連客には名入りの小さな提灯を店内に飾るなど気を遣っていましたが、一見客にも丁寧に対応して接客差を見せなかった西さん。ところがこの若き主人と女将は、金払いの良さそうな客とそう見えない客に対する差別が激しすぎます。常連ではないですよ、わずか2回目の客でも金があって遊び歩いているように見える人には掌スリスリで媚売りっぱなし。自慢しない客、富裕に見えない客はほとんど無視状態でありました。常連なんでしょう、味がわかる食通には見えない年配客(当然経費族)が遅くに入ってくると、出汁巻き玉子や海老風味のカレーといったある意味特別料理を出していました。一人2万5000円はかかる高額割烹料理屋です。隣からカレー香が漂ってきてはまったくの興ざめ。料理イマイチで経費族多く接客も良くない。主人と女将には早く目を覚ましまともな店運営をやってもらいたいものです。

グラナダを抜けて迷走してしまった鵜野シェフ、ラ・ボスケッタ

楽天の三木谷夫人の実弟が営んでいると言われている(株)グラナダ。「イゾラ」というピッツェリアのチェーン展開で当たり、今ではフレンチ、イタリアン、スパニッシュ、上海料理、居酒屋、蕎麦屋など40店舗に迫る多店舗展開会社になりました。楽天の色を隠してのこの急成長には驚きです。そのグループ内のイタリアン「キオラ」の総料理長だった鵜野氏がガラス食器販売会社とはじめたのがこの白金のイタリアン「ラ・ボスケッタ」であります。
プラチナ通りから路地を入った一軒家、3階建で1階はそのガラス食器のショールームですが、イタリアンの入り口とのマッチングが悪い。
予約の電話では最後の1組と言われたとの同伴者の話でしたが、その日のホールは最後まで半分も埋まりませんでした。この店も三越前の「フェアドマ」と同じく、テーブル席数の半分のキャパを満席と称する「満席偽装」の店なのか。
ハーブを多用した繊細ながらも主張ある料理のプリフィックスコースを提供し、私的には好きなイタリアンだった「キオラ」ですが、今度の店には駄目出しです。メインの選択肢が少ない3コース制で、7500円は5皿、1万円は7皿と多皿に改悪。1万5000円コースはカルタ ビアンカ(白紙のメニュー)と称して何も書いてありません。グラナダのフレンチ「カンテサンス」のプレゼンの完全なパクリであります。
ガラス食器で供される料理はまったく少量。最初の冷えすぎた生ハムで一気に期待は萎みました。2皿目の有機ニンジンのエスプーマ、もうこの調理法は賞味期限切れではないか。オマールのプリンも珍しくありません。ポーションが小さいのに半生にしようとして無理がでた太刀魚、最後の窒息鴨もわずか2片でしたから、造り置きではないか。2片だけを都度調理できるわけがない。ワインリストもプアの一言。イタリアンなのにイタリアワインはわずか2ページで40種ほどしかありません。フランス物が3ページ半ありましたから、何を考えているのか。厳選されたワインなら種類が少なくてもいいですが、目ぼしいものが少なく食指が動きませんでした。
料理駄目、ワイン駄目、客いない。グラナダからガラス食器販売会社への移籍が完全に裏目にでてしまったようです。

2007年05月20日

ファミレスより大箱でクオリティが保てるのか、ミュゼ

日本で一番流行っているフレンチではないでしょうか、「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」。新国立美術館内と注目される立地条件で180席強の大箱ホールは、ランチを入れて一日に3回転はしています。フランス料理界の重鎮で3つ星シェフのポール・ボキューズ氏と日本人初の1つ星シェフ平松氏率いるヒラマツグループのコラボレストラン。巷ではリヨン以外ではじめての出店と言われていますが、これは友里に言わせると「詭弁」そのもの。30年ほど前には銀座に「ポール・ボキューズ」というレストランが立派に存在、最近も客が入らず閉店しましたが、アークヒルズに「ポール・ボキューズ 東京」がありました。要は「ブラッスリー」としては初進出なだけであります。
「ブラッスリー」とは軽い食事やお酒が飲める庶民的なフレンチをいうはず。しかしこの「ミュゼ」は美術館内でファミレス以上のキャパ、荷物やコートを預かるスペースがない、狭いテーブルの詰め込み主義、とブラッスリー以下の環境やサービスなのに、夜はアラカルトで前菜が1800円、メインは3000円前後とそこらのフレンチ顔負けの高額設定であります。
30分前に並んだ私は、オープン直前のスタッフの言葉に驚きました。「本日から1800円のコースをやめ2500円だけになります」。高いコースに絞っても客足は落ちないと強気に出たのでしょうが、ランチ2500円でブラッスリーと言えるか。昼に唯一頼める単品スペシャリテ「トリュフ 卵の皿焼きフォアグラ添えソースペリグール」は、目玉焼き2枚を深皿にいれ、小さなフォアグラ角切れとスライストリュフ、ツメの緩いペリグーソースをかけて焼いただけのもの。これが4500円はあまりに高い。もっと手間をかけた料理を安い価格で提供しても客が少ないフレンチに失礼というものです。国立の建屋への出店は審査も含めて厳しい条件があるはず。平松氏の政治力は調理力のはるか上を行っていると考えます。ランチはともかく夜ならワインを飲むと1万円を軽く突破してしまう自称「ブラッスリー」。コートやバッグを足元に置く、誰が造ったかわからない大量生産料理、周りを見れば180名とファミレス状態、貴方はそれでもボキューズの名に釣られて食べに行きたいですか。

