2009年05月30日

京料理どころか和食でもない業界人料理、ます多

放送作家など業界人が3つ星確実と騒いでいる京都の創作和食店。結論から言わせていただくと、業界人が泣いて喜ぶ高級食材(質を問わず)を盛り込んだだけの「賄い料理」。京料理でないどころか、和食でもなく単なる「業界人料理」です。
のカウンター8席の小さな店で、お任せコース1本であります。
まずは由良の赤ウニが小さな箱毎出てきます。ミーハーにはウケるパフォーマンスですが、烏賊と海苔と一緒に食べるこのウニ、どうってことない質です。続く酢味噌で食べるトリガイもまったく凡庸。そして造りはトロ。京都の和食屋でトロを喜ぶ関東人は業界人くらいではないか。フランス人が東京で出るブルターニュ産オマールを喜ばないというのをご存じない。関西では東京に敵わない白身が沢山あるのにもったいない話です。薄造りは「あまて鰈」と言われましたから島根産の真子鰈のことか。東京では常磐ものが有名ですが、この日唯一満足するものでした。鮑は生の薄切りを七輪で炙って肝ダレで。嬌声を上げる業界人の姿が目に浮かびますが、夏でない時期、和食で鮑を食べたいとは思いません。
竹の子は湯がいただけのシンプル調理。長岡産とのことでしたが、上質のものと比べかなり固い。琵琶湖の稚鮎はスタッフが七輪で焼きますが、焼きが甘いというか小さすぎて蒸し焼きみたい。風味もまったく感じなかった。ここからはこの店が得意とする「濃い味」攻撃が始まります。鯛の子の次は伊勢エビと竹の子の煮付け。出汁は濃いだけではなくかなり甘かった。生節を挟んで再び伊勢エビが煮込みで登場。これまた甘いだけの出汁ですが、その後のタケノコにふられた花山椒が全然利いていないのはいかがなものか。業界人が泣き叫ぶ料理はまだ続きます。大トロの炙り見て私は「出た〜」と思わずつぶやいてしまった。シャトーブリアンをわざわざカツするセンスも問題ですが、深みのないドミグラスをキャベツがべちゃべちゃになるほど掛けて食べるのも気持ち悪い。トドメは〆にでた辛いだけの鮑入りカレーで支払い額3万円台後半。あまりに高過ぎです。
質を問わない偏った高級食材を使用しただけの濃い味賄い料理の連続。これで星がついたら、ミシュラン調査員も業界人レベルの舌しか持っていなかったと言うことです。

東京店ほど高くない神戸のステーキ店、あら皮

東京店とは仲が悪く互いに認めていないと聞いた神戸の高額ステーキ店。世界一高いのではないかと私が思う東京店の支払い額を聞いて不安の関西在住の食べ仲間と、この春初訪問しました。
店構えは客単価と乖離しています。通りに面した壁にエアコンの室外機がむき出しで設置され、内装も山小屋風で、とても一人4万円する高額店には見えません。
暗めのホールのテーブルについてまずは懸念材料であったワイン価格をワインリストでチェック。東京店のような高い値付けですと、ワインを割愛しなければならないからです。しかしその心配は杞憂に終わりました。ノンヴィンシャンパーニュが1万円。下手なフレンチより安いではないか。クリュッグのノンヴィンも3万円と高くなく、ボルドーも1万2000円から用意されています。東京店は倍値のワインが最低値ですから、同じ店名でもかなり良心的であります。ただしソムリエの技量には疑問。頼んだシャンパーニュを「パン」と大きな音を立てて開けたのはみっともなかった。
料理は単品もありますが、コースが2万5000円と3万円の2種。料理も東京店の約半値でありました。安い方は前菜がサーモン限定、ステーキもロースだけだったので、我々は選択肢のある3万円にチャレンジしました。
アミューズはマナガツオのスモーク。まずまず満足して、自家製サーモンに移りました。度々の比較で申し訳ないのですが、東京店よりポーション小さいながらこれまた悪くない。グリーンサラダを挟んでいよいよサーロインの登場です。
皿が温く嫌な予感もしたこのステーキ、私だけではなく仲間も全員卓上にある塩を振りかけ始めました。ちょっと塩が緩いのではないか。それなりに美味しい肉ではありますが、個人の好みとしては表面の焼きも足りません。もっと全体に火を入れろというのではありませんが、表面の焼きが私の好みではありません。
食事を終わる頃、主人と息子が厨房から出てきて蘊蓄話が始まります。彼らの拘りは感じたのですが、主人のタバコが気になったのは私だけではないでしょう。
安めのシャンパーニュに赤ワインを適度に飲んでの支払いが一人4万700はありますが、関西へ行って再訪するかは微妙な食後感でありました。

2009年05月23日

大阪のフレンチを見直した、エッソンス・エ・グー

関西の食べ仲間に連れて行かれた高槻のフレンチ。価格を考えるとビストロと言った方が良いでしょう。友里が知らない店でありましたが、シェフは恵比寿の「タイユバン・ロブション」の立ち上げ時に応援に行っていたと聞きましたから、その筋では有名だったようです。駅から徒歩で10分以上かかりますが、10卓ほどの店内は週はじめの夜だというのにほぼ満席でありました。
料理はメインが選択制のコースのみで6000円です。仔羊、鴨、和牛腿(赤ワイン煮)、白金豚、和牛ロース(+800円)など選択肢もあり何しろ追加料金が安くて良心的であります。
最初のアミューズを見てビックリ。稚鮎、こごみ、蕗の薹、葱坊主のフリットは前菜と言って通用する量でして、これだけでもお腹一杯になりそう。
サラダ仕立ての前菜は、ノレソレ、鮪のタルタル、ホタルイカなどが、でかい皿にてんこ盛り状態。質はそれなりですが、下処理もしっかりしており充分満足。マスタード風味は正にビストロと感じました。
箸休め的なキャベツのスープは、フォアグラとタケノコが入っていてビックリ。メインの肉に行く前に魚(食材は失念)のポワレも出てきます。これで6000円ですよ、信じられません。まずまず満足してメイン(仔羊)の登場です。野菜もたっぷり添えられ塩もしっかり利いており、これまた悪くはありません。高田馬場の「ラミティエ」ほどではないとしても、ここまでのCP良い料理を提供する店は滅多にないでしょう。
ワインの値付けも安い。ノンヴィンのシャンパーニュが6200円からラインナップ。勿論スティルも白、赤ともに非常に良心的でありました。今回は料理が安いことからレアな2万円前後のワインをいくつも頼んでしまいましたが、それでも5名での支払いが8万円台半ば。一人1万7000円は、この量、この調理、このワインを考えると安すぎるかも。
シェフはワインに拘っているようで、ワインサービスの度にホールに出てくるからか、皿出しが遅いのが唯一の問題点。近くなら何度でも通いたいですが、大阪駅近辺に宿泊する場合は帰りが大変です。友里的には1つ星に値する店だと考えますが、年末発売のミシュランではおそらく掲載されないでしょう。

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