味のわからない業界人おススメ店の典型例、ステーキ 定谷

J.C.オカザワ氏から教えられた業界人や銀座のお姉さん御用達のジャンル不詳のコース料理店。秋元康氏、林真理子氏、そして清原選手も通うというこの店は入谷駅から徒歩10分、住宅街の中の一軒家であります。一応洋食にカテゴライズされると思いますが、価格設定はグランメゾン並みです。HPでは1万5千円、2万円、2万5千円の3コースとありますが、電話で主人に確認したところ、自称グルメの業界人たちが食べているコースは3万円以上のものだと言うのです。安いコースでは秋元氏や林女史の味センスのなさを糾弾できないと判断、無理して3万円以上のお任せコースを事前予約して友里は昨夏乗り込みました。
10席ほどのL字カウンターですが客入りは良くないのか店内は寂しい。ワインはカウンター横の棚に常温で保管されています。これでは高いワインを頼む気がしません。
料理は少量多皿コース。結論から言わせていただくと、この店の料理は鮑、牛ヒレ、牛タン、マツタケ、伊勢海老とアイテムだけは業界人が喜ぶ食材が出ますが、質は高くなく調理は家庭料理の延長線上のレベル。どこにも傑出さを感じません。
箸でも切れると評判の牛タンですが、茹でたものを炭火でさっと焼くだけですから当たり前です。シシャモは冷凍、早松(さまつ)は中国産ですから有難がる食材ではない。
絶賛のビーフカツは肝心の肉の旨みがない。蟹クリームコロッケは味濃く業界人好みなだけ。夏の方が旨いと主人が言っていたフグのタタキはまったく旨みを感じず、肉の刺身も同様。伊勢海老と早松天麩羅の素麺、ステーキと玉葱のサラダ、ヒレとアワビのステーキ、アワビとヒレのピラフなど成金が喜ぶ食材のオンパレードでしたがどれも満足しません。質に拘らず集めた高級食材を手間かけず調理しただけの家庭料理。調理法を変えても出る食材がほとんど重なるというセンスのなさ。いかに、業界人や作家が質や調理に関係なくこの手の食材がお気に入りであるかという証左と言えます。食材が落ちる安いコースは追って知るべし。
安いボトルワインにビール、グラスの白を頼んで一人4万円を軽く突破。フレンチのグランメゾンに相当する支払額で、街場の鉄板焼き以下の食後感。業界人や文化人の屯する店に旨いものなし、定説です。

2007年05月12日

デカいだけで大味の鰻、神田きくかわ

この本店を入れて都内に3店舗展開するネットで人気の鰻専門店。すべて直営店だと思うのですが、この店は愛知県幡豆郡一色町に直営養魚場があると公開しています。3店舗で養殖場を持って採算がとれるのでしょうか。
神田の昔風の一軒家で雰囲気はでています。1階が禁煙、2階が喫煙可と分煙システムで昼時の店内は満席。ほとんどの人が頼んでいる「うな重」は大きさによって、(イ)、(ロ)、(ハ)と奇妙な名づけで、2620円、3150円、3670円と立地、店構えの割に高い値付けです。「ぐるなび」では、「江戸前のうなぎ料理は時間がかかる。せかされるとはんぱな仕事になるんでね。でもかならずいい仕事するからまかせなよ」と38分かかると書いてあったのですが、真ん中の重は20分かからず出てきました。その重を一目見てびっくり。J.C.オカザワ氏は量が多いと言っていましたが、尻尾が重からかなりはみ出る大鰻が品なく2匹乗っております。見ただけでひいてしまいましたが、目を瞑って口に含むとまず詰めの緩いタレの甘みを感じ、次は脂味だけで、肝心の鰻自身の旨みを感じません。品質が安定した養殖鰻のいいところを感じず、山椒を多めにかけてやっと食べきることができました。おかげで私は今まで過大評価でたいしたことないと言ってきた「野田岩」や「尾花」の鰻を見直したくらいです。
ネットではサービスが悪いとありますが、私に言わせると「鰻」が悪い。どう考えても高額鰻店が扱っている品質の良い「養殖鰻」と異なるもの、質だけの問題ではなく、種類が違うかもしれない
と感じたのです。紹介してくれたJCも、種が違う可能性があると後日言っておりました。その正否は別にして、高額店の仕入れる養殖鰻とは違う質のものを使用しているのは間違いない。自社の養殖場をもつ理由はここにあるのでしょうか。「養殖ハマチ」にも似たくどい脂を感じる食後感の鰻蒲焼。そりゃ量も重要な要素でありますが、大きくて量があれば何でも良いって訳ではありません。行列作って食べに行く客が多いのですが、皆さん、他の高額鰻屋と同じようなレベルの鰻だと思って食べているのでしょうか。価格だけは高額店ですが、過大評価の他店よりも食後感が悪い店。友里がおススメできる鰻屋ではありませんでした。

人材不足で支店を出すとは、てんぷら山の上 Roppongi

「楽亭」や「近藤」といった都内の人気天麩羅職人を輩出した「山の上ホテル」。彼らの成功を見て機会を窺っていたのでしょう、ついに本体が東京ミッドタウンに進出してきました。ガレリアという高額飲食店を集めたエリアの3階フロアに上がると、喚起の悪さを曝け出しているのか店外でも油の臭いを感じます。夜のコースが9450円から1万5750円までの5コースと立派な高額天麩羅店なのですが、カウンター席よりテーブル席が多いのはいかがなものか。鮨もそうですが天麩羅も出来たてを食べたいもの。カウンターより客を多く詰め込めるテーブル席を主体にして売り上げ増を狙ったのでしょうが、「つな八」のような廉価な店ではなく、客単価1万円以上の「高額店」です。拘りを捨てて拝金主義に奔っていいのでしょうか。コース設定もおかしい。9450円には天丼などご飯物がない。1万2600円には海老、魚、野菜といった通常のコースの他、海老と野菜だけのコースがあります。海老が2尾あるとはいえ野菜だけのコースで1万2600円とはいい商売しています。1万3650円コースには刺身がつくが、最高の1万5750円はタネが違うからか刺身がついていません。最高額コースを好む接待族には、追加で刺身を頼ませて売り上げ増を狙う高等戦略でしょう。
では料理はというと、店側の狙いにはまって最高額コースに追加で頼んだカツオの刺身に後悔。肝心の天麩羅もタネ質普通で揚げの技術も低いものでした。最初の海老の頭でさえカラッと上がっていないのですから他のタネも追って知るべし。メゴチ、稚鮎、伏見唐辛子といったレアタネもがっかりでした。揚げ職人は2名、見た目で判断してはいけませんが、経験を積んだ人にはとても見えない若い人。ホールスタッフの対応も悪く、客が少ない夕方なのに頼んだ物がタイムリーに運ばれませんでした。支店を出すには教育不足というかまったくの人材不足。ワインなど酒類の値付けも高く、支払額をみてあまりのCPの悪さに唖然としました。本店出身「楽亭」のコースは、もっと質の高い刺身(4000円)を追加しても1万6000円ですから、「山の上 Roppongi」のCPの悪さが際立ちます。再開発地への安易な出店、わざわざ行く必要はないでしょう。

2007年05月05日

あの店は今、畑中

マスコミで見かけなくなりましたがまだまだ人気の麻布十番「天ぷら 畑中」。数年ぶりの再訪で食した、小鉢、海老3、魚4、野菜5、掻き揚げ、ご飯、漬物に果物の8400円コースはまずまず。揚げ方、タネ質も悪くなく、特に海老が3尾でるなど価格を考えるとCPも悪くありません。しかし料理以外で主人の性格悪い面をいくつも見せられてしまいました。
この店は一人客を「嘘ついて」断ります。予約の電話(4〜5日前)で一人と言うと女将は主人と相談するためか保留にし、しばらくして「当日は満席です」。この間の悪さに疑問を抱いた友里は、すぐさま知人に同じ日時に2名の予約確認を依頼しました。私も数十分後に別の電話から声色かえて2名で打診。結果はどちらも予約がとれるとの回答を引き出したのです。カウンター形式の店で嘘ついて一人客を断るな。一人だと最後に1席無駄になる可能性があるとのセコイ考えなのでしょうが、それならば堂々と一人客お断りと言えばいいのです。そう出来ないのは、当日になっても埋まらない時は一人客の予約を受けるからでしょう。しかも訪問当日、親しそうな常連が一人で立派に座っておりました。隣の席は勿論空席でした。
次の問題点は「お通し」の押し付け。小鉢付のコースで最初に出てきたのが「〆さば」。天麩羅を食べている途中で今度は「鰯の時雨煮」がでてきました。お得なコースだと思ったのですが、帰宅後に明細をみてびっくり。〆さばを「お通し」と称し、735円別途に請求しているではありませんか。居酒屋のような単品料理店なら「お通し」別請求はわかります。しかし、コース料理で「お通し」を「客の了解なし」に出して請求していいのか。そしてトドメの駄目出しは友里得意のカード手数料問題です。メニューには5%のサービス料を頂くとありますが、現金なら請求しないと明記。要はカード会社が客への転嫁を禁止している「手数料」を「サービス料」と言い換えて請求する「詭弁」であります。手数料を客に転嫁していないとカード会社に弁解できると考えた「悪知恵」。一人客に嘘をついて断る、コース制なのに「お通し」を断りなく出して請求する、カード手数料を「サービス料」と称して客に転嫁する。こんな主人の店へは行かない方が無難です。